【感想・ネタバレ】ティラン・ロ・ブラン 4のレビュー

あらすじ

北アフリカに漂着したティランは一時囚われの身となるも,やがて武将として頭角をあらわし,ついにはイスラム教国を軍事的に征服したばかりかキリスト教に改宗させることに成功し,ギリシャ帝国へ帰還する.帝国軍の総大将となり,皇帝から想い姫カルマジーナとの正式の結婚を許されたティランだが,好事魔多し…….ドン・キホーテが愛読した「世界一」の騎士道小説,全四冊完結!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「諸君、頭を高く上げよ。この世で命よりも大切な名誉のために戦うのだということを想え。そうすれば富も繁栄も自由も栄光も後からついてくるであろう」騎士道とは、結局、名誉なんだと感じさせられます。

嵐にあい、漂流したティランは、北アフリカのイスラムと戦い征服する。そして、ギリシャへ最後の戦いに挑む。
闘は知恵の争いと語るが、要は、奇襲戦なのでしょうか。微妙に相手を油断させ、そこを鋭く攻撃し全滅させる。これは、真っ当な闘いなのか、疑問が残る。

そして、降伏したイスラムに対する対応(全滅を求める騎士と降伏を認める皇帝)が、騎士と皇帝を区分する。だから、ティランにはギリシャを治める術はなかったのかもしれない。そして、神に召されることとなる。ここで、甥のイポリト登場が自然な帰結なのでしょう。

長い騎士道の物語がここで幕を閉じる。あらためて、西洋がこの時代から”対話”で成り立っていることを感じる。常に、意見と反論。立場や老若男女を問わず語り合う。日本の武士道とは似て非なるものを突き付けられたようです。

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2022年04月22日

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