あらすじ
手紙だからつける嘘。手紙だから許せる罪。手紙だからできる告白。過去の残酷な事件の真相が、手紙のやりとりで明かされる。衝撃の結末と温かい感動が待つ、書簡形式の連作ミステリ。
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Posted by ブクログ
手紙でのやり取りを小説にするという斬新な作品でした。
また作品自体は短編集で、一つ一つに小さなどんでん返しがあり、サクサクと読むことができました。
手紙だからこその嘘や表現というものが散りばめられており、普段の小説とは違った面白さがありました。
短編の中では、20年後の宿題が1番好きでした。
6人それぞれの事件に対する思い、先生が依頼した真意など、物語として引き込まれていきました。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
①十年後の卒業文集
高校の放送部の同級生が28歳になった浩一と静の結婚式で再会してから、手紙をやりとりするなかで、振り返って過去の事故の真相を明らかにしていく。浩一の元カノで神戸のモデルクラブでアパレルのカタログモデルをしている千秋は失踪扱いされていたが、実は22歳で結婚し年上の夫の海外赴任についていった高倉悦子のふりをして(悦子の同意を得て)結婚式に参加していたり手紙を書いたりする。手紙を通して本当に悦子からの手紙なのかと違和感を感じる谷口あずみ(文哉の3つ上の上司と結婚)や静。
過去の事故、千秋の暗い山道での転倒と顔面損傷は誰のせいでもなく勝手に千秋がピンヒールをはいてたせいで転んだこと、同級生達は浩一と千秋の恋を応援してくれていたがすでに浩一と別れ話をしていたが納得してくれてなかったことなどが明らかとなる。
他の同級生
・文哉(市役所勤め)
・良太(悦子の元カレでテレビ番組の制作会社勤務)
②二十年後の宿題
高校教師の大場敦史は、小学校時代の恩師竹沢真智子の依頼で彼女のかつての教え子6人に会いに行き、手紙で彼らの近況を報告する。
20年前、竹沢先生は夫とクラスの児童6人を連れて図工で使う落ち葉を拾いに赤松山にいく。公園でお弁当を食べた後女子3人と先生はバドミントンを、夫と男子3人は川遊びをしていて、子供が1人川に転落して助けた夫が亡くなるという事故があった。その時の6人が事故を引きずらずに幸せになっているか知りたいのとそれぞれに封筒を渡してほしいという依頼だった。河合真穂、津田武之、根元沙織、吉岡辰弥、生田良隆と順番に話を聞いていき、最後まで連絡がつかなかった藤井利恵が実は敦史の彼女の山野梨恵(両親の離婚で名前が変わった)だった。夫は泳げなかったため先生は夫を先に助けたこと、夫は病気をしていてあと何年生きられるかわからない状態だったこと、竹沢先生は妊娠していたことがそれぞれの話から明らかになっていく。それぞれがあの事故で人生観が変わったりトラウマになったりしていたが、年月が経ち事故を振り返る中で前向きに生きていた。
③十五年後の補習
30歳を目前にして国際ボランティア隊に参加した国語教師の永田純一と恋人岡野万里子のエアメールで15年前の事件の真相が明らかになる。純一と仲がよかった同級生の一樹(柔道で県の強化選手に選ばれる)が康孝(華奢で本ばかり読んでいる)を殴っているのを万里子が止める。一樹の母親には複数の愛人がいてその1人が康孝の父親だったため、康孝は一樹の母親を貶めた。それが原因で一樹は一方的に康孝に暴力を続ける。康孝は仲直りを見届けて欲しいからと万里子を呼び出し、材木店の資材置場にある古い倉庫に一樹と閉じ込める。万里子に手を出した一樹は万里子に角材で殴られ、さらに助けに来た純一にも殴られ火をつけられる。純一は万里子を助け、閉じ込めただけの康孝に対し、康孝が吸ったタバコの吸い殻のせいで火事が起きて一樹が亡くなったと追い詰める。そして康孝は中学校の屋上から飛び降りる。
④一年後の連絡網
国際ボランティア隊員の同期、近藤亮介が巻き爪が悪化して手術したことを三浦正晴に知らせる文通。同期の永田純一の元に日本から彼女が会いに来た話や看護師隊員の山野梨恵も登場する。
【感想】
全てが手紙のやり取りで話が進んでいくので登場人物や内容を理解するのに時間がかかった。短編小説で、あの時何が起きていたのかというのをそれぞれの視点から見せていってコトの真相が明らかになっていく。
個人的にはこんな長い手紙をもらっても困るしやりとりに時間がかかる…電話とかで話した方がよい。