【感想・ネタバレ】カルロ・ロヴェッリの 科学とは何かのレビュー

あらすじ

地球が宙を浮いていることを最初に見抜き、初めて地図を描き、世界を始まりも終わりも無限だと想定した古代ギリシャの世界初の科学者アナクシマンドロス。科学的思考の本質をえぐり出す。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

みんな大好きカルロ・ロヴェッリの科学哲学本。
『時間は存在しない』、『世界は「関係」でできている』は読んでいるので、(訳者あとがきであったように)そこらへんの繋がりも気付けて面白かった。

古代ギリシアのアナクシマンドロスを中心に話は進むんだけど、「科学とは何か」というより「科学的思考とは何か」の方が適切かな。
科学哲学で言うと、本書でも引用されていたポパー(反証可能性)やクーン(パラダイムシフト)が有名だけど、そこにあえて「連続性という視点が欠けている」と批判するロヴェッリの鋭さ。そしてその「連続性」という形式を生み出したのがアナクシマンドロスだ、というのが本書の意見なわけだな。

アナクシマンドロスの功績はいくつかあるものの、代表的なものは師─つまりこれまでの積み重ね─を継承しながらも批判すること。これこそが科学的思考の骨子であり、宇宙の真理すら明らかにしようとする科学者達の理(ルール)ってワケだ。

最近『絡新婦の理』や『話が通じない相手と話をする方法』あたりを読んでたので、なんとなく繋がる部分も見えてきたり。見る視点が変わると、見えるものも変わってしまうんだねぇ。

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2024年04月28日

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