あらすじ
DXをいかにして活用するかをリテール業界を中心に説いた前作『リテール4.0』の法則と実践をマーケティング全般にまで広げアップデートさせた最新刊。深まる分断と高まる反消費の機運にいかにして立ち向かうか。マーケター必読書。
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Posted by ブクログ
マーケティングの大家として知られる著者が、人間とテクノロジーがそれぞれの強みを活かして協働することで顧客経験の全行程を強化する「マーケティング5.0」の手法を解説した一冊。
今日の社会が抱える世代間ギャップ、二極化、デジタル・ディバイドといった課題を踏まえ、著者が「マーケティング3.0」で解説した「人間中心」のマーケティング手法と、「同4.0」の「デジタルへの転換」の考え方を融合して発展させた「人間のためのテクノロジー」という概念に基づき、よりパーソナルかつソーシャルで、顧客体験を強化するテクノロジーを活用した、包摂的でサステナブルな「マーケティング5.0」を提唱している。
具体的には、ビッグデータの分析によって顧客の行動等を予測するとともに、顧客属性ごとに機械と人間が役割分担したサービス・インターフェースを通じて、顧客それぞれの状況(コンテクスト)に応じたコミュニケーションを取ることで、顧客経験価値とエンゲージメントを高めることが可能であり、そのためにはセンサーやNLP(自然言語処理)、ロボティクスや複合現実など、昨今実用性が高まってきている「人間を模倣する技術」を活かしたデータドリブンと、柔軟かつ俊敏に開発やプロジェクトを進めるアジャイルの考え方が不可欠であるという。
著者の視点は”人間vs機械”や”テクノロジーありき”ではなく、テクノロジーをうまく使いこなすことで人間は自身の強みがより活かせる”アート”の部分に特化できるというものであり、最新のマーケティング関連知識・手法がコンパクトに分かりやすくまとめられているので、専門外の読者でも読みやすい一冊となっている。