あらすじ
少年時代、僕の町に新任牧師がやってきた。仲良くなった僕は、彼の家のガレージで、キリスト像が「静かの湖」の上を渡る
電気仕掛けの模型を見せてもらった。やがて、彼の妻と幼い子が突然の事故で無惨に死亡する。敬虔だった彼は、神を呪う説教を最後に、
町から姿を消した。27年後、僕は再会する。「電気」にとり憑かれた、カルトを率いる人物となった元牧師と――。
妻子の凄惨な死に絶叫、
神に背いた牧師の狂気
恐怖の帝王・キング、ひさびさの正統派ホラー!
※この電子書籍は2019年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
邦題のイメージで読んだらかなり違った。
久しぶりにキング節炸裂のB級お下劣ホラー系を期待したら、まさかのハートウォーミング甘酸っぱ青春ものだった。
献辞にラブクラフトやブラムストーカーらそうそうたる作家たちの名を連ねておいてこの内容。やられた。
それでもさすがキング。相変わらずこれ以上ないってくらい少年を書くのがうまい。牧師の扱いも巧みでキングの手の上で転がされる楽しさを存分に味わえた。
ロックバンドを大きく取り扱っているのも好ましい。
そしてコアなファンへのサービスもきっちり。ストーリーに直接関係ない名前があちこちに散りばめられていてニヤリ(そしてゾワリ)。
気持ちを切り替えて楽しんでいたら、上巻終盤で雲行きがあやしくなってきた。これは⋯下巻で炸裂を期待してもいいのだろうか。
翻訳がいつもの方と違い、言葉の選び方などが新鮮だった。2~3ヶ所流れ的に違和感はあったけど読みやすい翻訳だと思う。
Posted by ブクログ
ジェイミーが出会った若い牧師。電気を使った仕掛けを能くする彼は家族を失ってから、だんだん神から離れ電気を使って何かをしていく。一体何をしたいのだろう、何を求めているのだろう。医者でもない彼が行う奇跡のような治療に副作用はないの?後遺症はおきないの?不穏な感じが消えない。
麻薬から救われたジェイミーはどうなっていくのか
Posted by ブクログ
昔からのキングファンですが、ミスターメルセデス→ファインダーズキーパーズ→任務の終わり...と3作続けて、最後まで辿りつけませんでした(積読状態)。
ひさびさに辿りついたのが心霊電流(上下)でした。
しかし、何でこんなに価格が高い(文庫本で2冊¥2640はちょっと...)のだろう?
Posted by ブクログ
妻子を悲惨な事故で失い、神を呪ったジェイコブス牧師は、“神秘なる電気”に取憑かれ、その力で死後の世界を垣間見ようとする。そして、地獄よりも尚悪い“真実”を見てしまってショック死。余りに救いの無い人生である。主人公のジェイミーも、牧師に薬物依存から救って貰った一方で、呪いをかけられたような状態で物語が終わる。でも、女性関係では凄く良い目をみてたなぁ……。