【感想・ネタバレ】世界を知る力のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年10月30日

寺島実郎さんはよくテレビで見てて、すごいいろんなことを知っていてすごいと思っていたので、本を読んでみました。日本はアメリカを通して世界を見ているとか、世界にはユダヤとか中国、ユニオンジャックの深いところでのつながりが存在して動いていることはとても参考になる話でした。知識を切れ端で持っていては何にも役...続きを読むに立たず、それらをいろんな角度から繋げてみて、世界を見ることが、問題の本質をつかむためには大切で、行動することも大切と分かりました。実践してみたいと思います。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月28日

世界の事情…それはアメリカだけではないんですよ。
その他の世界をいかに知るかが
視点を広げることにもつながるのです。

著者はそんな世界の荒波にもまれた方です。
何せ情勢の大変に悪い
中東に赴くことになったのですから!!
(そこで行われていたプロジェクトはいろいろな問題から
巨額の損失で終わってしま...続きを読むいます…)

悲しいことに著者はそこで
情報の大事さをいやというほど痛感するのです。

世界を知るためのアドバイスとして
本を読んで視点を広げることを上げています。
実をいうとこれに似た手法、使っています。
ものすごく時間はかかりますが、視点が広がり
共通項も出てきたりと面白いですよ。

読めて非常によかったです。
続編もいつぞやの機会に読めるといいな。

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Posted by ブクログ 2017年12月07日

【本の内容を一言で】
偏った世界観だけでなく、違った目線から世界を「能動的に」知る必要性がある!


【内容まとめ】
1.「アメリカ・フィルター」通しの偏った世界観だけでなく、違った目線から世界を知る必要性がある!
2.「ペリー来航」が近代史の始まりではない!
3.中国をバカにしてはいけない。見習う...続きを読むポイントは勿論、多大なる恩があの国にはある!(ただ心酔しても駄目、やられる。)
4.agree to disagree:「賛成はできなくても、相手の主張の論点は理解した」という姿勢
5.マージナルマン(境界人):複数の系の境界に立つ生き方


【感想】
7年前にリーダーから教えてもらった本で、未だに何度も読み直すくらいのお気に入り本!
定期的に読み返したくなるし、読むと何度でも新しい気付きを与えてくれる名作。

特に印象に残ったのは「ユダヤ格言」と「中国観」。

ユダヤ格言は以下の通り。
『朝寝、昼酒、幼稚な会話、そして愚か者の集いに連なること、これが身を滅ぼす。』
本当にこの通りだし、耳が痛い話しだな・・・
最近改善しつつあるけど、継続していこう!

『汝はいずこより来たりて、いずこに向かう者ぞ』
本当にユダヤは偉大な民族だ。
アンパンマンの歌詞にもあるよね。「何の為に生まれて、何をして生きるのか。分からないまま終わる、そんなのは嫌だ」
ここって定期的に考えないと、本当に「分からないまま終わる」ね!!
日々忙殺されつつも、たまには考え直してみよう。

中国観はまさに【まとめ】に書いてある通り!
むしろ、今の日本人でさえ、中国人をバカにできるに値しない!中国のエリートには完全に負けているだろう。

本当に、下の引用だけでも得るポイントが多いよね。
一度ゆっくり考えないといけない内容がてんこ盛りだった。

とりあえず、異国フレンドが欲しいぜ!!!!


【引用】
今こそ時代や環境の制約を乗り越えて、『世界を知る力』を高めることが痛切に求められている。
凝り固まった認識の鋳型をほぐし、世界認識をできるだけ柔らかく広げ、自分たちが背負っているものの見方や考え方の限界がどこにあるのか、しっかりとらえ直す事はできる。


p34
・ペリー来航が日本の近代史の始まりではない
その150年前に日本人はロシアに漂流しており、世界一周をしており、ロシアの使節団などは来日している!

日露関係は日米関係よりもっと歴史的に深く長い関わりを持っていた。


p48
英語が話せるから『国際人』なのでもない。
異なる国の人たちにも心を開き、自分を相対化して見るとのできる人が『国際人』なのである。


p52
・悠久たる時の流れを歪めた戦後60年
アメリカに影響され続け、自らの体内に蓄積された膨大な歴史時間(=日本史)を忘却
アメリカを通してしか、世界を見ていない。

中国文化に対する尊敬・信奉・敬服・劣等感が、日清戦争によって『優越感』に反転してしまった。
大東亜戦争における敗戦も、戦勝国には中国が含まれるにも関わらず、『アメリカに負けた』とだけ思い込んでいる。


p90
・ユダヤの格言
『朝寝、昼酒、幼稚な会話、そして愚か者の集いに連なること、これが身を滅ぼす。』

・メンチ
『信頼に値するひとかどの人物』
明確な己、技能、見識を持っている人物

・ユダヤの聖典
『汝はいずこより来たりて、いずこに向かう者ぞ』
常に歴史の目的や、人間の本質を問い続けてきた

・ユダヤ人母の教育
自分たちの生活がどんなに苦しくても、どんな逆境にあっても、子どもの教育にだけは心血を注ぐ。
その地域にしがみつくためではない。流浪の民であるユダヤ人には、その土地で採れる資源やモノによって豊かさを確保しようという発想はない。
どこに流れ着いても活用できる目に見えない価値、すなわち技術や情報を習得することで身を立てようとするのがユダヤ人!

人類史に多大なる影響を及ぼしたユダヤ的思想の根底には、どんな逆境にもくじけない根性が横たわっている。


p168
・日本には、世界レベルの通信社やシンクタンクがない!
イギリスのロイター、アメリカのAP、中国の新華社などと比べたら、一桁で済まないほど桁違いに少ない!

日本が独自に入手する世界の情報は、「膨大」でもなんでもない。
自然科学の世界において圧倒的に観測数が少なければ、新事実の発見で遅れをとるのが当たり前のように、そもそも観察される情報がこれだけ桁違いに少なければ、世界を体系化して見ることが困難になるのも当然。

限られた情報に依存して、多くの日本人は世界を認識しようとしていることに気づかなければいけない!


p177
・書を捨てずに街に出よう
文献だけ読んでいれば世界はつかめる、と勘違いする人が出るかもしれない。
「世界を知る力」を養うためには、大空から世界を見渡す「鳥の眼」と、しっかりと地面を見つめる「虫の眼」の両方が必要!
その「虫の眼」を鍛えるのは、なんといってもフィールドワークである。

必ずぶらぶらと地元を歩く時間を作る。
無駄といってもいいだろう。
しかし「虫の眼」を鍛えるためには、これが大切。


p181
・agree to disagree
「賛成はできなくても、相手の主張の論点は理解した」という姿勢


p194
情報は教養を高めるための手段ではない。
問題を解決するために色々な角度から集めるものである。
断片的な情報を「全体知」へと高める動因は、問題解決に向けた強い意志である。

世界の不条理に目を向け、それを解説するのではなく、行動することで問題の解決に至ろうとする。
そういう情念を持って世界に向き合うのでなければ、世界を知っても意味がない。


p203
・マージナルマン(境界人)
→複数の系の境界に立つ生き方という意味。
ひとつの足を帰属する企業・組織に置き、そこでの役割を心を込めて果たしつつ、一方で組織に埋没することなくもうひとつの足を社会に置き、世界のあり方や社会の中での自分の役割を見つめるという生き方。

帰属組織を失ったなら生きていけない虚弱なサラリーマンではなく、技能と専門性を持った汎用性の高い人間を必要としている。

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Posted by ブクログ 2017年05月07日

著者の、全体を俯瞰して、相互の関係性を読み解き考えることで知を形成するアプローチに深く共感しました。また、ご自身の原点であるフィールドワークという自らの経験を通じて、価値観を磨くという手法も。
「相関という知」の章での、大中華圏・ユニオンジャック・ユダヤネットワークに関する論は、たへん参考になりまし...続きを読むた。あ〜、この様に世界の繋がりを読み解いているのかと。
今後もより世界が身近になる世の中において、この書を一読する価値は十分あると感じた次第です。ただ、鳩山内閣の政策ブレーンだったという事実には、目を背けたいところですが。

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Posted by ブクログ 2016年04月22日

自分の目で見て、現場に行って声を聞いてくること。観察すること。それによって見えてくる。どちらにしてもフィルターがかかるが、アメリカというフィルターなしでみられれればそれにこしたことはない。
1805年に通商関係をロシア側の要求を断って、蝦夷地域(今の北海道)の警護を命じているところがすごい。
そして...続きを読む1806-1807年に度々ロシアの船が樺太、利尻などに来航すると。そしてウラジオストックって訳すると「東を征服せよ、支配せよ」って意味ってすごいなあ。
それとあわせてどんどん北海道を屯田兵という形で開拓し、極東ロシアも1)農業移民という形2)ロシア革命の見せしめ 3)ヒトラーのソ連侵攻の見せしめ の 3点で、ウクライナの住民を移民させたりしたとのこと。ここがまた、一つのシベリアだったんだ。
横綱の大鵬がウクライナ人だったとは知らなかった。(樺太出身だし)
また、戦前の日本は、自由に世界に行けたのだ。あまり知られていないけど。1912年与謝野晶子は、夫をおいかけて、シベリア鉄道に乗ってパリに行く。へーー・びっくり。
それと否定できない中華民族が世界を動かしていること。中国だけでなく、マレーシア、シンガポール、いろんな国に中華系のネットワークを持っている人たちがいること。
世界の人と話をしながら、「agree to disagree」という関係をすること。賛成派できなくても、相手の主張の論点は理解したという姿勢が大事というのは教官だった
知的インフラの整備がされていないというのも痛いところを突いたいるなあ
著者が最後にサラリーマンではなくマージルマンである生き方をすることについて書いてある。軸足を片方ずつおいて両方を行う。「境界人」という言葉は、この人が世界を知っていることにつながっているんだろうと思う。

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Posted by ブクログ 2012年09月16日

そもそものきっかけが、自分には圧倒的に世界を知る力が欠如しているという自覚からだから、そういう点では見事にニーズに答えてくれていた良書だと思った。のっけからアメリカの視点を通しての世界観にすぎない、っていうのもビックリしたけど納得いく話だし、意外に深いロシアとの関わりの歴史とか、ユニオンジャックの矢...続きを読むの話とか、知らなかったし面白かった。日米関係と米中関係の繋がりも、今のご時世だと尚更必要になってきている知見だと思うし、一冊を通して、とても勉強になりました。

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Posted by ブクログ 2013年03月16日

知性とはどういうものか、についての1つの見方。 全体知、知識と体験の両輪(鳥の目と虫の目)、情報の相関を考え抜く力、など。

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Posted by ブクログ 2018年10月20日

"寺島実郎さんは、当社のコンサルタントのようなこともその昔、行っていた。
歴史を知った上で、自らの歴史観から世の中を見ること。
そして、自らの歴史観、歴史認識が他の国民、他の民族ではとらえ方が違うことがあるということを知っておくこと。
そして、謙虚に、誠実に、こうしたものの見方を得るに至っ...続きを読むた背景を学び、理解をする努力をすること。
その上での外交を行う。というようなところに共感した。"

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Posted by ブクログ 2015年12月23日

赤穂浪士の吉良討ち入りのころに、ロシアではピョートル大帝が日本語学校を作った。
信玄も孫子も昔の人、というふう二思いがちだが、両者には2000年の開きがある。信玄にとっても孫子は昔の人だった。現代人は遠景を圧縮してみてしまう。
欧米人がチャイナというとき、それはシンガポールや台湾などを含むことがある...続きを読むから注意。
タイム・ワーナーの創立者は中国で小さいころを過ごし、親中だったので、太平洋戦争で親中になるよう米国世論を誘導した。

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Posted by 読むコレ 2012年12月20日

世界を知る力と、近所の偉人の方の勧めで、購入して読んでいます。タイトルから、壮大な俯瞰力が得られそうな一冊に感じています。「世界を知る」とは、断片的な知識が、さまざまな相関を見出すことによってスパークして結びつき、全体的な知性へと変化していく過程を指すのではないだろうか?ー第四章 世界を知る力より。...続きを読む
 元々、商社マンで、海外を赴任しながら、実践的に感じていた「世界」を、様々な視点から、書き下ろした「世界を知る」ことについての入門書かつ、読者には、いかにしてそういった視点を持ち、実践的に応用していく展開で、四十年の活動の形として世に出たベストセラーな、一冊です。

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Posted by ブクログ 2012年12月07日

序章はあまり感銘しない。中盤から終盤にかけて、筆者の価値観や思想が見える。外に出て中を見る、という客観性を体感せよということだと思う。帰国子女の私は、全く同意。

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Posted by ブクログ 2012年09月24日

世界の中における日本…その力を発揮するための前提は、世界や歴史を可能な限りバランスよく相対的に認識して学ぶこと、といった主張に思えました。1705年の日本語学校@ロシアの話は象徴的で、驚きました。

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Posted by ブクログ 2012年08月14日

テレビでもおなじみ、日本の知の巨人・寺島実郎の一冊。新書ということで分かりやすく書いてくれているがけっこう内容的には深い。言いたいこととしては戦後教育や戦後のマスコミ報道により日本の歴史感・世界観はだいぶ歪んでしまっているということ。この事実を知っているか知らないか、だけでも世界と話をするときの心構...続きを読むえは変わってくる。自分が知らなかったロシアと日本の江戸時代の話などは非常に興味深かった。もう少し難しい本を読んでみてもいいかも。

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Posted by ブクログ 2012年08月12日

遅ればせながら寺島氏著作に触れた。アメリカを通しての視点ばかり、と云うのは明示されなくとも感じ取れてはいたが。過去自分が読んできた他書物からは拾い得ていなかった歴史、事実を知ったことは収穫だった。
以下は本文メモ。
江戸期の日露接触、平城京のユーラシア歴史的連携、国際人空海、中華民族の歴史的成果、ユ...続きを読むニオンジャックの矢、世界を変えたユダヤ人、無から有を生み出す力、戦後中国に向かうはずだった投資支援が日本に、分散型ネットワーク時代に円融自在の東洋思想、日本はアジアとアメリカをつなぐ架け橋の役割、世界レベルのシンクタンクと通信社がない日本、過ちを繰り返しませぬからにみられるあいまいな戦争定義、agree to disagree、世界の不条理に目を向け解説ではなく行動で問題解決。

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Posted by ブクログ 2012年06月03日

政治や経済に関して全くの素人なので、入門書のようなつもりで読んだ。とてもわかりやすくて文章表現も親切だ。入門書としてちょうど良かったと思う。

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Posted by ブクログ 2012年06月01日

アメリカ的フィルターを通した世界認識に影響されてませんか?ちゃんと世界を総合的、体型的に見れてますか?という話。

特に最近は情報の断片化を強く感じる。場合によっては大きく歪められた世界像しか見えなくなることも。
情報過多の波に翻弄されて本質にたどり着けない、そんな状況。

だからこそ様々な本に出会...続きを読むい著者の見識に触れ、じっくりと本と会話する時間が必要だなと思う。そして体験。何より肌に感じていきたい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年04月28日

アメリカを通さずに広く世界を見る必要性、中国を「単体」で見ると問題の真髄がボケてしまうこと、日米関係を見る時に中国を見逃してはならないことなど、いずれもお説ごもっとも、という感じ。

この辺の国際関係に疎い人なら、それほどボリュームがないこともあり、1日でこうしたテーマを考えるための基礎をざっくり身...続きを読むにつけられる、好い本ではないかと思います。逆に、ある程度知ってる人にはちょっと物足りない。
筆者が最後に、「この本は、若いゼミの学生か現場を支えるサラリーマン、時代を鋭い感度で見つめる知的女性に語りかける意識でつくられたもの」と書いているけど、確かに入門としてはこれぐらいのボリュームと内容でOK。もっと詳しく知りたければ、この本を取っ掛かりにやや専門的なテーマを掘り下げた本に行けば良し。

ただ、最後の章は余分だった気もするなー。まとめとしては必要だったかもしれないけど、言ってることは世に溢れる他のビジネス書と大差ない。

この本が書かれたのが2009年。ちょうど民主党政権が誕生し、鳩バカが首相になって「友愛」を説いていた頃。筆者は多少は民主党政権に期待していた様子。
続編が2011年9月に刊行されているけど、東日本以降となると、この本の内容を100%踏まえてもう少し踏み込んで、という構成にはなっていないと思われる。地震抜きで、民主党と中国の関係を論じた続編を読んでみたかったと思うと、少し残念ではある。

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Posted by ブクログ 2012年04月11日

戦後日本が米国を通してしか世界を見れなくなってしまったという指摘に同意。ロシアと日本の意外と古い関係、大中華圏、ユニオンジャックの矢、ユダヤ人といったネットワーク、米中関係は日米関係など世界を見る上でのヒントに溢れた本だった。

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Posted by ブクログ 2012年03月14日

過去の日本と世界の経済と政治を知る、わかりやすい本。アメリカを通して世界を見るのではなく、グローバリゼーションを身につけろと説いている。

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Posted by ブクログ 2023年06月05日

少し古い2010年の書籍にはなるが、現代を生きる人間にとって必要な世の中を見る力、世界観を教えてくれる。筆者は若かりし頃に三井物産に勤め海外転勤を繰り返した事から、海外から見る日本の視点についてあるべき姿を示してくれる。日本人は内に閉じこもりがちなのは、黒船来航まで鎖国を維持して外国文化の流入を制限...続きを読むしていた事からもわかる。日本は島国だから外国勢力は海を越えるしかなく、その航海技術を持つ国でなければ中々到達できない。ヨーロッパなど陸続きで自国以外からの人や文化の流れに晒されてきたから、国際的な感覚を人々は持ち合わせていただろう。それに比べて日本人は一部のインテリ層しか外国へ留学しないし、勿論、渡航費用の出せる一定以上の収入がある層以外はその機会さえ奪われてしまう。それに加えて言語の壁も大きい。最近は語学力の育成にも力が入っており、特に若年層は言葉の壁は徐々に低くなっているが、そうなると一方では日本人らしさの喪失に繋がると危機感を煽るものも出てくる。果たして日本人らしさとは島国に閉じこもる事なのだろうか。いやそうでは無い。住む場所は島国であっても、海外を知り国際的な感覚を身につけなければ、世界から孤立した人材になってしまう。これは日本人らしさではなく海外から見た相対的な日本人らしさを理解できないことにも繋がっていく。この方がより恐ろしい。
ご存知の通り太平洋戦争はこの国際的な感覚が極端に不足していた事が原因の一つと言える。工業力も経済力も遥かに強大な大国アメリカに戦いを挑んだこともあるが、アメリカ人に対する認識すら、簡単に逃げる奴らぐらいにしか考えていなかったのだろう。敗戦が濃厚になった時期にも、日本を狙って参戦したがっているソ連に和平の仲介の期待を寄せるなど、認識不足もここまで来ると最早笑い話のレベルだ。
話は逸れたが本書はそうした海外知らずの日本人を警告し、国際感覚を身につける大切さを教えてくれる。中国やイギリスが世界地図をみてどの様な国家戦略を描いてきたか、世界中に散らばるユダヤ人達が如何に強力なネットワークを築いてきたか幾つも例を挙げて危機感を伝えてくれる。
そして日本人がなぜ国際感覚に弱く、外を知ろうとしないのか、戦後アメリカ占領下とその後の安全保障条約の傘に隠れて生きてきた日本人がアメリカを通してしか世界を見ていない事に警鐘を鳴らすのである。
本書は最後に神田や早稲田の古本街に行く事を勧める。私も大学から近いこともあり、よく古本街に出向いていたが、並べられた本のタイトルを片っ端から見ている時が1番楽しかった。これも知りたいあれも知りたいと一冊100円足らずの古本を買っては読み漁っていた。積み上がる読破した本達が高さを増す程に満たされる心。そんな学生時代を過ごした後、いざ社会人になると何と本を読む時間の減ったことか。自分の仕事や生活に手一杯で全く読書の時間が無い20代を過ごした。
活字に触れない期間は自分の内に閉じこもっていたに等しい。新たな世界を見に行く時間も気力も仕事に奪われ、自分を仕事一本の閉鎖的人間にしてしまっていた様に思う。今は時間的な余裕が増えたというより無駄をやめて時間を作って読書する様になった。少しリスタートに時間が掛かったが、過去の世界を拡げずに過ごした期間を少しずつ取り戻そうとしている。
若い人には沢山本を読んで世界を拡げて欲しい。そして遥か100km上空の大気圏から日本を眺めてほしい。広い太平洋を挟んで親しい隣国アメリカ、大西洋を渡ってヨーロッパに翼を広げ、遠くロシアをユーラシア大陸を渡る鳥達の様に羽ばたいてこそ日本の本当の姿が見えるだろう。

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Posted by ブクログ 2018年11月05日

どうも鳩山政権寄りの論調だなと思っていたら、鳩山首相のブレーンなんだなこの人。

加藤周一氏の言葉はよかった

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Posted by ブクログ 2013年08月10日

日本総合研究所会長の寺島実郎氏の著書。
この本が書かれたのが2009年11月で、読んだのが2013年6月と少し反則な感じはありますが、感想を。

戦後アメリカというフィルターを通してしか世界を見れない日本人という基本的な見解には同意します。
現状、日本はかなり偏った立ち位置にいるは事実と思います。
...続きを読む
説明のために色々な過去のエピソードを紹介していますが、色々と新しい知識を得ることができました。
ただ、この本自体を読んでいくと寺島フィルターを通して世界を見ている気がします。
民主党政権しかり。
余談ですが、鳥の目、虫の目を引用した大手の経営者は大きな失敗をしました。
結局、人間は自分を通してしか世界は見れないのであり、自分を信じるしかないですね。
まぁ、新書としては良いのではないでしょうか。

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Posted by ブクログ 2013年05月03日

寺島さんの著書を読むのは始めてだが、講演やラジオ番組で話されているのはよく聞いており、本書の内容はそちらで聞いた事が多かった。「空海と景教」「他力本願」「シュミット首相」「効率」この件は非常に面白く読ませてもらいました。明治から終戦、終戦から現代までに日本人は何を無くして何を得たのか…この本は私たち...続きを読む一人一人がこれからどう考えてどう動いて行けばいいのか、そういった事を考える指針としたいですね。

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Posted by ブクログ 2012年11月23日

日本人の中国に対する態度は夏目漱石も言っている様に激変した。

ロンドン、ドバイ、バンガロール、シンガポール、シドニーはユニオンジャックの矢バンガロールとシンガポr-ウは光ファイバーが敷設されている。

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Posted by ブクログ 2013年02月05日

中国、イギリス、ユダヤ人それぞれネットワーク強し。
日米関係は米中関係である
多極化の中での実態的G2化
トゥーシューズをはいた巨人

セミナー
シェールガス・シェールオイルが米国の蘇りを主導する

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Posted by ブクログ 2012年09月08日

島国日本にいるだけでは、世界で起こっていることを理解できない。
世界をよく知っている著者のような人に日本の外交を任せたいと
思わせる本。

だが、著者は鳩山政権のブレインで最悪の日米関係を作ってしまった。
知識だけでは、ダメなんだろう。

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Posted by ブクログ 2012年07月02日

世界を相関として考えろというのが新鮮で面白かった
大中華圏、ユニオンジャックの矢、ユダヤ人の人脈など自分の知らない世界の相関にはすごいと思った

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年04月22日

「アメリカを通してしか世界を見ない」というものの見方や考え方を身につけてしまったことを自覚するところからしか、世界を知る力の涵養は望めない

絶望や屈辱も含めた異文化での様々な摩擦や衝突を経て、私たちは次第に自分を多面的な鏡に映し出していくことを覚える。字ズからの心の奥深くに向かって問い始める。日本...続きを読むとは何か、日本人とは何か。と
そういった自分との対話に支えられたメッセージだけが、外の人の心をも動かす力をもつようになる。外を知れば内がわかる。内が分かれば外とつながる回路ができる。

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Posted by ブクログ 2012年03月09日

「日本人はアメリカを通じてしか世界を見れなくなっている」
確かにそういう面はあるかな。第一章はアメリカとの関係よりも昔からロシアや中国と関係があったという話で面白い。だからどうして三章で戦後の話になったのかが疑問。それに外交とかの問題を「こうすればいい」とあっさり意見をだしているが、そんな簡単なも...続きを読むのではないと思う。沖縄基地の海外移転なんてまず県外ができる気しないし。鳩山総理の友愛に期待しているあたりも…。まぁ先のことは誰にも分からないけど2012年で既に二回も首相が変わっているからどうしてもね。

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Posted by ブクログ 2012年01月26日

 本書を読んで、著者の視点の高さを賞賛したい。ロシアのサンクトペテルブルグ大学日本語学科の母体となった日本語学校が設立されたのは1705年と言う事実の紹介。1792年にロシアの女帝エカテリーナ2世が日本に派遣した遣日使節。現在とはまったく違う風景の世界を紹介する視点は、実に興味深かった。
 「大中華...続きを読む圏(グレーターチャイナ)」については、著者の他の著作でも読んではいるが、その視点は実態を正しく表現していると感じたし、「ユニオンジャックの矢」についても、今でも国際社会で存在感を示すイギリス連邦のあり方として、おもしろく読めた。
 民主党鳩山政権発足直後の著作であるために、「友愛」「東アジア共同体」などへの言及もあるが、本書の価値はその視点にあると思う。著者が提案する「知的インフラの構築」についても共感を持てたし、わかりやすく読みやすい本としても、本書を評価したい。

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Posted by ブクログ 2012年01月15日

日曜日の朝の情報番組でよくみる著者の本。
語り口も同じで現在の世界情勢を知るには、自ら現場に飛び込み五感を働かせて広い視野を持つことが必要と言う。著者の経験も多く紹介されていて、面白かったけれど、読んだ後はあまり印象に残らない。この本はわずか2年前の鳩山政権に変わった頃に出た本で、新政権への期待も述...続きを読むべられているが、残念ながらすでに記述内容が古くなっているような感じです。本よりも朝のテレビで著者のコメントを聞いていれば充分かも。

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