【感想・ネタバレ】古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛までのレビュー

あらすじ

始皇帝、項羽と劉邦、曹操ら英雄が活躍した古代の中国。二千年前の人々はどんな日常生活を送っていたのか。気鋭の中国史家が文献史料と出土資料をフル活用し、服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児まで、古代中国の一日24時間を再現する。口臭にうるさく、女性たちはイケメンに熱狂、酒に溺れ、貪欲に性を愉しみ……。驚きに満ちながら、現代の我々ともどこか通じる古代人の姿を知れば、歴史がもっと愉しくなる。

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Posted by ブクログ

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ともかくすごい。あっちこっちから引っ張ってきてこれだけみっちり再現してしまう。カンセキならでは。よく拾ってきたよなあ。漢代あたりが中心なんだが、読んでたら陶淵明がどんなに暮らしてたのかとかふわふわと気になってきた。悠然として東の垣根の下の菊をとるときの格好とか、彼は大金持ちの貴族で落魄してるんだから食べ物は問題なかったろうとか、四合院すでにあったのねとか。明器とか。見事なはりがたとか。

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2022年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

秦漢時代の中国に異世界転生、あるいはタイムリープして24時間を過ごす中で、当時の中国の人たちの暮らし、風習を見ていこう、というテイの本。
三国志のような英雄モノなどでは決して描かれない、ごく普通の日常生活がどのように送られているのか、イケメンの定義とは?当時のトイレって?など、言われなければ気にならないけど、言われてみると気になるような内容が載っている。
すべて、史記や漢書にはじまり文選、呂氏春秋など膨大な一次資料に散らばる細々とした記述をピックアップし、考古学的資料による説明とともにまとめられている。
読んでいると自分が古代中国の町の中に迷い込んで、市井の人たちの暮らしを垣間見ている気分になれる。
興味深かったのは「イケメンでなくてもモテる例はあったけど、わざわざ史料として残っているというということはよほどの例外であったということ(イコールイケメンは正義)」「貧乏でも才能だけで栄達できた人はいたけどわざわざ史料に残ってるほどということはまず例外(やっぱり金持ちコネ社会)」なるほどそういう史料の捉え方があったかー。そして通常史料としては軽視されがちな志怪小説であっても、日常生活研究の史料としては十分に足るだけの価値のあるものであるという説明部分の記述から、著者の史料へあたる姿勢というものを垣間見ることができた。

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2023年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まずは出典の書物の多さに脱帽。さすが10年分。確かに庶民の生活をつぶさに書き記した歴史書などあまりなかったかもしれない。

呉と越が敵対しているときに献上されたという西施という美女の話からでてくるフェイスパウダーの話に驚く。戦国時代あたりからフェイスパウダーあったのか。
カイコの触角のような眉が理想とされた話。ちょっと怖い…

劉邦の酒飲みの話が多かったのもびっくり。
大酒飲みが16リットルも酒を飲んだって…急性アルコール中毒にならないのか。しかし一気飲みで亡くなった人もいた、ということなので急性アルコール中毒自体はあったのだろう。
口臭をきにしていて、皇帝から苦い薬を賜った、何の失策をしたのか?と思ったらブレスケア的なもので、皇帝から「口が臭い」と思われていた、という話が面白かった。
兵馬俑が型取りをしていたことから、マニュファクチュア的なものが古代中国では出来ていたことになり、興味深いと感じた。

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2022年10月19日

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