あらすじ
源頼朝亡き後、家督を継いだ頼家の代に導入された「13人の合議制」とは何だったのか。頼朝以前にさかのぼって鎌倉幕府の本質を明らかにしながら、北条時代への移行期の真相に迫る。
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大河ドラマの為の、特別授業。
2023年1月(ドラマ放映終了後)読了。
前年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放映に先んじて、東大資史編纂所の本郷先生に「ドラマで採り上げられそうな部分を中心に」ピックアップして、解説していただいたと云う感じの本です。
ドラマはドラマ、歴史考証する方は居ても「史料に無い」からと言って、お話を飛ばす訳にはいかないのですから、当然脚色が入ります。
そこは承知の上で、信頼できる史料面や本郷先生らしい独特の推理力で、実際の「鎌倉殿の13人」を炙り出してみようと云う試みの一冊でした。
ドラマを全て見終わった後から読んだせいか、「現実的な史料考証すると、こんな話なのか!」と驚く点も多々有り、ドラマと比較して読むのも一興かと思いました。
ただ、出版社側の「大河ドラマ便乗商法」の臭いもそれなりにするのでw、「ドラマのイメージを壊したくない!」と思う方にはあまりお奨め出来ません。
本郷先生御自身も、三谷脚本のドラマを見て、少なからず認識や考えがお変わりに成った点も有ったようで、それは産経新聞の連載コラムで語られていました。その点では、本書は「まだドラマを見る前の認識」で語られています。
専門家の方ですらそれほど「見立て」が変わる訳ですから、歴史と云うものは余程の「決定的(!)史料」が見付からない限り、本当の意味での「真実」は、いつまでも霧の彼方に有るのだなという思いで読み終えました。
最後に個人的な感想を一言。
そういう時代だったとは言え、やっぱり「北条家」って、悪い人達ばっかりだったんですねぇ…w。