あらすじ
ロングセラー
『スーツケースの半分は』の著者が贈る極上のミステリー
祖母の依頼で請け負った観劇代行アルバイト。
行く先々で奇妙な出来事が起こり――
職場でハラスメントを受け退職した岩居久澄は、
心に鬱屈を抱えながら家事手伝いとして日々を過ごしていた。
そんな彼女に観劇代行のアルバイトが舞い込む。
祖母に感想を伝えるだけで五千円くれるという。
歌舞伎、オペラ、演劇。
初めての体験に戸惑いながらも、徐々に芝居の世界に魅了され、心が晴れていく久澄だったが――。
私が行く芝居に必ず「親切な老紳士」がいるのは、なぜだろう?
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Posted by ブクログ
久澄のそばに寄り添いたい
初めはそう思って読んでたのに
だんだんと久澄に寄り添われているようでした
私も心身を壊した経験があります。
人に傷つけられ、人を傷つけた経験もあります。
こんなことがしたいわけじゃないのに…!
何度も何度もそう自分を責めてました
他の人はこんなことしてない
もっと真っ当に生きてる、大人になっている
自分の親はこんな娘にするために私を産み落としたわけでもなかろうに、ごめんなさい…
そうやって自分を責めることで
ある意味許しを得ようと思っていたのだと思います
嫌なくらい自分を責めてるからもう許して。
立ち上がることをしない私を許して、と。
久澄もそうすることもできたはず。
だけれども歌舞伎と出会って、久澄はきちんと立ち上がった。
清く正しく見える人生だけが人生ではないと気づけた久澄に私もハッとさせられた。
好きなものを追いかけるためにちょっと頑張る。
そんな人生だって美しい。