あらすじ
50年、体当たりで会得した
財務と資金繰りの本質を自ら語る!
銀行との付き合い、取引先の見極め、株式上場、M&A……
中小ベンチャーでも、大企業でも、絶対に変わらない「基本」を解説。
伝説の名著を完全リニューアル!
「創業まもないベンチャー企業は日々、
生き残るか、つぶれるかの瀬戸際での戦いを迫られる。
その中で実際に成長し、飛躍できるのはごくわずかである。
生き残って成長の花を咲かせるにはどうすればよいか。
他にはない技術や高い志、
それを実現するためのハードワークなどが必要なのはもちろんだが、
何よりお金まわりの戦略、財務の戦略が不可欠である、
と私は考えている」――本文より
■目次
序章 お金の戦略が必要だ――会社を絶対つぶさないために
第1章 キャッシュこそ企業価値の源泉――コスト意識を鍛えよう
第2章 会社を成長へ導く財務戦略――創業期に重視すべき指標とは
第3章 創業時の資金の集め方――やっぱりお金から始まる
第4章 金融機関とどう付き合うか――「取引は人なり」で活路
第5章 取引先を見極める方法――その選択が会社の命運を分かつ
第6章 チャレンジと財務バランス――持続的成長へ変化を恐れない
第7章 いざ株式上場 規律の中で鍛える――問われる発信力
第8章 M&Aをどう活用するか――永守流・勝利の方程式
第9章 海外展開は飛躍のチャンス――リスク管理は分散から
第10章 波乱の時代をどう乗り切るか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
熱い経営者の本に触れると、火傷しそうな熱が伝わってきますね。
これが生きた言葉を読む醍醐味。
自分はキャッシュの感覚が乏しいので大いに刺激を受けました。
京都の優良大企業が多い理由に銀行とは。。。納得の理由です。
感謝の一冊。
Posted by ブクログ
圧倒的な名著。分かりやすく、経営者が持つべきファイナンス思考が、具体的に描かれている。稲盛和夫とこの人は、本からも経営者の面白さが伝わってくる。
Posted by ブクログ
会社をいかに潰さないかの視点を持ち続ける。
困難は解決策とともにやってくる。
経営は簡単だと錯覚するほど単純明快に学べる。
こんな環境に感謝しかない。
【Pick up】
キャッシュが最重要
数字での発信力と表現力を鍛える
コスト意識(重要なのは社内へ浸透・定着させること)
一株あたり利益(PER)>利益>売上
バランスシートにも目標を設定
CFO人財を早くから育てる
借りにくいところから借りろ
月商の2ヶ月分以上のキャッシュを持つ
格上の相手が分相応
人が集まる株主総会を目指す
現地で稼いだ利益はすべて現地で再投資
優れたハンターは優れた調教師であれ
Posted by ブクログ
自分の海外経験と照らし合わせてみて、そうそうと頷かされる話も多い。会社立ち上げから、大企業までの経営を語れるのも叩き上げの永森さんだからこそ。経営に対する厳しい姿勢は背筋が伸びる思いがする。
オーナー社長と大企業のサラリーマン社長とは投資対象として考えたときに前者が良いとは聞いていたけど、合点がいきました。
Posted by ブクログ
編集者の筆が入っているからか、伝説として聞くほどのエキセントリックさは無く、ふむふむなるほど、と思える内容が多かった。博打うち的な要素は殆どなく、先を読む確かな目と最悪のケースに備える慎重さを併せ持つ名経営者と思えた。
以下はメモ。(最後のはコンプラ的にアウト?)
日本電産の3つの経営手法
①井戸掘り経営(アイデアは掘れば掘るほど出てくる。)
②家計簿経営
③千切り経営
会社を強くするための永守流の3つの極意
①ハンズオン
②マイクロマネジメント
③任せて任さず(権限委譲しても放任はしない)
P87
面白いことに「京都グダグタ銀行」が融資する際にグダグタ言った案件はすべて成功している。企業規模が大きくなり、簡単に借りられるようになると、当たり外れが出てきた。「もっとグダグタ言ってくれ」と京都銀行にお願いしたほどである。
P212
私はかつて海外法人に赴任する幹部に対して「そこで永住しろ。日本に帰るときは戒名がつくときだ」と言って送り出したていたが、そのぐらいの覚悟が必要なのである。
Posted by ブクログ
日本電産の創業期から今に至るまで、またその先の未来に向けて、潰れずに経営を続けていく為の実践に基づいた原理原則が豊富に書かれており、現在ベンチャー企業で働いている身としてはとても刺激になる本でした。
Posted by ブクログ
16歳から株式投資!含み益など当てにならない。キャッシュしか信用できない。
利益率の高い会社ほど購買部門が強く、原価に対して厳しい。
お金でやって来る人はお金で去っていく。人材スカウトは、年収ダウンでも人を集める感覚が必要。もちろん、結果を出せば年収を上げる!
お祝いでもらった植木を社長室に置かない!毎日水やりする手間と、枯れた時に捨てる手間がかかる!これもコストだ!!
成長過程では、3年周期くらいで「踊り場」が必要。行け行けドンドンにせず、立ち止まって考える。順調な時ほど、そうすべき。
将来の姿を「ホラ」「夢」「目標」とブレイクダウしていく!
先行き不透明、で逃げない。その中でもきちんとした見通しを持ち、戦略を立てなければならない。
M&Aは67勝0敗。成功の3条件は、高い価格で買わない、ポリシー、シナジー。買収額がEBITDAの10倍を超えるものには手を出さない!
買収したい先には、年初に手紙を書く!
相手先の分析はBS重視。PLは悪くても立て直せるが、BSの修正には時間がかかる!
3Q6Sを徹底!3Qは良い社員、良い会社、良い製品!6Sは整理、整頓、清掃、清潔、作法、しつけ!!
買収先への敬意を忘れず!人員の整理はしない!基本的にブランドは残す!
Posted by ブクログ
永守会長の平易な文章で書かれた経営エッセンスです。金融機関に勤める自分として参考になる点が多かったです。
多くの後輩に一読することを勧めたいと思います。
Posted by ブクログ
2代目経営者として、本書を手に取りました。
永森氏は1代で日本電産を1兆円企業に作り上げたカリスマ経営者。
その過程で得た経営とお金に関する考え方が詰まった一冊です。
Posted by ブクログ
経営者にとって、マストで学ぶべき良書でした。VCとの関わり方については、近年のネット系企業との相違もあり、学び深いものでした。お金を借りることで経営に緊張感を与える。という洞察は、肝に銘じておきたいことです。
Posted by ブクログ
永守氏の経営理論ができるだけ平易な言葉で綴られており、非常にためになった。
本書はベンチャー企業の経営者目線で書かれている部分が多く、会社を潰さないための心構えはある種シビアすぎると感じる部分もあった。一方で、簡単には潰れないような大企業においては、そうした「シビアさ」を忘れかけている現状もあると感じた。経営的視点を持つようになった際、また読み返してみたい。
Posted by ブクログ
会社を作る上で全てのノウハウ心の持ち方考え方が
全て詰まった一冊だった
さすが永守さんといった感じだ
この類の本は数多く読んでいるが新しい発見のある素晴らしい一冊であった
Posted by ブクログ
経営者を目指す方、金融機関の方におすすめの本。
永守重信の経営に関する考え方が凝縮されている。
特に、金融機関に対する記述には関心を抱いた。
銀行マンの5タイプ。どのタイプにはどんな対応がいるか分類分けされている。
経営において重要視している指標はccc。いかに支払いから回収までの期間を短くするか。
仕事が楽しくて仕方がない、夢、ロマンを追いかけて本気で走ってきて成果を出した方の言葉は思い
Posted by ブクログ
永守流、経営戦略と野望そして経営者10カ条と自律的な日本電産創業者の強い思いが興味深かった。
学生時代からの友人の初職地で唯一仕事を途切れなく続けベテランになった後に転職したこともあり、その面でも勝手に親近感を持ち読み耽った。
Posted by ブクログ
面白くて一気に読んでしまった。日本電産の強い経営基盤を作った理念とその経過が書かれた本書。永守社長のワンマン経営が熱い文章となっていて良かった。ワンマンすぎて誰にも真似出来ないと思ふ…。最高。上司にしたくはない。
Posted by ブクログ
取引金融機関から会社に贈られてきた書籍です。
日本電産・永守会長の経営本。
読んでみたら、京都銀行べた褒めでそりゃ配るわと納得(笑)
今でこそメインバンクは都市銀だそうですが、京都銀行は今でも「心のメインバンク」だそうです、ジャイアンみたい。
そうは言いつつ、結局は担当者によって当たりはずれがあること、厳しいことを言われても金融機関を納得させ通した融資の方が成功していることなど、様々な経験からの話は読みやすく面白いです。
取引先の見極は、新規であれば担当と共に永守さん自身が同行し確認していたそう。
営業には朝10時アポ訪問をして、前日の灰皿がそのままの会社とは取引しないよう厳命したり、割れた窓ガラスがテープで補強したままだったりクモの巣が張ってるような会社も、経営状態が悪いか心に余裕がないので要注意と、目に見えるささいなことから信用を見極める必要性を唱えます。
さらにメーカーならではありますが、技術があっても消えていく多くの会社に対し『技術屋というものはたいてい、数字に弱く文章もヘタ、おまけに頭を下げるのが嫌いである。』とバッサリ。
これについては、大いに同意です。
若干の泥臭いところはありますが参考になることが多いです。
取引先がこの本を読んでいれば、見極められる立場として気を付けなければならないポイントも分かるともいえます。
特に京都銀行、あそのこ行員はきっと読んでいる(笑)
経営者でなくとも参考になると思います。
Posted by ブクログ
ベンチャー企業のトップには大いに役立ちそうな内容。銀行との付き合い方や、資金の集め方、取引先を見分ける方法、M&Aで買収するノウハウなどが、本音ベースで綴られている。ただ、普通のビジネスマンには、すぐに参考になるということはなさそうである。
Posted by ブクログ
創業時は技術よりマーケティング
金融機関へは情報をオープン 数字の裏付け
16歳から株式投資 バランスシートを読む
キャッシュが企業価値の全ての源泉
赤字は罪 買収した赤字企業には「一円稟議」
コスト意識も世界一 世界一安い値段を知る
①井戸掘り経営 掘っても掘っても新しいものが出てくる
②家計簿経営 危機時には即対処
③千切り経営 細かく刻んで考える
2030年10兆円 目標 めざすのは強い会社
CCC Cash Conversion cycle 原料調達から資金回収までの期間の早さ
日本電産 2000万円の自己資金でスタート 数か月分の運転資金
鉄則「借りにくいところから借りろ」 相手を説得する材料
経営3原則
同族企業にはならない
下請け企業にはならない
インターナショナルな企業を目指す
トップメーカーは必ず攻略しなければならない=自身の信念
顧客志向 ①ノーと言わない ②納期短縮 ③頻繁な訪問
2019年「新50年計画」 売上高100兆円 時価総額100兆円 世界のトップ10
M&A 67勝0敗 成長の50%をM&Aから
成功の条件 ①高い価格で買わない ②ポリシー ③シナジー
Made in market
進出先に合わせた形態 地域分散 現地政府との関係 トップは現地の人
連邦経営(グループ内競争)からグループ一体経営(全体最適化)へ
①ベンチャー経営者の資質
大胆にして繊細 将来に夢 他人を信頼 仕事が好き 精神的若さ
人心掌握と説得力 自己健康管理
②何でもする覚悟
③スペシャルマーケットを狙う
④技術よりマーケティング
⑤基本方針の反芻・確認
⑥財務ワーストケースを想定
⑦社員への数字感覚
⑧スカウトと調教
⑨コスト意識
⑩経営者の倫理
Posted by ブクログ
日本を代表する経営者、日本電産創業者の永守重信氏の経営論である。本書の特徴は題名のとおり「お金」、言い方を変えれば「守り」に重点を置いた内容にある。永守氏は屈指のM&A巧者として知られているが、本書を読めば日本電産のM&Aが失敗しない理由の一端に触れることができる。
平易な文章でサラリと読めるが、自分のレベルが上がれば学べることが増えるのだろう。本書に星5つをつけられるような人物になりたいものだ。
Posted by ブクログ
日本電産創業者の永守流の、財務に焦点を当てた経営論を述べられています。起業され、苦しいベンチャー時代を経験されたからこその重みのある考え方に、共感、感銘を受け、勉強させていただきました。夢や目標は自分のものですが、それに向かうためには、それを理解してくれる関係者が必要だということ、そのために必要な数値で示すなどの真摯な態度。社内に対しても同じ態度で号令を掛けなければならないこと。人を動かし、会社を成長させるための気付きがたくさん込められています。夢をどのように実現に近づけていくのかということ、実行してこられた著者だからこその説得力があります。
Posted by ブクログ
永盛さんの意図が盛り込まれ、読みやすい本
井戸掘り経営、家計簿経営、千切り経営
はじめて永盛さんの本を読んだか、技術だけでなく、創業期から一株当たり経営意識し、バランスシートを読みきる能力がとても大切であることを痛感。
創業期に苦労された銀行とのやり取りで、さらに数値へのこだわりが研ぎ澄まされたのかと。
当たり前のことのようだが、実践するのは、また別。
人一倍努力された方だからこそ、言えることかと。
永盛さんの想いが詰まった良書でした。
Posted by ブクログ
日本電産(現Nidec)の創業者、永守重信による経営論。
数ある永守氏の中でも、本書は日本電産がベンチャー企業として創業されてから、今までに歩んできた過程に沿って述べられているという特徴がある。
テーマは資金戦略、財務戦略、海外展開、M&Aと多岐に渡り、さらに銀行との付き合い方、経費・購買費の削減方法、良い取引先の見極め方などの具体性の高い内容にも触れられる。
勿論、本書の内容は永守氏の100%の主観であり、再現性の高さには疑問を感じざるを得ない。
しかし、たった一代で日本電産という巨大企業グループを作り上げた永守重信は間違いなく日本の実業史に名を残す経営者であり、氏の考え方をインストールすることは有用だと思う。
彼の考えと感覚の根っこの部分は成功者に不可欠かつ普遍的なものだと考えるからだ。
特に、永守氏が述べる「脱皮しないヘビは死ぬ」という考え方は、優れた経営者に共通する思考法だと思った。
「季節が変わっても同じ服を着続けている人が滑稽であるように、経営環境の変化に鈍感で、いつまでも同じ経営スタイルを押し通している企業は滑稽であるばかりか、様々な支障・不具合が出て、衰退に向かいかねない。」
まさにその通りで、自分の任期を無事に終えることと、内政の安定化に終始する経営者が如何に多いか。私自身が長い歴史を持つ巨大なJTCの中にいて、それを痛感する。
確固たる自らのビジョンを持ち、それに向かうためには痛みを伴う改革を厭わないような姿勢が、真に経営者に求められる資質ではないだろうか。