【感想・ネタバレ】言葉の獣 (3)のレビュー

あらすじ

各所で話題のヒット連載、さらなる深化の第3巻。

言葉を〈獣〉の姿で見ることができる東雲(しののめ)と、言葉に強い関心を持つやっけん。
中学生二人が言葉の獣たちが棲む〈生息地〉で「一番美しい言葉の獣」を探す物語。

死ぬことが怖くないという東雲と、死を怖がるやっけん。怖いけれども目が離せない「死」への興味がつのるほど恐怖は加速し、やっけんは動けなくなってしまう。

なぜ人は死を怖がるのか。知ることでそれを乗り越えられるのか。
二人が立ち向かうのは、どこまでも普遍的で根源的な、言葉と知の冒険の道のり――。

「生きることは、立ち向かうことだ」

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あなたの「生きる」は、どんな姿をしていますか。

人間が、何万年も前から意思疎通の手段として使ってきた「言葉」。人類の進化とともに発展したそれは、時に人を救い、時に追い詰める、大きな力を持っています。この作品は、「言葉を獣として目で見られる」という共感覚持ちの少女・東雲と、詩が好きな同級生・やっけんが、一番美しい「言葉の獣」を見つけようとする物語です。
東雲の見る「言葉の獣」は、現実世界の獣と少し違います。ウサギに見えるけれど耳が2つじゃなかったり、獣なのに毛が生えていなかったり、同じ言葉でも発した人で姿が違ったり。不思議な獣たちと出会い、交わりながら言葉について考える二人を見ていると、「自分の言った言葉はどんな姿をしているのだろう」とつい空想してしまいます。
物語を楽しむと同時に、言葉の力や性質を考えるきっかけになる一冊です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

なぜ本は素晴らしいのかを第3巻で表現されているような気がしました。

分からないことを分からないままにしておく事も時には大事だけど、適切に立ち向かうことで得られる強さがあり、知ることは強さにも繋がることを言ってくれているような気がしました。

チ。の言葉を思い出したのですが、全歴史が私の背中を押すみたいな言葉があってそれを思い出しました。
怖くても知ることをやめないことは、学び続けることになるからそれはいつしか歴史になって私の背中を押してくれる。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

 今回は死について。自分の思うことを、言葉の獣を通じて詳らかに解きほぐしていく様子は、毎度唸らされる。この一巻を通じて、薬研が恐れていた「やがて死ぬこと」との向き合い方を見つけていく。題材も好みだし、向き合い方も丁寧で、すごく面白かった。
 今回は話として面白かった反面、舞台装置や二人の関係に大きく変化があった訳ではなかった。前2巻まで印象的だった、クリフハンガー的なヒキもなく、このエピソード自体は比較的綺麗に締まっているため、続きをどう展開させていくのか気になった。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

『言葉の獣3』のテーマは「死」と「仕方ない」。言葉の獣が住む架空の森を旅するやっけんと東雲。

やっけんは死を恐れ、東雲は死は期待だという。死とはなにか。なぜ恐ろしいのか。言葉の意味に迫る。

「恐怖」と「わからない」に立ち向かうやっけんと東雲の辿り着く先は…。

「わからない」ことが「怖い」のは、わかっていたら対処ができけれど、わからないと何もできないから。

そして、同時に「怖い」は魅力的なんです。ホラー映画もそうですよね。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

まってました。

待った甲斐がある。が、とてつもなく重い話題と、ストーリーの根幹が一冊でギュッと描かれてる。サイコーな読み味。作中で言及される温室に居る気持ちを味わえる。

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2025年08月30日

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