あらすじ
ネット財閥「アクトグループ」を標的とした連続爆弾テロ事件が発生。赤坂のビル地下、臨海副都心の巨大建設現場が爆破され、さらにサイバーテロも…。迷走する捜査、隠蔽される真実。公安のはみだし者、並河警部補は、防衛庁から出向した若い丹原三曹とたった2人で調査に乗り出すが、丹原はテロの実行犯「ローズダスト」のリーダーと面識があるらしい。テロ集団の正体は? 『亡国のイージス』の福井晴敏が、東京の心臓部を舞台に、史上最大級のスケールで描く力作長篇。
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Posted by ブクログ
この作品もおっさんと青年の福井晴敏作品のおなじみのパターンです。
「上」は作品の導入部分のみでした。
「中」「下」の作品のスピードに期待していきたいです。
Posted by ブクログ
福井作品はどれも本当に尊敬していて心から愛している。
特にこの作品は文章も読みやすく、構成も分かりやすくスリリングで、
非常に完成度が高いと思う。
人物像が類型にも感じられる点、
ストーリーが「いくらなんでも強引」とも思える点など、
いろいろ気にもなる。
ただ現実離れしているくらいのほうが、
思いっきり物語を味わえるのではないか。
それに緻密な描写、圧倒的な文章量が、
フィクションでしかない世界に大きなリアリティを与えている。
そして福井氏ならではの、
血が通った熱くて、強く優しいメッセージ性。
これに惚れて、わたしは福井作品に心酔している。
登場人物がどれだけ日本をバカにしてても、
福井氏は本当に日本人の心と頭を愛していることがにじみ出ていて、
わたしも日本人であることを誇りに思える。
この時代を作っている一人であることを恥ずかしく思いながらも、
この時代を生きていることを嬉しく感じる。
この作品を読むと、
そんな感慨で、胸がいっぱいになる。