あらすじ
……じた、じた、じたっ。湿った地面を踏み締めながら、どこまでもおいかけてくる――闇市の路地に巣食う真っ赤な怪人の謎。
舞台は敗戦直後の東京。物理波矢多シリーズ最新作となる、渾身の書下ろし長編ホラーミステリー!!
「赤迷路」の通称を持つ闇市に、若い女性を付け回す怪人「赫衣(あかごろも)」が出没するという。
『黒面の狐』事件後、友からの依頼でその真相を探る物理波矢多(もとろいはやた)は、
闇市「赤迷路」に巣食う怪人「赫衣」の正体を調べるなかで、凄惨な殺人事件に遭遇する。
炭鉱を突如襲った連続怪死事件を追う――『黒面の狐』、
灯台に憑いた怪異は時を超える――『白魔の塔』
に連なる、ホラーミステリーの名手、シリーズ第3弾!
物理波矢多:満州の建国大学に学び五族協和の理想を求めたが、敗戦に接して深い虚無に囚われ、以後は国の復興を土台で支える職を求めようとする。
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Posted by ブクログ
戦後の闇市
都市伝説?妖怪?
民俗学を波矢多が学び始める!
個人的には赫衣をもっと掘り下げて欲しかった。
犯人は刀城言耶シリーズのように何度もどんでん返しはない。
あっという間だった。。
まさか容疑者がそのまま犯人だったなんて。
私はずっとアケミが犯人だと思っていた。
被害者が妊婦ってのも読んでて腹が痛くなる思い…
Posted by ブクログ
面白かった。戦後の風俗が詳細に書かれていて、知識的にも興味深い本だった。赤迷宮の雑多でこの世とあの世の間のような神秘性があるのがワクワクした。
今回はホラーとミステリーの割合がちょうど良くて私的にすごくよかった。三津田さんの本は結構ホラーと結構ミステリーのどちらかに寄ることが多いので、個人的に面白いかどうかはバランスによる。
新市、アケヨ、伊崎巡査など。好みのなキャラクターが多かったな。こいつらがストーリーを明るくしてくれてる気がする。
それにしても物理さんのお仕事シリーズ、とても好きです。
Posted by ブクログ
引っ張ったわりには犯人は心身喪失状態で自殺したから真相は不明?動機は人種差別?とスッキリしない結末。
次作は海が舞台ならタイトルには絶対青か蒼が入るね!間違いない!
え、誰でもわかるって?
Posted by ブクログ
物理波矢多シリーズ3。時系列的には、前作『百魔の塔』の前にあたる。
終戦直後の闇市や戦災孤児・女性たちの生きざまが描かれている。ここだけでも十分読む価値があると思う。
ミステリというよりは、戦後史を読んだ気分。