【感想・ネタバレ】嵐吹く時も(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

天売・焼尻島を眼前に望む北海道苫幌村唯一の商店は、中津順平が行商から興した店だった。妻のふじ乃は美貌と陽気な性格で店を側面から支え、娘の志津代は賢明に成長しつつあった。順平の留守のある日の深更、志津代は、庭から逃げる男を見た。月を経てふじ乃は男児を出産。この時から中津家の人々の人生は、暗転しはじめる。三浦文学の源流、二組の祖父母をモデルに人生の輝きと儚さを描く。(解説・難波真実 ※久保田暁一氏の解説は収録しておりません。)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

苫幌村という小さな村で雑貨店を営む順平・ふじ乃夫婦の娘、志津代が主人公
ほんの幼い頃から3児の母親となるまでの長い期間を追っています
志津代の夫文治が「どこの家庭でも嵐を孕んでいる」と感じたように、常に少し不穏な空気が漂って(だいたい奔放なふじ乃が原因で)展開も早く、長編ですが最後まで飽きずに読めました
時代が違うとはいえ、30代で初孫を抱いたふじ乃に衝撃…(笑)

0
2025年05月15日

Posted by ブクログ

三浦作品のおもしろさにハマってるらしい
人間の中にあるずるくて自己中心的な一面を
むき出してくるあの人間臭さがたまらない!
個性的で嫌悪さえおぼえる人物がなぜか愛おしい
そして作品の舞台が地元だったりするのもリアル

0
2024年02月12日

Posted by ブクログ

久しぶりの三浦作品
そのストーリーのうまさに 一気に読まされた
それにしても40年近く前の作品なのに、全くそれを感じさせない

0
2023年05月14日

Posted by ブクログ

旭川三浦綾子記念館で記念購入。
話が動いたと思ったらまだ2/3も残っていた。というくらいに、何度も情勢と時期が動く。
にもかかわらず、登場人物は冒頭の一覧で確かにほぼ足り、それでいて無理がない。
総じて人間の罪についての話であるが、キリスト教的罪とこの物語にいう罪とが同じなのかは分からない。
北の大地で、皆が必死に成長し、生きていく中で、少しのボタンのかけ違いが色々な人を動かしていくという少し悲しい話だったが、飽きは来ないので一気に読めた。

0
2022年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりに三浦綾子作品を読んだ。
なんだか昼メロみたいな話だった。
展開が早く、読むのが止まらなくなってしまった。

今の時代ならDNA鑑定とかして、父親が誰なんか分かるんだけど。
あれ?どっかでこんなことあったなぁ、と思ったら、三浦綾子作品の代表作「氷点」に主演された内藤洋子の娘夫婦(元)のお子さんの件と同じじゃないか!すごい偶然でびっくりだ。

0
2022年06月23日

Posted by ブクログ

三浦綾子『嵐吹く時も』新潮文庫。

遠い昔に読んだ『塩狩峠』『泥流地帯』『続 泥流地帯』以来の三浦綾子。

明治時代の末期、天売島と焼尻島を眼前に望む苫幌村を舞台に2つの家族を巡る波瀾万丈の物語。

人生は真っ直ぐな一本道ではなく、複雑極まりなく、いつ嵐が吹き荒れてもおかしくない。金銭的な豊かさと精神的な豊かさとは全く別物。どちらを選ぶかは個人の考え方次第だろう。

苫幌村で唯一の雑貨屋を営む中津順平とふじ乃の夫婦と娘の志津代の一家と同じく苫幌村で宿屋山形屋を営む西舘キワと恭一、文治、哲三の一家。ふじ乃の一夜の過ちと志津代の意中の男性に素直になれない気持ちが波乱をもたらす。

その昔、天売島に渡ったことがある。人生で初めての離島であった。ということは、本作の舞台となった苫幌村に足を踏み入れたことがあるのだ。しかし、当時は本作にも僅かに描かれる三毛別羆襲撃事件のことなど知るよしも無かった。

本体価格950円
★★★★

0
2022年05月07日

「小説」ランキング