あらすじ
ロングセラー
『スーツケースの半分は』の著者が贈る極上のミステリー
祖母の依頼で請け負った観劇代行アルバイト。
行く先々で奇妙な出来事が起こり――
職場でハラスメントを受け退職した岩居久澄は、
心に鬱屈を抱えながら家事手伝いとして日々を過ごしていた。
そんな彼女に観劇代行のアルバイトが舞い込む。
祖母に感想を伝えるだけで五千円くれるという。
歌舞伎、オペラ、演劇。
初めての体験に戸惑いながらも、徐々に芝居の世界に魅了され、心が晴れていく久澄だったが――。
私が行く芝居に必ず「親切な老紳士」がいるのは、なぜだろう?
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Posted by ブクログ
久澄のそばに寄り添いたい
初めはそう思って読んでたのに
だんだんと久澄に寄り添われているようでした
私も心身を壊した経験があります。
人に傷つけられ、人を傷つけた経験もあります。
こんなことがしたいわけじゃないのに…!
何度も何度もそう自分を責めてました
他の人はこんなことしてない
もっと真っ当に生きてる、大人になっている
自分の親はこんな娘にするために私を産み落としたわけでもなかろうに、ごめんなさい…
そうやって自分を責めることで
ある意味許しを得ようと思っていたのだと思います
嫌なくらい自分を責めてるからもう許して。
立ち上がることをしない私を許して、と。
久澄もそうすることもできたはず。
だけれども歌舞伎と出会って、久澄はきちんと立ち上がった。
清く正しく見える人生だけが人生ではないと気づけた久澄に私もハッとさせられた。
好きなものを追いかけるためにちょっと頑張る。
そんな人生だって美しい。
Posted by ブクログ
「強がって生きないといられないくらい弱いから」とか「弱いところを見せられるくらいには強くなって」とか、20代のころにそんなルートを通った結果、多分自分は結局、ある程度強い人間だったんだなと、うっすら思う今日この頃。
ゆえに、どうにも主人公の弱さのようなところにもやもやしてしまう。
強く見える人も、その後ろにいろいろ抱えているものがあるよね、という気づきを得るまでの作品なのは重々承知の上で、自分とは少し、相性が悪かったんだなと。
ハラスメントをうまく受け流せ、とは言わないけれども、自分の弱さ・かわいそうさをずるずると引きずられていると、どうにもこうにも。
歌舞伎のチケットをポンとくれるなんて、羨ましい以外の感想がない。
いただきものだとしたって、それをいただくだけの環境だということだしねぇ……。
とはいえ、チケットをもらうのではなく、自分で買えるように働きたい、というモチベーションはすごく分かる。
歌舞伎もオペラも縁がないけれども、バレエは時々見に行くので、年々高騰していくチケット代に嘆きつつも、こういうときに躊躇なくチケットを買うために働いてるんだと自分に言い聞かせて買っている。
歌舞伎やオペラ、演劇のストーリーにも絡めつつの、ちょっとした謎解きはなかなか楽しいけれども、そう毎回謎にまきこまれては、せっかくの舞台がもったいない。
舞台の醍醐味は、日常も、気がかりも、謎もすべて忘れて、どっぷりとその世界に浸るところにあるはずなのに。