あらすじ
世界はひどいところで、人間は時に愚かで残酷だけど、それでも世界は美しいし、朝は必ずやってきて世界を照らすから。一整と苑絵の前に現れた、不思議な少女の正体とは。桜野町のひとびとに訪れる優しい奇跡を描く、感動の物語。 第一話 優しい怪異 桜風堂書店にカフェを併設することになり、その準備を進めていた一整は、ある少女をよく見かけるようになる。店内で、町のどこかでふと見かける少女は、誰かに似ているようで、しかも不思議なことに、見かけるごとに成長しているように思えるのだ。その少女は、カフェ開業を手伝いに桜野町を訪れた、卯佐美苑絵の前にも現れて……。 第二話 秋の旅人 台風がやってきた日、中学は途中休校となったが、桜野町に戻るバスが運休となったため、透、楓太、音哉と、長い髪の転校生の少女の四人は、学校に残ることになった。そんな中、楓太が、桜野町に伝わる龍神と狐の伝説について話し出す。夕方になってバスが復旧し、四人は帰途についたが、転校生の少女が降りたのは、桜野町の手前の山の中の、誰も住んでいないような場所のバス停だった。 第三話 時の魔法 いつものように休みの日に桜野町を訪れ、桜風堂を手伝っていた卯佐美苑絵。その日、泊まったホテルで、苑絵は向かいの部屋から、子どもが泣いている声を聞く。放っておけないと、その扉を開けるのだが……。翌朝、月原一整は目が覚めた瞬間、なぜか嫌な予感を覚え、苑絵の泊まるホテルに向かう。
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Posted by ブクログ
桜風堂の物語もいったんこれで終わりということで4冊目。
夢ものがたりと称するようになってから、ファンタジー要素がグンと増えて、もはや異世界モノと呼んでもいいような世界観。
だけど、この優しさが癒されるねんなぁ。主人公一整を筆頭にシリーズを通しての主な登場人物たちが味わってきたツラい経験があるだけに、とにかく優しいとんがっていない展開が良い。
現実の世の中も勿論、自分のやってることも、ここんとこ読んできた本や、観た映画まで、なんともキツくてツラいのが多かったので、この本には本当に癒された。
優しい人になろう。俺なんてどうせろくでもない人間なんだから、偽善でもいいから優しい人になろう。また改めてそう思えた。そう思わせてくれる本は良い本だという評価を俺はする。
Posted by ブクログ
良かった。シリーズで前作を読んだか記憶がないのだが、それでも楽しめた。今度シリーズ全作を読んでみようと思う。
不思議な話、少し怖い話、ファンタジーだけど、描写が温かく、夕焼け色に包まれるような作品。3章あり、どれも読み応えがあるが、1章がよかった。主人公の一整くんの優しい感じや、高岡さんの昔話
(苦労あり)そして優しい怪異。そういうものに見守られてるっていいな。映像化しても綺麗そうな話だった。
2章もあたたかい。中学生の様子も優しい。
3章は少し怖いが、一整くんとのなかなか伝わりあわない気持ちがもどかしく、でも苑絵さんの優しい人柄とエンドにつながり良い。
Posted by ブクログ
桜風堂夢ものがたり大団円。
桜野町を愛する人は必ず読むべき
第一話の素敵な物語がラストへのフリだったとは。
この町、この書店に訪れることができなくなるのは寂しすぎます
Posted by ブクログ
【収録作品】
第一話 優しい怪異
第二話 秋の旅人
第三話 時の魔法
第一話 一整と苑絵の前に現れた、二人にだけ見える不思議な少女。
第二話 桜野町に伝わる龍神と狐の伝説。透と転校生の少女の邂逅。
第三話 苑絵を招く絵の少女。
優しいファンタジー。