あらすじ
大学が「おもんない」と行くのをやめた、三流大学4回生の青年イズミは、バイト先の解体業者でスカウトされ<マルショウ解体>の一員に。組員は、マッチョ系問題児カン、赤面症の美青年クドウ、リーマン崩れのハカセら、見るからにけったいな9人。「ボケ!」「チンカス!」が挨拶代わりという奴らだが、マジメに働き、マジメに恋をし、仲間を思いやることを忘れない。人生どん底でイッパイいっぱいな仲間から、イズミが学んだものとは? ガテン系ナニワ青春小説!
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Posted by ブクログ
土方のバイトを始めた三流大学の男子学生イズミは、次第に大学にかようことをアホらしく思うように。バイト先である解体業者“マルショウ”にスカウトされて、大学を休学します。
マルショウのメンツのオモロイことと言ったら。加えて、舞台が関西。芦屋に始まり、宝塚、千林大宮など、知った地名が次々に出てくるものですから、なおさら話に引き込まれます。「ガテン系ナニワ青春小説」という触れ込みがピッタリ。
かくして三羽省吾の著作も「大人買い」。
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「ガテン系ってイイ!」とうなる、熱気ムンムンの青春小説。登場人物達の、お馬鹿で下品でまっすぐな言動がたまらない。
夏、キンキンに冷えた缶ビールをキューッと飲みながら、一気読みしたい作品。
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ニートニートニートで知った
三輪省吾のデビュー作
若い頃の憤りや勢いを
思い出させる
熱く面白い話だった
ニートニートニートに出て来た
あいつが出てたりして
良い感じの作品
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久々わけも無く泣いた・・そして笑った・・
電車で爆笑しかけた・・
森見さんが京都を舞台にしたエリート大学のイッチャッた学生の青春オバカ小説なら、こちらは大阪を舞台にした3流大学(気骨あるがゆえに休学中)の学生のホントの意味で突き抜けてる汗と笑いと涙の青春モノ・・
文学系かガテン系かの違いはあれども、しかしどちらも比喩表現が秀逸。
でも等身大で現実的・・て意味で、こちらに共感するかな・・・
随所にいい会話いい言葉笑えるネタはあるんだけど
「とりあえず頑張っとけ・・春は来る」
この言葉がやっぱいい。
またいい作家さんに出会えた。
Posted by ブクログ
粗野で単純で飾らない肉体労働者の青春物語・・・かと思いきや、そんな純粋な世界はないのです。今の世の中がどんなに気に入らなくたって、反抗してみたつもりでいたって、生きていくのはこの社会でしかない。それを認めるのってなんだか負けたような、流されてるような気持ちになる。けどそれって本当は強さであり潔さですよね。とりあえずそう、笑っとこう。笑う門には福来るってね。
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「なんだかんだで、物事は進む。それを悲劇にするか喜劇にするかは、本人の意志次第だ。取り敢えずシラけたりせずに頑張っとけ…春は来る」
あえて言わなくても、というような文言が、不意に突き刺さる。理解しているようで理解していない…理解というか意識していないから、思いがけない時点で目頭を熱くしてしまうことになる。青臭いといえば、その通り。自分可愛さに自分自身を擁護しないよう、できるだけ客観的に省みる。自信を持ってよいと思われる場合でも、常に引いて見る。僕自身の正当性など、とてもじゃないけれど胸を張って主張できない。そうかもしれない。でも、ダメかもしれない。行き過ぎた自己肯定感の低さゆえ、諦めてきた物事などは数知れず、もう、ほんとうに面倒くさい性格を自覚して、ますます拗れて厄介なこと、この上ない。
自信を持つには、どうしたらよいのか。
そもそも自信を持たなくてはダメなのか。
堂々巡りで一歩も先に進めない。
現実の僕の不甲斐なさを、読書でもって紛らわす。共感したり憧れたり、恋をしたり、恨んだり。日々忙しなく右往左往し続ける。手を伸ばしても決して触れることができない世界に、僕は幾度も救われてきたのだ。
イズミは自身の経験を以て、自分で人生の道筋を見出した。遠巻きに感心するだけの僕ではあるけれど、最終盤のイズミの言動は、僕の希望だ。
さて。
現実を、現状を引き算して、引き算して。
その上で、できる限りのことはやっていこう。
時折り、ゼンマイを巻き巻きしながらさ。
自分でゼンマイを巻くことができるうちはね。
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自分が生まれてから20年以上過ごした町が舞台になっており、とても懐かしい気持ちで読みました。
まさに「大阪のちょっと柄が良くない町に住んでいるアホな若者」達がそのまま登場し、彼らが活き活きした大阪弁で交わす会話の随所にはさまれている小ネタがいい感じです。
最後まで決して無理に「いい話」に持っていかないところも気に入りました。
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第5回酒飲み書店員大賞作品。
浪速のガテン系青春小説。
主人公イズミは大学に行かずに、建設現場で働き、肉体を酷使した後のビールの美味しさと、怠惰な学生生活にはない人生のリアリティを感じている。
その建設現場で働く仲間と繰り広げる涙、笑い、喧嘩、恋愛など、熱気溢れる一冊。
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小難しいことは考えず、自分に正直にシンプル生きようとするガテン系の主人公たちを描いた小説。
自分も建設業に携わっていますが、
作業員さんたちってのは当たらずとも遠からず
思想的に非常にシンプルで、
みんないっぱいイッパイでなんだと思います。
描写がいきいきとしていて、パワーをもらいました。
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関西ガテン系小説。
三羽センセのデブュー作だそうです。
終始テンポがよく、明るくあっけらかんとしてます。
バイオレンスやシリアスな場面もあるのですが、基本明るく楽しく(?)描かれていて、とても読みやすかったです。
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貸してくれた本で、自分ではなかなな手を出さないジャンル。キツイ関西弁も露骨な下ネタも、くすりと笑える描写もあってテンポ良くおもしろく読めた。この作家さんの他の作品読みたくなりました。ありがとう!貸してくれたひと!
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この人の本は初めて読んだけど、面白かった。浪花ガテン系青春小説。自分探ししてる主人公よりも、脇役・カンの魅力に溢れる一冊だった。チーマー(?)のボスとの対決辺りから俄然盛り上がる感じ。
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「大阪」むき出しの青春肉体労働バカいい話。下ネタを突っ込みつつ、笑わせつつ、結構「いい話」になってるのが凄い。 途中から止まらなくなった。『こんな仲間と仕事したいなぁ』と強烈に思った。これは、割と自信をもってオススメできる。
Posted by ブクログ
カリカチュアされた登場人物。スピーディーでユーモアの利いた話の運び。大阪弁としたたかさ。面白くて一気に読みました。痛快な青春小説です。
ただ、半ば過ぎから"過剰"で"底が浅い"印象が付きまといます。最後の2章ほどで話を落ち着けて締めた分、軽薄な印象はぐっと収まりましたが。
なにやら荻原浩との類似を感じます。漫画チックなキャラを設定しておいて、物語の中で自由に動き回らさせる事で、破天荒な物語を作っていく。その中で、時折しっとりした(荻原さんは"泣き"の)シーンを織り込んでいく。映像化したら楽しめそうです。
三羽さんのデビュー作であり、私にとっても初・三羽作品。その後も活躍されてるようなので、期待しましょう。
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勢いがあります。男組なねたが満載だったり、ちょっと懐かしいヤンキー臭もしますがなんとなく幸せな気分で読み終わりました。忘れていたもの、忘れがちなものを思い出させてくれます。シンプルが一番です。
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注目の三羽省吾。私は、もうすでに”世間に喰われて”しまっているかもしれないけれど、それでも、考えることを止めないでおこうと思いました。個人的に知ってる地名ばかりだったので、リアルに楽しめました。
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三羽省吾、おそるべし!デビュー作にして、この迫力!バカみたいなタイトルのまんま、バカみたいに一生懸命に働き、悩み、考える。なんというひたむきさ!今おさえておいた方が良い人?1です。
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イズミ
三流私立大学の四回生。一年ほど前、工事現場で働き始めた頃から学校へは殆ど顔を出してない。解体屋の親方に引き抜かれる。
イズミの父
泉佐野市役所職員。
イズミの兄
イズミの六歳上。イズミでは到底入れそうもない東京の一流大学を出て、大手広告代理店に就職。
メロンちゃん
千林のマンション建築現場ちかくにある「のがみ」という食堂の看板娘。ユカ。美大生。
カン
幹二。一時期ミナミ辺りの中堅事務所でホテトル嬢の送り迎えやらノミ屋の電話番をしていた。ヘルスの名前、看板を変えたところ、そらまで大盛況だった店からぱったりと客足が途絶えてしまい、厄介払いされる。マルショウ解体に落ち着く。マッチョ丸坊主系。
クドウ
左官職人を父に持ち、自らもゆくゆくは同じ道を歩もうとしていたのだが、現場で意気投合したマルショウ解体蓮に誘われるままに今は何故か解体屋という二二のあんちゃん。
キョンキョン
よく言えば健康的な、正直に言えば無茶苦茶に太った、一九の女の子。クドウの彼女。二年前から同棲している。
イワタ
「ミスターマルショウ」とも呼ばれたこともある。解体屋一〇名で構成される草野球チーム「マルショウスパイダース」と野球をこよなく愛している。今年還暦を迎える。
マルヤマショウキチ
解体屋「マルショウ解体」の親方。面倒見が良い。
ムラコシ
中学を卒業したばかりの一六歳。
イノウエ
リストラされカミさんにも逃げられたサラリーマン崩れ。無茶苦茶に分厚い黒縁眼鏡をかけているからハカセと呼んでいる。
コウ
誰にもわからない理由でいかにも楽しそうにニコニコ笑っている留学生崩れ。
ミヤタ
マルショウ解体ナンバー2。
ハル
小柄でアル中。
ヨゴレ
立ち飲み屋の近くのガード下に住み着いているらしい痩せ犬。
ミヤコちゃん
メロンちゃんの友達。メロンちゃんの中学の時の同級生。
シノブ
ハカセの息子。目が悪い。
ツボイ
宝塚の仕事場の現場監督。ゼネコンの社員。
ハラケン
シックスクールの強請り部門リーダー。表向きは千日前のクラブの雇われ店長。強請りと売春と薬物売買の巣窟だ総責任者。
カズ
カン、ミヤコを襲った。シックスクール。
ケンボウ
カズの仲間。
モッさん
型枠大工。
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ギャグっぽい小説かと思ったら違った…。それはそれで意外と面白い。立ち飲み屋と定食屋を軸に汗して恋して飲んで悩む。ただ大企業への就職云々では消化不良気味。理屈っぽいんだかなんだかもやもや。
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ちょっとお下品なガテン系の青春物語。この前読んだフリーター家を買う。もガテン系だったけど全然上品だったな。関西と東京の違い?イズミの今後も気になる。
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大学生のイズミはアルバイトで始めた解体作業にはまる。額に汗して働き仲間と酒を飲んで寝るというシンプルなローテーションが心地よいのだ。
つきあう女友達もでき、草野球を楽しみ、ケンカに巻き込まれ……親会社から一本釣りされそうになる。
体で考えたことを軸に置いて頭で考えるようになったイズミの青春記。
鮮度がいい。
Posted by ブクログ
リアルな描写。実録か?
アランドロンの映画「太陽がいっぱい」につられて読んだが全く関係ない。
学生の主人公が土方のバイトでさまざまな人と出会う話。
描写が妙にリアルなので実体験なのだろうか?
最初のHな表現があるが全く関係ないのでその手を期待してはいけない。