あらすじ
遠くから見ているだけでいい、声を聞いているだけでも胸が高鳴った――。そんなふうに思えていた自分は、もう過去のものだ。園田は梶沢に対する自分の気持ちが、どんどん欲深くなっていくのを知って驚く。梶沢の特別にしてもらいたいと望むようになったけれども、彼は手の届かない場所に行くことになって…。優しい嘘をつきつづける梶沢と、その嘘に気づかぬ振りをする園田の、ピュアなラブストーリー。
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Posted by ブクログ
梶沢貴晶(26)×園田史仁(26)。大学の同級会で再会した二人。4年ぶりに思いを通じ合わせるが、「ウソ」に振り回され・・・。恋するってたいへんねぇ〜と、もう恋することもない私はご同情申し上げます(笑)。梶沢の“ナイスモミアゲ”に心躍ります・・・アホ。
面白かった
園田は、高校~大学の同級生の梶沢が好きだった。
梶沢は小さな嘘をつく奴で、園田は梶沢が嘘をつくのを知っていた。不器用でいじらしいとさえ思った。梶沢は大学を卒業する前にアメリカに行ってしまったが、それも嘘だと知っていた。
数年後の同窓会で再会し、付き合い始めお試しで同棲するが、梶沢が嘘をついているのではと疑ってしまう。園田は嘘に怯えすぎだが、気持ちに共感出来るとも思った。好きだからこそ気になる嘘。でも自分だって小さな嘘や、円滑にするために嘘をつく。
色々考えてしまったが、面白かった。
心理分析力全開(笑)
やっぱり火崎さん、と思える心理分析・描写と伴う葛藤がハンパじゃない作品です。過去読んだ数十作のほぼ共通してですが主人公に好感あるない関係なくその人物を肌で感じられるくらいリアルに想像出来るというか。。本作は若干堅物なマジメくん園田が梶沢の要は着色が過ぎる「話」に敏感に「嘘」だと潜在的に嫌悪感を示して疑り深くなり「真実だけが何より重要」ということに囚われて梶沢がまた嘘をついているんじゃないかとグルグル悩んじゃう、そんな園田を大事に思い柔らかくも力強く引っ張り込んで包んであげる梶沢の再会して成就するお話。ずっと好きだったのに梶沢は相当に「疑われてて」若干気の毒ですが(笑)が、「好きな相手のことは丸ごと知りたい嘘はつかれたくない」は当然ですよねぇ。梶沢は園田のその濁りない真っ直ぐな正直さも好きだったりするんでしょう、ちょっと潔癖・神経質とも思える園田と大らかで最良ならば優しい嘘も必要と言い切る梶沢は真逆なようでピッタリって気がします。