あらすじ
「食物繊維は体にいいから消化もいい」と語っている学生に、そもそも消化ができないものを食物繊維ということを説明すると、では「消化できないものが体に必要なのか」ときかれて、これは正しい食の知識が必要だと感じた著者。
体にいい、悪いで語られがちな食べものについて、多くの人がわかっているようでわかっていないという実態を感じて、現在わかっている食の科学を理解し、正しい情報の受け取り方ができるようにという思いで執筆した1冊。栄養学的な面と、複雑な体の代謝のしくみをなるべくやさしい言葉で解説します。
食品によっては、時代的背景も関係していたり、健康ブームの空気にのって「良い食べもの」になっているものも。食と代謝はまだまだ解明されていないことも多いのですが、わかっていることをクリアにしながら、誤った認識に陥らない方向を示します。
序章 食べ物、その正体とは
第1章 食べ物に含まれる栄養素の真実
第2章 消化と吸収から考える食べもの
第3章 体のなかで栄養素はどんな働きをしているのか
第4章 血液という体液から考える食べもの
第5章 筋肉、骨、皮膚と食べもの
第6章 脳と神経に作用する食べもの
第7章 健康な食べものは本当に体に良いのか
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Posted by ブクログ
バラバラに分解することを消化といい、吸収してエネルギーを取り出したり必要なものに変えることが代謝。
さっかりんの発がん性は、不純物によるものだった。チクロはEUや中国などでは使用可能。
ビタミンは、体内で合成不可能なもの。ビタミンFは必須脂肪酸とされる。MやBCは今は葉酸と呼ばれる。
消化に悪いは体に悪い、ではない。
乳酸菌によって腸内環境が整えられる。
プロバイオティクスやプレバイオティクスは腸内細菌叢の開園、バイオジェニクスは、直接生体に作用する。
酵素とは、化学反応に対して触媒として機能するもの。栄養素ではない。体内で製造される。外から取り込むものではない。酵素ダイエットは疑似科学。
運動エネルギーは、ATPを使う。解糖系は酸素がなくてもATPを作る代謝回路。クエン酸回路は有酸素運動の際に使われる。
カルチニンは体内で合成できる。肉や牛乳に含まれる。サプリは必要ない。ケトン体はアシドーシスの状態を引き起こす。中鎖脂肪酸でケトン体が作られる。ガンはケトン体を利用できない。
米にはたんぱく質も含まれる。ただしリジンは少ない。
たんぱく質は平均80日、筋肉は180日、血球は10日で入れ替わる。
毎日2%のたんぱく質が分解される。1/3は排泄される。その分を補う必要がある。体重60キロなら、180gのたんぱく質が分解され、60gが新たに必要になる。
肝臓の数値では、ALTとASTも大事。
肉は糖の代謝に必要なB1を含むことから肉を食べると元気になる。
褐色脂肪細胞は脂肪を代謝させエネルギーを算出する。
ベージュ細胞は寒冷だと現れる。
肥満によって脂肪細胞の数が増える。
塩分は95%は尿中に排泄される。腎臓が調整している。
DASH食=高血圧患者向けの食事。カリウムやカルシウム、食物繊維が多い。
食事のコレステロールが多くても、影響はない。異常はエネルギーの過剰、運動不足、飲酒のほうが影響が大きい。卵は1日1個は根拠がない。
赤ワインのおかげでLDLコレステロールの参加が抑えられている。
アミノ酸スコアは、卵、肉、マグロ、牛乳、大豆は100、白米は61。
BCAAの摂取で、筋肉の分解が少なくなる。ホエイプロテインなど。運動前後の摂取で筋肉痛や疲労感が減る。
BCAAやイミダゾールペプチドが有効、の可能性がある。
干しシイタケは生よりビタミンDが多い。
コラーゲンは半分くらいはペプチドで吸収される。皮膚の機能を保つ。
地中海食は味付けや食材がシンプルなために研究しやすいが、日本食は複雑なので、研究しずらい。ご飯とみそ汁、1975年の食事が適度。
単糖のブドウ糖や数分で吸収される。学習時に力を発揮するが、甘みが少なく摂りすぎる危険がある。
カフェインはコーヒー、玉露が多い。苦み成分。
糖質過多になると、ビタミンB1で、今でも脚気になる。
アリナミンは最初は医薬品だったが、医薬部外品になった。ビタミンB1があるので脚気の克服に役立った。
ソーセージやハムのボツリヌス菌で多くの死者が出た。岩塩を使うと肉の色がきれいで食中毒を防げる。のちに岩塩の中の亜硝酸ナトリウムや硝酸ナトリウムが効いていることがわかり今は食品添加物となっている。