あらすじ
手紙だからつける嘘。手紙だから許せる罪。手紙だからできる告白。過去の残酷な事件の真相が、手紙のやりとりで明かされる。衝撃の結末と温かい感動が待つ、書簡形式の連作ミステリ。
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Posted by ブクログ
手紙のやり取りで話が進む短編集、かと思いきや全て繋がっているストーリー。
そことそこが繋がるの?!っていう驚き。
湊かなえさんらしい、毒を孕んだ表現にうっすら嫌な気持ちにさせられるのが面白い。
Posted by ブクログ
手紙風のギミックを楽しむための作品かと思いながら読んでいると、作風に慣れてきた頃の「十五年後の補習」でやられた。
秘密や闇を抱えながら、お互いを思い合ってきた2人がとても綺麗で美しかった。どうか幸せであれ。
Posted by ブクログ
今の時代にわざわざ手紙を書くという点が好印象なのと、親愛なる〇〇へであったり、〇〇より愛をこめてのような、遊び心も結構あって、手紙ならではのおちゃらけが懐かしい。
話自体も読みやすく、十年後の卒業文集では落ちが予想出来ていたとしてもふふっとなるし、二十年後の宿題は著者らしい事件があった上でそこを落ちとしてもっていくのかという面白さと、十五年後の補習からの一年後の連絡網という〆では応援したくなる。
Posted by ブクログ
3つともちょっとした繋がりのある話で、あ!これあの人じゃん!とか思いながら読んで楽しかった
ちなみに最後の2人はどなた?登場したっけ?
私も巻き爪だから日本にいるうちに手術しようかなー
Posted by ブクログ
湊かなえ作品にしては読後感が爽やかでびっくり。
どのお話も手紙をやり取りしている登場人物たちが、それぞれ持っている罪悪感みたいなものを手紙を通して少しずつ解していくお話でした。
みんな、幸せになってほしいなぁ。
Posted by ブクログ
昔を懐かしむほっこり話かと思いきや、どの話にも「死」や「思い出したくない過去」などの暗いイメージが現れてきて、徐々に冷たさを帯びてくる感じ、好きです。坂本裕二の「往復書簡 初恋と不倫」にも似たような感じ?個人的には「十五年後の補習」が1番好き。純一と万里子の関係がグッときます…過去に犯した人に言えない罪を抱えながらも関わっている男女の関係がたまらんのです…。
Posted by ブクログ
湊かなえの『往復書簡』は、手紙のやり取りを通して過去の事件の真相が明らかになる短編集。「十年後の卒業文集」「二十年後の宿題」「十五年後の補習」の三編で構成され、それぞれ異なる登場人物が、封印していた記憶や、知られざる事実と向き合っていく。人間関係の闇や葛藤、そして微かな希望が描かれる。
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一か月ぶりの湊作品でしたが、なかなか面白かったです。
どれも湊テイストが濃厚な短篇集だったと思います。
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トップを飾る「十年後の卒業文集」は、高校時代の部活の仲間の結婚式に端を発する。
海外在住で一時帰国中につき日本のケータイがないという「悦ちゃん」が、過去に部活仲間内であった事件を手紙を通じて暴露してゆく、というもの。手紙の往復が続くにつれ、徐々に譲らない自我がむくむくと表れて、女の罵り合いになりそうなところがイイですね笑 湊さんらしい。最後にツイストがあり、え?そうなるの?と読者をうっちゃるのも湊流、ですよね。
「二十年後の宿題」は私が本作で一番気に入った作品。
小学校教諭が引退後に、かつて見ていた教え子の行く末を案じ、別の教え子(その子もたまたま教師)を頼りに、気になるかつての教え子6人に手紙を渡して近況を聞いてきて欲しい、と頼む。この現教師の教え子が一人また一人とかつての教え子に会い、その状況を先生に手紙で報告するのですが、これまたインタビューというか面会が進むにつれて、かつて起きた事件が異なる角度から明らかになります。
これもまた、最後にツイストがあります。が、むしろハッピーエンドな終わり方ですね。ベタですが好きな終わり方。
そして最後の「十五年後の補習」は、単身赴任の夫を待つ妻の手紙から始まる。一見スウィートな雰囲気で始まるも、そもそもこのカップルは中学生の時からの馴染みで、とある事件をきっかけにこの妻は当時の記憶を一部失っていることが明らかに。当初は海外での状況を綴る夫に対し、甘い言葉で返す妻であったが、徐々に話は過去の忘れていた記憶になり。。。
この妙にイヤーな感じが湊さんらしいかな、と思います。
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本作に収録されている中篇すべてに共通しますが、物語の進捗と事実の小出し感がイイですね。事実が見えてくるまでのウズウズ感がたまりません。特に私は勘がいい方ではないので、じらされるように遅々と物語が展開するたびに、えーどうなるのー?と軽く悶えモード?でありました。
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ということで一か月半ぶりの湊作品でした。
相変わらずエンタメ性の高い作風でした。一日あればサクっと読めてしまいます。ミステリー系が好きな方にはおすすめ出来るかもしれません。