【感想・ネタバレ】10の奇妙な話のレビュー

あらすじ

命を助けた若者に、つらい人生を歩んできたゆえの奇怪な風貌を罵倒され、心が折れてしまった老姉妹。10年の長きにわたり、部屋で安らかに眠り続ける少年。屋敷の敷地内に薄暗い洞窟を持つ金持ち夫婦に雇われて、“隠者”となった男。“蝶の修理屋”を志し、古物店で見つけた手術道具を使って博物館に展示されている標本の蝶を蘇らせようとする少年。家の近くの丘で掘り出した骨を集め、ネックレスを作る少女。――ブッカー賞最終候補作の著者が、日常と異常の境を越えてしまい異様な事態を引き起こした人々を描く、奇妙で愛おしい珠玉の短編集。/【目次】ピアース姉妹/眠れる少年/地下をゆく舟/蝶の修理屋/隠者求む/宇宙人にさらわれた/骨集めの娘/もはや跡形もなく/川を渡る/ボタン泥棒/訳者あとがき/解説=石井千湖

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Posted by ブクログ

ネタバレ

奇妙な10の短篇集。穏やかに暮らしている人が何かに巻き込まれた途端に現れる奇妙な一面がさらりと描かれています。白黒の挿絵もこの作品にとても合っていて、このテイスト大好きです。

どの作品も個人的には好み(珍しく外れなし)ですが特に好きなのは、少年少女が主人公の少しダークで不可思議なお話の「蝶の修理屋」と「骨集めの娘」です。

「ピアース姉妹」
浜辺の家で穏やかに暮らしていた姉妹が繰り広げるホラー。

「地下をゆく舟」
途中までコメディかと思いきや、「いやいやこれヤバくない?」と主人公と一緒に濁流に流されながらラストへ。悲しみや寂しさを感じる終わり方。

「蝶の修理屋」
こんなに綺麗な画を思い浮かべられる作品は久しぶり。彼に修理された蝶を見てみたい。死にたくはないですが(笑)

「隠者求む」
サキっぽいですね。もちろん好きです。

「宇宙人にさらわれた」
子供たちの暴走。絵本っぽくてかわいい。

「骨集めの娘」
少女は丘の上で集めた骨でネックレスを作る。でもその骨は何の骨?

「もはや跡形もなく」
母親が少年を捨てたのか、少年が母親を捨てたのか。

「川を渡る」
ご遺体がひどい目に合うのにクスクス笑いながら読みました。すみません(笑)

「ボタン泥棒」
海外作家さんが書くどうしようもなく性格の悪い動物がとても好きです。(昨今、動物を良き存在としてでしか描けない風潮を感じ、少し堅苦しいなぁと感じています。)

サキやロアルド・ダールの作風が好きな方にお勧め。

#10の奇妙な話 #NetGalleyJP

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2022年01月19日

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