【感想・ネタバレ】言葉の獣 (1)のレビュー

あなたの「生きる」は、どんな姿をしていますか。

人間が、何万年も前から意思疎通の手段として使ってきた「言葉」。人類の進化とともに発展したそれは、時に人を救い、時に追い詰める、大きな力を持っています。この作品は、「言葉を獣として目で見られる」という共感覚持ちの少女・東雲と、詩が好きな同級生・やっけんが、一番美しい「言葉の獣」を見つけようとする物語です。
東雲の見る「言葉の獣」は、現実世界の獣と少し違います。ウサギに見えるけれど耳が2つじゃなかったり、獣なのに毛が生えていなかったり、同じ言葉でも発した人で姿が違ったり。不思議な獣たちと出会い、交わりながら言葉について考える二人を見ていると、「自分の言った言葉はどんな姿をしているのだろう」とつい空想してしまいます。
物語を楽しむと同時に、言葉の力や性質を考えるきっかけになる一冊です。

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Posted by ブクログ

言葉の獣たち、背景の森、とても繊細な筆致。
主人公の子たちは、割と存在感あるけど絵としては雑。
そしてなんか難しいのです。
でもTwitterや、オンライン、ネット空間のダメなところ突きながらも、折り合いつけて、自分達の想像力(じゃない、人もいる。共鳴力?なんだっけ?)をぶつけて行こうというかっこよさ。
引きこもりとか、自己肯定感とかの関係でうまくリアルワールドと関係できてない人らにも届いて響いたりした良いなとなんとなく思ったり。
とにかく想像というか、溢れ出る獣たちのディ テイルの圧巻。美しさ。言葉へのこだわり。詩の復権。いろんなもの、頭良い方がぶっ込んできたな、脱帽。

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2023年01月15日

Posted by ブクログ

この物語のなかで言葉は詩なのがとても好きです。
谷川俊太郎『生きる』が美しくて詩をもっと知りたくなる。
やっけんが詩を書くのが恥ずかしいから誰にも言わなかったって言ってて、そんなことないよーって言いたい気持ち。
詩は特別なんかじゃなくて、そうしたいものなんじゃないかなあとワタシは思います。
とてもよい物語を、ありがとうございます。続き楽しみです。

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2022年07月13日

Posted by ブクログ

 連載から追いかけていたけど、念願の単行本化。物理的に手元に置くことができて嬉しい。
 内容も物凄く好み。幻想的なのに現実から飛躍しすぎていない「言葉の獣」たちのデザインが好きだし、言葉とそれから受け取るものをテーマにしている点も良い。
 最初にきちんと作品としての(そして彼女たち自身の)指針を提示し、互いのキャラクター性に少しずつ踏み込んでいきながら、最後には気になる引きも用意されていて、構成としても素晴らしい。

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2022年05月14日

Posted by ブクログ

積読解消。

マトグロッソ(トーチだった)で読んでたので、購入。

共感覚を題材に言葉について、想像の世界の中の生き物として描いている。言葉と動物の描画の織り成しが、漫画じゃないと描けない世界になってて、面白い。

ストーリーの展開でどの様な表現になるのか、続刊が楽しみ。

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2022年06月05日

Posted by ブクログ

言葉を「獣」の姿で見ることのできる(さらにそのイメージを他人と共有できる)女子高生が、詩や言葉に強い関心を持つクラスメートと出会い、「この世で一番美しい言葉の獣」を探すという話。
「言葉の獣」や獣が存在する「生息地」が(「映像研には手を出すな!」的な)イマジネーションの世界ではなさそうで、その存在そのものがこの物語の鍵となるのだろうか?
ここまでファンタジーでなくとも良いのではないか?(「言葉の獣」が実在するようなファンタジー的要素は逆に「言葉」や「詩」の持つ力を弱めてしまうのではないか?)という危惧も感じるが、それが杞憂かどうかはこの先の展開しだいだろうか。

トーチWEBで連載中とのことだで、帯にはその旨の記載があるが本自体には何処にも掲載媒体の記載がない(初出年月の記載はあるにも関わらず)のが気になる。漫画って未だにこういう書誌的な情報を軽んじる傾向があるよなぁ。

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2022年05月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アート系の人に刺さるとは思うけど、ものごとの本質を求めるひと全般におすすめ。
薬研のもやもやした気持ちをそのままにしない姿勢とか、言葉の獣についての東雲の上からっぽい話し方とか、東雲の無自覚な傲慢さをあっさり傲慢だと伝える薬研との関係とか。
続きが楽しみ。

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2022年05月08日

Posted by ブクログ

肋も浮き出てる るいとも類友 でも何かを言葉で掬いたいなら臆せず書かなければならない 谷川俊太郎『生きる』 蔑ろに

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2023年12月21日

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