あらすじ
こんな本が小学生時代にあれば……。宿題やテストのためだけに丸暗記した、あの用語や数字が、たっぷりのユーモアとともにいきいきと蘇る。ビッグバンの秘密から、あらゆる物質を形作る原子の成り立ち、地球の誕生、生命の発生、そして人類の登場まで――。科学を退屈から救い出した隠れた名著が待望の文庫化。137億年を1000ページで学ぶ、前代未聞の“宇宙史”、ここに登場。
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・「君は、神が事実を知っているとは思わないのか?」
「思うさ。神は事実を知っている。が、僕の目に映る事実はご存じない」
・生命は、化学的にはごく平凡な構造物だ。炭素と水素、酸素と窒素、少々のカルシウム、微量の元素。
その他ありふれたいくつかの元素を、ほんの少しずつ混ぜ合わせるとできあがる。
われわれを創る原子たちの非凡なところは、ただ一点、われわれを創っているというその事実にある。
それこそが、生命の奇跡だと言っていい。
・宇宙の果てには決して辿り着けない。まっすぐ外に向かって行っても、出発地点に戻ってきてしまう。
なぜなら、われわれの想像力が及ばないあり方で宇宙が曲がっているからだ。
・われわれは、何百万もある高度文明の中のたった一つにすぎないのかもしれない。
あいにく、宇宙空間がだだっ広いせいで、計算によるとこれらの高度文明は(あるとしたら)互いに200光年は隔たっている。
われわれが、ただ当てずっぽうに宇宙に飛び出した場合、惑星に到着、もしくはそばまで行ける確率はゼロに近い。
天体は貴重な存在なのだ。
・常に少量のエネルギーが無駄になっている。永久運動を行う装置という物はあり得ない。
どんなに効率の良い機械でも、必ずエネルギーの損失があり、やがては停止する。
エネルギーはゼロから創り出すことはできない。
温度を絶対零度まで引き下げることも出来ない。どうしても熱が残留するからだ。
・質量とエネルギーは、異なる形態をとった同じものである。
エネルギーは解放された物質で、物質は解放を待つエネルギーなのだ。
・空間と時間は絶対ではない。観測者と観測されるものの両方と相対的な関係にあり、
一方が高速で動くほど、その影響は顕著になる。
われわれは速く動くほど、外側にいる観測者に対して歪んだ存在になっていく。
・われわれ人間は短命だが、誰もが生まれ変わっている。われわれが死ぬと、原子は分解し、飛び去って、
どこかで新たな活動の場を見つけ出す。木の葉の一部や、他の人間や、一滴の露となる。
・地球上のどこへ行こうとも、たとえ、生命にとってこの上なく劣悪な環境に思える場所だとしても、
液体の水があり、何らかの化学エネルギーの源が存在する限り、生命が見つかる。
Posted by ブクログ
人類が知っている知恵が短編集のような感じでまとめられた一冊。分野も宇宙論・量子論・地球物理学・進化論・生命科学と、他分野に別れているので飽きずに読み進められ非常に面白かった。さらに、筆者は文系の人間らしいので、かみ砕いて描かれており分かりやすかった。
宇宙論から始まり、量子論に移り、自然な感じで地球の話に移り、その流れから自然・生命・人間の進化等々の話。
科学の話を完全に理解できないにしても、科学者一人一人のエピソードや科学の概略は理解できるので、入門書や自分の興味を探す本としては非常に良い一冊だった。これを片手に、もっと難しい科学の世界に足を踏み入れるのもいいのかもしれない。