【感想・ネタバレ】世界史の分岐点 激変する新世界秩序の読み方のレビュー

あらすじ

予測の先の新時代に備えよ!

近いうちに、「世界史の分岐点」が訪れる。日本も世界も、その激動に呑み込まれるだろう。避けることはできない。本書は、それがどんなものか、なぜ起こるのか、詳しく論じている。ビジネスにたずさわる人びとも、市井の人びとも、その備えをしたほうがよい――(「まえがき」より)経済、科学技術、軍事、文明……「知の巨人」が語りつくす、新しい時代を読み解く針路。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

橋爪さんはアカデミックながら柔軟に思考を展開できる人。佐藤さんは時々ぎょっとすることを言うので、話は割り引くようにしているが、タブーのない思考実験をする人だと思う。そんな二人の対談集。橋爪さんがテーマをまとめ、佐藤さんが捕捉していく感じで、経済・科学技術・軍事・文明という4つの切り口から大きく変わろうとしている時代の局面をとらえている。

経済ではアメリカ一強時代が終わり、中国が激しく追い上げている。脱炭素・量子コンピュータ・核融合といったテクノロジーの世界では激しいつばぜり合いや合従連衡が起こっているが、それはこれらの新技術を押さえることが次世代の覇権を握るのに大きく利するからだ。米中対立はイデオロギーの違いで対立しているのではないから冷戦というよりは帝国主義的な覇権争い。

アメリカ人は物事を見通す力が弱いという指摘は言いえて妙。見通せなくとも自らに覇権があるうちは力で相手を従わせることはできるが、中国・ロシア・中東など違う価値観を持った国々の動きは、現在とどめることができないところに来ている。

橋爪さんや佐藤さんの凄いところは視点を相手の側に移したときに、その相手に世界はどう見えるかをヴィヴィットに想像できる点だ。これは広範な知識や経験や歴史に対する洞察がなければできないが、多極化の時代にはこの感性がとても重要になると思う。

ウクライナ侵攻の前に出た本だが、この本を前提にすると、その後の2年間に起こったことが整理されて見えてくる。

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2024年05月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「”不倖せの再生産”は避けようと、心の奥底で誰もが感じている」と説く。言い得て妙な表現です。
今、感じる。やっぱり息苦しい、ちょっと違う、なんかずれている、どうして責められるの、どうすればよかったの、ちょっとした不満が重なって積もって沈んで…。自分の中に潜む”こうではない”社会。

「働き方改革は正しくない」と説く。8時間以上働きません、勉強しません。そんなことをしていると、使い物にならない人材ばかりになる、と。たぶん、その通りかな。量が質を凌駕するではないけど、制限してはいけなかったと、この歳になって感じる。

「カタカナ語、絵文字は知的堕落だ」と説く。二言もありません。反省です。

「ノブレス・オブリージュが欠けている」と説く。ひっとしたら、誰もノブレスでないかもしれない。あるいは、ノブレスに含まれているかもしれない。もしノブレスならばすべきことがあるのでは、と、感じる。

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2022年03月28日

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