あらすじ
部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、損保会社を辞め、妻子とも別れ、何もかも捨てて故郷・博多に戻った青野精一郎。煙草も吸わないのに40歳の若さで肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように、結婚と離婚をくりかえす、津田敦。48歳になって故郷の町で再会し、せいちゃん、あっちゃんと呼び合う小学校以来の親友のふたり。人生の幸せとは、本当にかけがえのないものとは何なのか? やるせない人生を、共に助け合いながら歩んでいく、感動の再生物語。
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Posted by ブクログ
久し振りに「白石一文」さんです。
何を読んでも、
ズシン!
と、
何かが残るし考えさせられるので、
ちょっと、
自分が今「ぶれてるかも?」しれない。
と、
思ってる時にほど読みたい作家さんなんですね。
解説を読むとあっさり書かれてます。
主人公は青野精一郎で、
早稲田に進んで趣味は絵を描くことだったみたいで、
保険会社に就職し、
結婚して、
会社が合併による意識改革でへこたれ、
部下を自殺に追い込んでしまった自責の念からか、
本人までも鬱病になる。
それと、
鬱になった原因は不倫にあるのかも?
否、
それぞれがからまって鬱になったのかもですね。
親友のあっちゃんこと、
津田敦もちょっと変わってるかもですね。
一橋大学から銀行に就職し、
経営コンサルトを開業して40歳になったときに、
たばこを吸ってたわけでもないのに肺がんを患う。
そしてまた。。。
もっと、
色々と入り乱れてる2人ですよ。
2人の共通の知り合いさんたちが教えてくれます。
もっと、
自分の人生って何だったんだろうとか、
これからどんな風に人生をおくっていくんだろう。
いけるのだろう。
そう、
思ってる人ほど読んでなにかを胸に残して欲しいです。
読んでいて、
ちょこちょこドッグイヤーしたところをコメントしていきます。
・昔の会社って凄いよね。
上司に包丁をプレゼントされ、
仕事ができなかったらその包丁で自殺しろ!
と、
言われるって、
実際にあったらしいから怖いわよねぇ。。。
・人間は生きたがる生き物でもあるけど、
死にたがる生き物でもある。
魂が、
肉体から解放されたがってるから、
本来生きられる寿命よりも、
人間は短い時間で死ぬんですよ。
身体に悪いと思ってるものでも食べるし、
身体にいと言われればそれも食べるし、
どっちなんだよ!
と、
思うことは確かにある。
様々な理由を根っこに抱えながらね。
食べ物だけでなく、
魂に良い人付き合いもあれば、
魂に悪い人付き合いもありますよね。
良いものだけで囲んでいれば長く健康的に生きられるのに、
なんで、
悪いものも集めてしまうのでしょうか?
不思議ですね。
・夫婦でも、
恋人同士でも、
片方が死んでしまったとき、
残されたもう一人が取り返しのつかないほどのダメージを受けてしまう関係っていうのは、
絶対に間違ってる。
なんだかわかるかな。
・孤独と向き合わなければ、
自身の真価を見出すことは難しい。
って、
去年の僕ですね。
きっと。
真っ正面から受け入れられるようになったのも最近ですよ。
俺物語の感想に書いたけど、
猛男と砂川もどうなるんでしょうね?
せいちゃんとあっちゃんは30年以上も続いてて、
奥さんよりも、
お互いの付き合いの方が長くて、
絆も強い気がします。
もう、
今世では僕はそんな友人は作れないでしょうね。
そう思ってるだけで作れるのかも知れませんが、ないと思う。
あっちゃんは怒りのエネルギーを、
生きるエネルギーにして生きてきた。
スピリチュアルの世界では、
怒りのエネルギーは死へのエネルギーなんです。
怒りをもとに生きていたから、
タバコも吸わないのに肺がんになるんですよ。
まさに、
息苦しかったことでしょう。
せいちゃんが悟るんです。
「自分のことが嫌いやったんやなぁ」って。
この人たちは50歳になる年齢になっていろいろと気づくんです。
気づけただけでもいいことでしょう。
もっと、
僕も気づけていきたいのです。
ゆえに、
こういう小説のありがたみが身に心に魂に沁みるのです。