あらすじ
油田の開発に各国の石油会社が群がり、利権と欲望が渦巻く町ハンメルフェスト。石油産業のダイバーは危険と背中合わせだが、信じられないくらいの高給が支払われる花形の職業だ。亡くなったサーミ人のトナカイ所有者の幼馴染は、腕利きのダイバーだった。伝統と利権に引き裂かれるサーミの人々。トナカイ所有者、かつて石油会社に関わっていた市長に続き、スウェーデンとアメリカの石油会社の代表者二名が減圧室の事故で悲惨な死を遂げるに至り、クレメットとニーナは一連の出来事のつながりを疑い始める。数多くの賞を受賞したシリーズ第2弾。
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Posted by ブクログ
(上巻より)
二作目のせいか、サーミ人の生活のインパクトが小さい。
前作で登場していた昔ながらに暮らすサーミ人、アクラスの存在がないからか。
それでも、愛する人に求婚する際、秘密の岩に供えるために、
去勢された雄ではなく、去勢されていない雄の角を手に入れようとする場面は、
その意味合いが理解できないが、いやできないがゆえにほほえましい。
全然本編とは関係ないが、
グロッキーが不正確で正しくは「グロッギー」だと知らなかったので
グロッギー、という言葉が出てくるたびに?となっていた。
恥ずかしながら。
事件の方は、酷い扱いだった潜水士たちの復讐だったというのがわかったが、
今一つすっきりしないままに終わってしまった気がする。
裏で糸を引いていた不動産仲介業者、人々の情報の収集家である
ティッカネンの存在感が強すぎたからか。
Posted by ブクログ
・あらすじ
連続不審死調査で浮かび上がる伝統と発展の問題、過去と現在の課題、油田開発による被害者たちの終ることのない苦しみ。
幼馴染(?)3人のサーミ人の思惑、未来への諦観や希望、過去を受け止めて進む道は?
・感想
ハッキリしないというかフンワリしてる文章で中々クセがあった。
ミステリー要素はあまり無かったけど北極圏での民族、生活、トナカイ放牧、文化、商業など社会問題を軸にした話でそっちの話は結構興味深く読んだ。
白夜での生活って想像付かないけど夜が3.4時間しかないって凄く辛そう…そりゃ鬱も多くなるよね。
幼馴染と言っても仲良くない3人だから道を違えてることになっても別に悲しいとかいう感情は無かったw
作品内の人間関係が大体淡白な印象。
でも伝統をどうやって守るかと言うのはどこも難しいよね
人間が今よりもっとと求め続ける限りは…。