【感想・ネタバレ】暇と退屈の倫理学(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「暇」とは何か。人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加えて待望の文庫化。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

感動した。もっと早く読めばよかった。
暇と退屈、消費と浪費、仕事と労働、自己愛と利己愛、動物と人間などの区別が非常に面白かった。
消費されるのはモノではなく、記号。意味を吸収するため、限界がない。故に満足しない。
また、存在しない本来性への回帰が疎外概念の議論を妨げていた話も興味深かった。(本来性なき疎外として捉えることが大事。)
定住革命や環世界の話も面白い!!全体的に頷ける部分が沢山ある中で、うーんとなるような部分もあった。そこからまた思考が深められそう。

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2026年06月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ


個人的に、ものすごく面白かった。
個人的にと書いたのは、ずっと自分の中で暇や退屈と上手く向き合えていない自覚があった中、その課題感にドンピシャにはまる内容だったから。若いヨーロッパ人は何としてでも何かに苦しみたい欲望がある、と指摘したニーチェ。没頭したい、狂信できる何かが欲しいと苦しんで、確かな没頭できる自分や、信仰がないことで苦しんでいた頃の自身と少なからず重なった。

本書では退屈を3形式に分けている。
1つは時間の引き止めに合う、時限的な退屈。列車が来るまでに4時間あるときのような。
2つめは、気晴らしと結びついた、安定と均衡を持った退屈。自分で自由時間にパーティに行く、と選択し、楽しかったのにもかかわらず、退屈だったことに気づくという類の退屈。
3つめは、なににも結びつかない何となく退屈だ、と声が湧き上がる、深い退屈。やがて自身を特定の目的、決断、仕事の奴隷へと掻き立てる深刻な退屈。

3の退屈にたどり着いたとき、退屈は自由を教えている、決断せよ、というハイデガーの理論には安易に巻き取られそうになるし、わたしにもその意見に肯定して自分自身で苦しかった覚えがある。

だからこそ、「楽しむことと思考すること」を答えとした本書の結論には深く頷きたくなった。

まず、2の退屈と折り合いを続けることが人間的に生きることである中、仕事や目的の奴隷になることに逃げ込むのではなく、2の気晴らしを存分に楽しむ、消費ではない贅沢を取り戻すこと。日常を楽しむ訓練が鍵。

そして退屈と共存するには、上記の人間であることを楽しみながらも、ときおり動物になること。自分が何にとりさらわれるか(何によって思考に導かれるか)を知り、待ち構える。テロリストや狂信者やワーカホリックのように、3に逃げ込んで自らを奴隷に掻き立てるところに答えがあるわけではない。最近大好きだった美術館から足が遠のいて、忙しさで自分の心の声に耳を塞いでいる自分に刺さる…。

「一つの環世界にひたっていることができないことに、退屈に悩まされる理由がある。動物はひとつの環世界に留まることに長けていて、衝動の停止と解除を繰り返している。人間はそうではない」「人間は基本快を求め生きていて、思考は何かショックを受けて仕方なくするものだ」等々の話が、本当に思ってもない観点で、目から鱗だった。



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2026年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

哲学書を読むとはどういうことか、哲学するとはどういうことか。
その実践として本書を読んだ。そして、その結論も非常に納得した。
何より、学びとはいいことだ、と心の底から共感できた。

そして、奴隷ではなく、自由に生きたいと強く願った。本書は、多くの人びとにとっての自由への第一歩となるだろう。

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2026年05月14日

ネタバレ 購入済み

より多くの人に読んでほしい。

2024年12月読了。

ず〜っと気にして買っていたのに、中々手が伸ばせずに積ん読状態だったのだが、数年前にTVでオードリーの若林さんが称賛していたのを見て興味が湧き、読み始めたのだが、自分はうつ病を患っており、その時は具合が悪く途中で手を止めてしまった。
その後(つい最近だが)思うところがあり、改めて初めから読み返したところ、夢中に成る面白さで、半日弱で読み終えてしまった。
哲学書でこんなに読み易い本は、早々お目に掛かれない良書だと思った。そして若い読者にも理解しやすい書き方で、現国のテキストに使われたのも頷ける内容だった。

中身を多くは語るまい。読み終えた人だけが、感想をスタート地としてそれぞれに思考を進めていければ良いのだ。

恐ろしく単純に云うとしたら、凸凹の「凹」の真ん中(低い所)に居ると思っている人達に、「そうじゃないんだよ、貴方の居る(べき)場所は、実は凸(の高い所)なんだよ。だから右往左往しないで世の不条理に惑わされず、絶えず《学ぶ》ことが一番大事なんだよ!」という、素晴らしく明快な答えを教えてくれる良書だと云う事だ。
と言っても、コレは読んだ人なら分かる、読んだ人にしか意味が分からない感想かもしれないけどw、補編の《痛みについての考察》は、心の痛み(うつ病)を抱える身の自分にもヒットする部分を感じて、とても嬉しかった。再読して、この病と闘っていこうとも強く思った。

國分先生、病と立ち向かう勇気を貰えました。ありがとうございました。

#深い #タメになる #アガる

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2024年12月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鼻につくところも納得がいかないところもちらほらあったが、新しい視点が入って面白かった

環境に慣れて快くなろうとするが、慣れると退屈という不快が現れる、というのは納得感がある。「使命がある」とか、「夢中」って幸せだよなぁと思う。退屈が怖くて嫌だから日常の仕事の奴隷になったり、多少の危険やリスクがあっても気晴らしを望むのは、まぁそういう生き物なんだろうなと思う。そういうことをする個体のほうが、生存確率が高かったのかもしれない。

暇を搾取する消費社会になっている、というのはあまりピンとこない。観念を受け取るにも時間とリソースが必要で、消費にも上限はあると思う。企業は売れるものを作っているだけだし、個人は欲しい体験を買っているだけだし、そこに搾取も何もないように思う。

退屈の形式と環世界の話は面白かった。「環世界の違いの大きさ」という概念は面白い。人間は一つの環世界に浸っていられないから退屈する、というのもわかる気がする。「決断」は第三形式から第一形式への逃げ込み、というのもなんとなくわかる。「自分なりの安定した環世界を想像していく過程」という捉え方はすごくいいように思う。退屈と変化を繰り返しながら、想像していく生き物なのかも。

色んなことを楽しめるようになろう、時々刺激を受け取って環世界を破壊して考えて再構築しよう、という結論は、無難な気もするが、実際それぐらいしかないよな、とも思う。
色んな本を読んだり体験をしたりして、同じことを見聞きしたときに感じたり考えたりできることを増やしたい、とここしばらく感じていたが、それはこの本で言うところの「訓練」と一致するように思う。この本自体が良い「不法侵入」だった。

「他への慣れが行われる過程において自が出来上がる」「記憶は経験の傷跡」「サリエンシーになれる過程の蓄積こそが個人の性格を作り出す」良いなぁ。素敵な考え方だと思う。個人的には、刺激を避ける性質と求める性質の両方を持っていることにはそんなに矛盾を感じない。そういう生き物なんだろう。他者を経由した慣れの獲得は、まさしくカウンセリングでやってることだなぁ。記憶の消化をお手伝いしている。

「暇と退屈にどう向き合うか」、だが、「気晴らし」が無力である、という主張に納得感があったから、その時のリソースと相談しつつ、環世界の破壊を試みていこうかなぁと思う。楽しいし。
「私はこれでいい」っていう、日々の労働の奴隷になっている状態や、狂信者になっている状態は避けたいかなぁ。変わり続けたい。

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2026年07月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったけど、途中からついていけへんかった。また読み返す。暇してる時にうっすら感じてた感情を言語化してくれて助かった。
めちゃくちゃ決断する事を増やして、めちゃくちゃ贅沢してみよう。

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2026年06月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初めての哲学書。
読みやすかった。
暇も退屈も感じるのは、人間の定め。それでいいんだ。
その上で、私たちは日常を楽しまなければならない。
どんなことにもそこにはどんなワクワクがあるか、探し続けたい。

ただ、習慣化されたり慣れたりするとまた退屈は始まるよね。
その時その時で退屈がやってきたって気づくことが大切かな。
そして、気づいたらその退屈が消え去る何かを待つ。
そのために、本を読んだり人に会ったり、映画を見たり美術館に行ったり、自分の好きなことをする。
それを忘れちゃいけないんだ。
第二形式の暇と退屈を感じる時、私はものすごく虚しくなる。
同じ熱量で楽しめていない時、私は強く虚しさを感じる。
でも、本を読んで人それぞれ違う環世界を生きているから、当たり前なんだと思えた。
自分が楽しんだらいいんだって。

ずっと環境を変えたら、何か変わるかもって思っている節がある。
けど、そうじゃないのかもと思えた。
やっぱ、自分がその物事をどう楽しむかどう捉えるかが鍵だな。


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2026年05月14日

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