あらすじ
2016年、無名の31歳の弁護士が書いた回想録がアメリカでミリオンセラーとなった。「ラストベルト(錆ついた工業地帯)」と呼ばれる、かつて鉄鋼業などで栄えた地域の荒廃、自らの家族も含めた貧しい白人労働者階級の独特の文化、悲惨な日常を描いた本書は、トランプ現象を読み解く一冊として世界中でセンセーションを巻き起こす。2020年、ロン・ハワード監督によって映画化もされた歴史的名著が、文庫で登場!
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Posted by ブクログ
話題になっていたので今更ながら読んだ
アメリカにはこのような地域、生活もあるのだというのを知ることができ、なぜトランプが当選したか等を考察する上でもおもしろい本だと感じた
夢中になって一気読み
Posted by ブクログ
ヒルビリー代表かどうかは疑義もある。
ある家族模様を語ったものというくらいではないか。
大学進学する前に、親戚から勧められて海兵隊で3年間過ごしたことが著者の人生を大きく動かすきっかけになったんだなと思う。それがなかったら右も左もわからぬままに大学生活に埋没していたのでは。そういう出会いやきっかけの重要性という部分が印象に残った。
Posted by ブクログ
本書は、オハイオ州の小さな町で幼少期を過ごした著者のJ・D・ヴァンス氏が、自身の20代前半までの人生を振り返りながら、「ラストベルト(錆びれた地帯)」に住む人々がどのような価値観を持ち、どのような人生を送るかについて克明に記した作品であり、かつ彼自身がどのようにその環境から抜け出し、成功を掴んだのかについて克明に記した作品である。本書全体を通して非常にリアリティが高く、夢中になって読む事ができた。
著者謂く、「ラストベルト」に住む人々の価値観の根底には、消費主義、孤立、怒り、不信感の4つがあるという。そしてさらに、保守主義者たちの言動は、「ラストベルト」に暮らす人々が抱いている負の感情を煽る事に終始していて、それがかえって彼らのやる気を奪っているという懸念を指摘している。この点については、私も著者と同じ意見である。
著者のJ・D・ヴァンス氏は、トランプ政権において副大統領を務めることになるわけだが、「ラストベルト」に出自を持つという面と、イエール大学ロースクール卒というエリートとしての面の両方を持つ稀有な人材として政権を支えてくれる事を期待しながら、これからも彼の言動に注目していきたい。