【感想・ネタバレ】祭の夜のレビュー

あらすじ

裏切りと復讐,自殺と自由,不条理な争い,暴力,弾圧,階級の差異――.均斉のとれた構造のうちに複雑な内容が秘められた,パヴェーゼ文学の原質をなす《詩・物語》全十篇.当時エイナウディ社で働いていたカルヴィーノが遺稿から編み上げた生前未発表の短篇集で,いずれの作品も詩的想像力に満ち溢れ,完成度がきわめて高い.

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Posted by ブクログ

初めてのパヴェーゼ。
素晴らしかった…!!
美しい文章なんだけれど、時々驚くような事が書いてある。
彼の人生はどうやら波乱に満ちていて、その繊細さ故に苦しみも大きく、自殺してしまった。
あとがきを読んで、若干自伝的だと分かった。
他にもパヴェーゼ文学が積んであるので、色々読む覚悟でいます。

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2021年07月06日

Posted by ブクログ

パヴェーゼの魅力は、裏切りや孤独という自己に内包されて行く円が中心に向かって進んで行く過程で、収斂がいつか反転し、外へ向かって、世界に対して広がりを見せる極点に到達する閾が存在することだ。
極端に個人的な内容こそが世界と繋がりうる。時代を超越し、この時代においてなお世界に対する問いがなされている。

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2014年04月27日

Posted by ブクログ

なかなかすごかった。濡れ雑巾を投げつけられたかのように、冷たくビターンと胸に貼り付いた。何か太宰治の「桜桃」「トカトントン」みたいーと思ったら、この人も自殺してた。
レオーネ・ギンツブルグの立ち上げた出版社に入社。職を得るためにファシストに入党する。ギンツブルグが逮捕され、本人も逮捕島流し。
そういう政治的に犠牲を得た人。
作品は言わずもがな、「理由はないのよ、でも今日曇ってるから何か生きるのしんどい、足だるいし」そう言った感じの。。。なんだかねー、退屈してる女にはモテたりしてる。だからほぼ太宰。

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2018年11月08日

Posted by ブクログ

カルヴィーノが編集者時代に、パヴェーゼの遺稿から拾い上げて編んだ短編集。『月と篝火』や『美しい夏』のもととなった作品が収録。

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2022年11月14日

Posted by ブクログ

淡々とリアリティの日常を描いているけれども、時に人間の内側をえぐり出すような描写をする。サラサラ読んでいたのに急にパンチを喰らう時がある、そんな感じの作家ではないだろうか。初めて読んだ作家だし、そもそもイタリアの作家はカルヴィーノしか知らなかった(しかも読んだことはない)から、こういう感じかあと思いながら読んだ。イタリアも作家に興味が出てきた短編集(これはカルヴィーノが編集)。日常感の中の意外性をみたい方は是非。

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2018年10月29日

Posted by ブクログ

パヴェーゼは超短篇もよいです。個人的に一番気に入ったのは「ならずもの」。特に最初の、部屋(牢屋)に差し込む光の描写が、部屋の闇を際立たせて、夜におこる物語全体の闇を美しくしていて、とても印象に残ります。謎の神父?とほかの囚人たちの対比もよい。ただ、文章がぎこちないのは結構気になります。原文はどういう感じなんだろうか…?

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2012年10月27日

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