あらすじ
「貴君は年老いた,しかし永遠に若くあり続けるインドという国を担ういちばん新しい顔なのです」──ついに露顕した出生の秘密.禁断の愛を抱えつつ,〈清浄〉の国との境をさまよう〈真夜中の子供〉サリームは….稀代のストーリーテラーが絢爛たる語りで紡ぎだす,あまりに魅惑的な物語.(解説=小沢自然)
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Posted by ブクログ
インドの独立後の話。
小説でサリームとシヴァの取り替え事件から始まるけど、ほとんどサリームの1人がたり。
おじいさんの代からのはなしではぎまるからなかなか登場しないなとおもいながら4ぶんの一 (千ページくらいある)すぎる。
インドの歴史と、照らし合わせたりは難しいからそのへんはスルーしてよむ。
首相から真夜中にうまれたことを記念して手紙がとどく。
血の繋がってない妹を愛している。肉体的にグロテスクに描かれる。大きくて歪な鼻。
糞尿や痰壺などが主役。
英語で書かれたらしいけど、チャツネやいろいろ。
ピクルス工場のオーナーが乳母だったとはね。
運命ってあるのかなと思わせる。
Posted by ブクログ
1947年、イギリスから独立したインドで誕生した作家であるサルマン・ラシュディが作家として注目を集めた長編小説。ラシュディといえば、イスラム教から名指しで命を狙われることになった『悪魔の詩』(特に日本においては邦訳を担った筑波大学助教授がキャンパス内で暗殺された点で有名でもある)が有名であるが、本作『真夜中の子供たち』は著者の出世作として圧倒的な物語世界が描かれている。
著者の作品を読むのはこれが初めてであったが、ガルシア・マルケスなどに代表されるマジック・リアリズムのインド版とでも言おうか、濃厚な物語である。1947年8月15日の深夜0時、独立を果たす瞬間のインドで生まれた500人もの”真夜中の子供たち”は、それぞれが特異な能力を持ってこの世に生を受ける。主人公のサリームもその代表格であり、彼がその特異な能力と共に苦労しながら成長する様が描かれる。
驚かされるのは、同じく0歳で誕生したインドという国家と、サリームという一人の人間を半ばDNAの二重螺旋のように相互の関係性を描き、双方にとっての希望ある未来を描くというこの途方もないコンセプト(誰が国家と人間を相似形にあるものとして描くだろうか?)と、それを取り巻く圧倒的な物語の面白さである。