あらすじ
戦後、産業構造が変容し、最盛期には4100キロにのぼった北海道の鉄道の約四割が消滅した。そこでは何が失われ、何が残ったのか。紀行作家として鉄道の魅力を伝える著者が廃線跡を丹念に取材し、開拓史、地域の栄枯盛衰、そこに生きた人々の息遣いを活写する。鉄道への郷愁と憧憬とともに、かつて北海道の基幹産業だった、石炭、鉱山、にしん漁、馬産、砂金などの歴史エピソードを渉猟し、新しい「鉄道民俗学」を試みる。
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Posted by ブクログ
廃線紀行と言ってもレールが敷かれていた場所
をトレースする訳ではありません。
かつて列車で旅したルートを車などで巡る旅な
のです。
なので駅跡を中心に、かつては栄えたであろう
小さな町を訪れる紀行文になっています。
これがいいのです。
旅を楽しむ前提として、知識と教養が大切であ
ることを教えてくれます。
どんな小さな町に寄っても、その町のゆかりの
人に思いを馳せて街の風景を描写しています。
後付けで調べたのかもしれないが、それにした
ってここまで色々な歴史を知っているのであれ
ば、どこに行っても楽しめるだろう。
知識と面白がる心を持つことこそが、旅を彩る
手段であると思い知らされる一冊です。
Posted by ブクログ
<目次>
第1部 道北
第2部 道東
第3部 道央
第4部 海をめぐる鉄道
<内容>
「旅と鉄道」創刊期のデスクで、天夢人を創設し、社長を経てフリーライター。天夢人を退職後に、若いライターと北海道の廃線をまわった記録。巻末に廃線の紹介があるように、きちんとまわった様子が見て取れる。読んでいると郷愁を誘い、北海道に旅をしたくなる。自分も大学時代のフリー旅で回った旧万字線の折り返し時に、赤とんぼの大群に囲まれた時を思い出した。
Posted by ブクログ
北大文学部出身の交通系ライターさんによる、北海道廃線紀行。廃線となった対象はたくさんある。
昔たどった鉄路もあり、それなりに懐かしい。
青森の五能線のように、観光メインで生き残れる路線があるか、検討の余地があれば良かったのだが。
一度廃止した鉄路の復活は考え難く、過疎の進行は防げないであろう。