【感想・ネタバレ】太陽がイッパイいっぱいのレビュー

あらすじ

大学が「おもんない」と行くのをやめた、三流大学4回生の青年イズミは、バイト先の解体業者でスカウトされ<マルショウ解体>の一員に。組員は、マッチョ系問題児カン、赤面症の美青年クドウ、リーマン崩れのハカセら、見るからにけったいな9人。「ボケ!」「チンカス!」が挨拶代わりという奴らだが、マジメに働き、マジメに恋をし、仲間を思いやることを忘れない。人生どん底でイッパイいっぱいな仲間から、イズミが学んだものとは? ガテン系ナニワ青春小説!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「なんだかんだで、物事は進む。それを悲劇にするか喜劇にするかは、本人の意志次第だ。取り敢えずシラけたりせずに頑張っとけ…春は来る」

あえて言わなくても、というような文言が、不意に突き刺さる。理解しているようで理解していない…理解というか意識していないから、思いがけない時点で目頭を熱くしてしまうことになる。青臭いといえば、その通り。自分可愛さに自分自身を擁護しないよう、できるだけ客観的に省みる。自信を持ってよいと思われる場合でも、常に引いて見る。僕自身の正当性など、とてもじゃないけれど胸を張って主張できない。そうかもしれない。でも、ダメかもしれない。行き過ぎた自己肯定感の低さゆえ、諦めてきた物事などは数知れず、もう、ほんとうに面倒くさい性格を自覚して、ますます拗れて厄介なこと、この上ない。
自信を持つには、どうしたらよいのか。
そもそも自信を持たなくてはダメなのか。
堂々巡りで一歩も先に進めない。

現実の僕の不甲斐なさを、読書でもって紛らわす。共感したり憧れたり、恋をしたり、恨んだり。日々忙しなく右往左往し続ける。手を伸ばしても決して触れることができない世界に、僕は幾度も救われてきたのだ。

イズミは自身の経験を以て、自分で人生の道筋を見出した。遠巻きに感心するだけの僕ではあるけれど、最終盤のイズミの言動は、僕の希望だ。

さて。
現実を、現状を引き算して、引き算して。
その上で、できる限りのことはやっていこう。
時折り、ゼンマイを巻き巻きしながらさ。
自分でゼンマイを巻くことができるうちはね。

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小難しいことは考えず、自分に正直にシンプル生きようとするガテン系の主人公たちを描いた小説。

自分も建設業に携わっていますが、
作業員さんたちってのは当たらずとも遠からず
思想的に非常にシンプルで、
みんないっぱいイッパイでなんだと思います。

描写がいきいきとしていて、パワーをもらいました。

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2012年05月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この人の本は初めて読んだけど、面白かった。浪花ガテン系青春小説。自分探ししてる主人公よりも、脇役・カンの魅力に溢れる一冊だった。チーマー(?)のボスとの対決辺りから俄然盛り上がる感じ。

0
2012年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イズミ
三流私立大学の四回生。一年ほど前、工事現場で働き始めた頃から学校へは殆ど顔を出してない。解体屋の親方に引き抜かれる。

イズミの父
泉佐野市役所職員。

イズミの兄
イズミの六歳上。イズミでは到底入れそうもない東京の一流大学を出て、大手広告代理店に就職。

メロンちゃん
千林のマンション建築現場ちかくにある「のがみ」という食堂の看板娘。ユカ。美大生。

カン
幹二。一時期ミナミ辺りの中堅事務所でホテトル嬢の送り迎えやらノミ屋の電話番をしていた。ヘルスの名前、看板を変えたところ、そらまで大盛況だった店からぱったりと客足が途絶えてしまい、厄介払いされる。マルショウ解体に落ち着く。マッチョ丸坊主系。

クドウ
左官職人を父に持ち、自らもゆくゆくは同じ道を歩もうとしていたのだが、現場で意気投合したマルショウ解体蓮に誘われるままに今は何故か解体屋という二二のあんちゃん。

キョンキョン
よく言えば健康的な、正直に言えば無茶苦茶に太った、一九の女の子。クドウの彼女。二年前から同棲している。

イワタ
「ミスターマルショウ」とも呼ばれたこともある。解体屋一〇名で構成される草野球チーム「マルショウスパイダース」と野球をこよなく愛している。今年還暦を迎える。

マルヤマショウキチ
解体屋「マルショウ解体」の親方。面倒見が良い。

ムラコシ
中学を卒業したばかりの一六歳。

イノウエ
リストラされカミさんにも逃げられたサラリーマン崩れ。無茶苦茶に分厚い黒縁眼鏡をかけているからハカセと呼んでいる。

コウ
誰にもわからない理由でいかにも楽しそうにニコニコ笑っている留学生崩れ。

ミヤタ
マルショウ解体ナンバー2。

ハル
小柄でアル中。

ヨゴレ
立ち飲み屋の近くのガード下に住み着いているらしい痩せ犬。

ミヤコちゃん
メロンちゃんの友達。メロンちゃんの中学の時の同級生。

シノブ
ハカセの息子。目が悪い。

ツボイ
宝塚の仕事場の現場監督。ゼネコンの社員。

ハラケン
シックスクールの強請り部門リーダー。表向きは千日前のクラブの雇われ店長。強請りと売春と薬物売買の巣窟だ総責任者。

カズ
カン、ミヤコを襲った。シックスクール。

ケンボウ
カズの仲間。

モッさん
型枠大工。

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2024年03月08日

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