あらすじ
世界同時不況のさなか、日本には民主党新政権が誕生した。冷戦が終結して二〇年が過ぎ、長く続いた戦後体制は名実ともに変わろうとしている。日本と世界は今どこへ向かっているのか? 長く世界潮流を観測してきた著者が、“時空を超える視座”“相関という知”を踏まえて、“分散型ネットワーク時代”の新たな展望と日本の針路、いま最も必要とされる「全体知」のあり方を提示する。米中二極体制をどう考えるか? 極東ロシア、シンガポールの地政学的な意味とは? グリーン・ニューディールはIT革命を超えるか? 自民党はなぜ大敗したのか? 「友愛」なる概念は日本の未来を拓くのか?
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Posted by ブクログ
世界の事情…それはアメリカだけではないんですよ。
その他の世界をいかに知るかが
視点を広げることにもつながるのです。
著者はそんな世界の荒波にもまれた方です。
何せ情勢の大変に悪い
中東に赴くことになったのですから!!
(そこで行われていたプロジェクトはいろいろな問題から
巨額の損失で終わってしまいます…)
悲しいことに著者はそこで
情報の大事さをいやというほど痛感するのです。
世界を知るためのアドバイスとして
本を読んで視点を広げることを上げています。
実をいうとこれに似た手法、使っています。
ものすごく時間はかかりますが、視点が広がり
共通項も出てきたりと面白いですよ。
読めて非常によかったです。
続編もいつぞやの機会に読めるといいな。
Posted by ブクログ
アメリカを通さずに広く世界を見る必要性、中国を「単体」で見ると問題の真髄がボケてしまうこと、日米関係を見る時に中国を見逃してはならないことなど、いずれもお説ごもっとも、という感じ。
この辺の国際関係に疎い人なら、それほどボリュームがないこともあり、1日でこうしたテーマを考えるための基礎をざっくり身につけられる、好い本ではないかと思います。逆に、ある程度知ってる人にはちょっと物足りない。
筆者が最後に、「この本は、若いゼミの学生か現場を支えるサラリーマン、時代を鋭い感度で見つめる知的女性に語りかける意識でつくられたもの」と書いているけど、確かに入門としてはこれぐらいのボリュームと内容でOK。もっと詳しく知りたければ、この本を取っ掛かりにやや専門的なテーマを掘り下げた本に行けば良し。
ただ、最後の章は余分だった気もするなー。まとめとしては必要だったかもしれないけど、言ってることは世に溢れる他のビジネス書と大差ない。
この本が書かれたのが2009年。ちょうど民主党政権が誕生し、鳩バカが首相になって「友愛」を説いていた頃。筆者は多少は民主党政権に期待していた様子。
続編が2011年9月に刊行されているけど、東日本以降となると、この本の内容を100%踏まえてもう少し踏み込んで、という構成にはなっていないと思われる。地震抜きで、民主党と中国の関係を論じた続編を読んでみたかったと思うと、少し残念ではある。