あらすじ
凪海(なみ)は弱小デザイン事務所「凹組」の新米デザイナー。同僚は天才肌の黒川、仕事に信念のある大滝の2人きり。チラシやエロ雑誌のレイアウトをこなす毎日に、老舗遊園地のリニューアルデザインのコンペという一大チャンスが舞い込んだ。凪海はずっと暖めてきたキャラクター、デビゾーとオニノスケのイラストを描く。コンペのライバルはやり手美女社長が率いる気鋭のデザイン事務所だが、事態は意外な方向へ…。コミカルでちょっと切ない青春仕事小説!
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Posted by ブクログ
山本作品の特徴、軽くて読みやすい。それは良くも悪くもあるんだけど、広告やらデザインやらを世界を舞台にして小難しい小説書かれると、多分ウザったいものになりそうなので、この作品はこの軽さ読みやすさがばっちりハマっている。
主要登場人物の醐宮を上手く使ってるのも良い。彼女の立ち位置がこの小説の核心になっていて、その核心と周囲をどう絡ませるか山本小説の軽さがここでも際立つ。立つ瀬ない状態にするわけでもなく、かといってエエ奴にしてしまうのでもない。
「峰不二子にもツラいことはあるのよぉ」こんなの書かせたら抜群に上手いよなぁ。
星評価には影響させてないけど、巻末の三浦しおんさんの解説もいいぞ。お仕事小説の匠が書いているからこそ納得できる名解説です。