【感想・ネタバレ】流浪の月のレビュー

あらすじ

【2020年本屋大賞受賞作】【映画化決定 2022年5月公開 監督・脚本 李相日 出演 広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子ほか】最初にお父さんがいなくなって、次にお母さんもいなくなって、わたしの幸福な日々は終わりを告げた。すこしずつ心が死んでいくわたしに居場所をくれたのが文だった。それがどのような結末を迎えるかも知らないままに――。だから十五年の時を経て彼と再会を果たし、わたしは再び願った。この願いを、きっと誰もが認めないだろう。周囲のひとびとの善意を打ち捨て、あるいは大切なひとさえも傷付けることになるかもしれない。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。本屋大賞受賞作。/解説=吉田大助

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「せっかくの善意を、わたしは捨てていく。
そんなものでは、わたしはかけらも救われない。」

温かい両親の元で幸せな暮らしを送っていた家内更紗(かないさらさ)は
ある事情で両親を失い、伯母の家に引き取られることになった。
自分の居場所がないと感じるようになった更紗は、ある日公園で一人の青年・文(ふみ)に家に来ないかと誘われーー……。

男と女。大人と子供。加害者と被害者。
人をカテゴライズし、勝手な解釈で物事を把握してしまうことの危うさに気づかされる作品です。人を「かわいそうな人」だとラベリングし、保護しようとすることが本当に正義なのか。善意は無条件に正しいものなのか。当事者たちにしかわからない「本当」があるのではないだろうか。

主人公二人の静かな幸せを祈りたくなるような、そんな一冊です。
ぜひ読んでみてください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても面白かった!
周りから見た視点では見えているものが違うこと、決めつけをしていることを考えさせられる一冊。
男性の文のことを最後に明かされるが、自分も決めつけをしていると悩むことになるとは…
初心者でもスイスイ読めるくらい読みやすい文章でとても楽しむことができた!

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

当事者にしか分からないこと。第三者からの視点。勝手な憶測、思い込み。人間が当たり前のように持つ常識というものは本当に当たり前なのか。いつから当たり前なのか。それが正しいのか。優しいから善なのか、正義なのか。優しさを受け入れないことは悪なのか、己の思うがままを信じることは悪なのか。優しさとは何か。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好意を向ける対象について議論が増してきた昨今に読んでこそ、考えさせられて面白い作品やなと思った。実写化された後に読んだから、容姿の描写を読んで、どんな俳優さんが演じてるんかなって頭で映像を浮かばせながら読んだ。
全体的にかなりおもしろい作品。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

解説の、優しさを疑うこと、優しさを疑うことが優しさになることっていうのがすごくしっくりきた
すごく良い

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

相変わらず深いお話で楽しかった。
ふみ、さらさ、2人しか知らない真実。
周りの人がどうこういう必要はないなと改めて感じた。気持ちとか真実は当人しか知らない。
ふみ、二次性徴こない

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2025年12月04日

ネタバレ 購入済み

考えさせられる

実際に自分を投影できるような内容では無いが、人間関係、大切にしたい人、その人にとって本当に良い対応をできているのか、幸せとはということを再度考えさせられた。LGBTQについても自分には関係ないからと思っていたがこれからの人間関係において少し考えてみようと思った。

#泣ける #切ない #深い

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2025年06月02日

ネタバレ 購入済み

深い

読んで良かった。
当事者にしか分からない真実が、上手く伝わらなく、真実ではない事が事実として広まっていく辛さが読んでて少し苦しかった。

#ほのぼの #切ない #深い

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2024年06月13日

ネタバレ 購入済み

更紗の思いや事件の真実が、世の中に受け入れられず違った解釈のままである事に対してもどかしさを感じると同時に、これが現実なんだというやりきれない思いで複雑な心境になった。
そんな事件を経験した後で、共に生きて行くという選択をした2人を誇りに思う。
堂々と生きていって欲しいと願う。

#切ない

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2022年05月23日

ネタバレ 購入済み

良い作品と出会えました

真実を聞いてくれる誰かが現れないか、この2人が自分らしく生きることは許されないのか、読みながらとにかくもどかしくて苦しい気持ちでした。自身の物事の見方や考え方、受け取り方を考えさせられる場面が幾度もあり、また、言葉選びに良い意味で何度も衝撃を受け、読了後は何とも言い難い気持ちになりました。良い作品に出会えました。

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2022年05月21日

ネタバレ 購入済み

流浪の月

文と更紗、お互いが支えとなり生きてこれた事、2人の思いが同じだった時、ホッとし泣きそうになった。世間の目は辛いものだったけど。
読み終わるのがもったいなくて途中で読むスピードをゆっくりにした。凪良ゆうさんの他の作品も読んでみようと思う。久々にハマった作品でした。

#切ない #深い

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2022年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく好きな作品。
幼少期の更紗と文の関係性がすごく好きだった。
更紗に居場所をくれた文と、文の心を無意識に絆していく更紗。周りから見たら誘拐犯と被害者、けれど文と更紗の関係はそんなのじゃない、愛というのかわからないし説明は難しい、ちょっぴり歪だけど暖かい関係性がすごく好きだった。文の冷めてるようで暖かいような性格もすごく好き。
特に印象に残った言葉は
「彼が本当に悪だったのかどうかは彼と彼女にしか分からない」という一文で、深く共感したし、いろんな憶測が飛び交う今を生きる人たちに届いてほしい言葉だと思った。
また「たくさん幸せになってね」という何気ないセリフがすごく素敵だと思った。
いろんな出来事を通して、苦しいこともあったけれどラストは2人にとって救いのあるおわりになっていて良かった。また読み返したい。

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前映画化されており、その際に買ったものの積読状態であった。暇になったため読んでみたが、いわゆるロリコンと誘拐された少女の話。広瀬すずが主演で映画化されるのだからどうせラブロマンスかと思ったら全くそんなことはなかった。自分を小児性愛者だと思い込み生きる文と、奔放さを失い、やがておとなしい人として生きる更紗。スイッチが押された時性愛に貪るのではなく、涙を流す、暴れるそれがこの2人の共通点である。簡単に性描写に持っていかないところが私は好きだった。2人は一連の事件の後、全国を放浪としながらカフェを営む。しかし、更紗には悲壮感はなく、どこかこの放浪、流浪を楽しんでいる。その様が文視点で流浪の月なのだろう。過去のトラウマから性愛に対して全く興味が持てない2人に対して少しかわいそうに思ったが、それこそ当事者にしかわからないことだろう。第三者がつべこべ言うことでは無い。

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

家にも学校にもどこにも居場所がない子ども2人が身を寄せ合って自分たちの場所をつくろうとしてるところが切ない
ラストは希望が見出せて良かった
すごく読みやすい文章だったから著者の他の作品も色々読んでみたい

機能不全家庭で育った人…小さい頃に信頼できる大人が近くにいなかったり、周りに傷つけられてもケアしてくれる大人がいなかったりした経験がある人には共感できるところが多いんじゃないかと思った

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2025年11月28日

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