あなたの「生きる」は、どんな姿をしていますか。
人間が、何万年も前から意思疎通の手段として使ってきた「言葉」。人類の進化とともに発展したそれは、時に人を救い、時に追い詰める、大きな力を持っています。この作品は、「言葉を獣として目で見られる」という共感覚持ちの少女・東雲と、詩が好きな同級生・やっけんが、一番美しい「言葉の獣」を見つけようとする物語です。
東雲の見る「言葉の獣」は、現実世界の獣と少し違います。ウサギに見えるけれど耳が2つじゃなかったり、獣なのに毛が生えていなかったり、同じ言葉でも発した人で姿が違ったり。不思議な獣たちと出会い、交わりながら言葉について考える二人を見ていると、「自分の言った言葉はどんな姿をしているのだろう」とつい空想してしまいます。
物語を楽しむと同時に、言葉の力や性質を考えるきっかけになる一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
言葉を具現化して、細部までその言葉を表してるのがすごい。
獣それぞれの顔、コマからコマへの移り変わり、会話している時の言葉と表情、一つ一つが丁寧で書き込まれてる。
2巻はよりツイッターの中の世界に、そして『誹謗中傷』の深層に迫る。
『ずるい』と『うらやましい』が対で、かつ似ている獣という設定がうらやましかった。
作者自身、言葉をとても大切にして、たくさん向き合ってるんだろうと感じられる。
Posted by ブクログ
言葉の意味をおいかける、交流を楽しむだけじゃなく、ストーリーとしても先が気になる。
また今回は、東雲と薬研の相似・相違を互いに突き詰めていきながら、なんとかそれを言葉にして、理解し合おうとしているのが良かった。今読みたかった話
Posted by ブクログ
作家がSNSに「曝される」(いい意味でも悪い意味でも)ってこういう感覚なのかしらん。
むしろワナビーにこそ、嫉妬民にこそ、こじらせた者にこそ、刺さる。
ずるい。羨ましい。寂しい。誹謗中傷。
Posted by ブクログ
何でそう思うんだろう傷付けたい言葉の筈なのに中身が空っぽに感じる 気持ちに名前をつけ間違えて_それに振り回されるのは勿体無いよ 「狡い」は自分の位置まで相手を無理矢理下げるんだ_「羨ましい」は自分のモヤモヤを吐き出したり他人と共有して吐き出したり分かち合ったり出来る_沢山の言葉を知らなければ自分の気持ちさえ分からなくなってしまう_言葉は自分を教えてくれる道具だ 記録ってつまり過去の出来事の事だ_それを取り出して人と眺めたりそれが未来に残るか心配になったり 記憶と記録に纏わる二人の思索は、根源的な問いを投げかける。