あらすじ
死を賭して得た剣名、生を捨てて得た剣技、何人にも負けるわけにはいかない――。宮本武蔵の最後の戦い、神子上典膳の師の後継を争う決闘。柳生但馬守宗矩の野心のための斬り合い。諸岡一羽斎、愛洲移香斎など、歴史に名を残す名剣客の決闘シーンを、剣の一振り、刃光の閃きまでもリアルに描く剣客小説。
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匿名
「二天の窟」宮本武蔵のエピソードである。この本は図書館で借りて読んだことがある。この話が印象に残っていて電子書籍で購入した。武蔵の最後の決闘が描かれている。五輪書を書くまでの老境に差し掛かった武蔵の心の動きを丹念に書き込んでいる。武蔵の超越的な面と俗で人間的な面をうまく描いている。どちらかというと人間臭い武蔵像である。武蔵は対決で蜂谷に負けているのだが執念で蜂谷を倒す。対決場面の息遣い、臨場感の描き方が秀逸である。武蔵は鬼となって蜂谷に襲いかかるのである。
Posted by ブクログ
剣豪たちの決闘や生きざまを描いた5編からなる短編集。お勧めは愛洲移香斎の短編。たぶん架空の人物・住吉波四郎が、父のかたき移香斎を求めて旅に出る話。兵法者の住む苛烈で荒涼とした世界を見た波四郎の決断がなんとも言えず良かった。