あらすじ
故障のため安楽死の危機に瀕した競走馬“トゥデイ”と、下半身が 壊れたまま廃棄が決まったヒューマノイド騎手“コリー”。社会の 片隅で懸命に生きるさまざまな弱者たちに支援され、もう一度レー スの表舞台に戻ってきた彼らの挑戦が、人々の心に奇跡を起こす!
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Posted by ブクログ
ヒューマノイドが浸透し
人間から労働力を奪っている近未来の韓国
競走馬にはスピードが求められ
選手としての寿命は1年ほど
軟骨がすり減り立っていることもままならなくなると安楽死に処される
相棒の馬トゥデイを助けるためわざと落馬して騎手としての存在価値がなくなってしまった廃棄目前の
騎手ヒューマノイド コリー
そんなコリーに手を差し伸べた少女ヨンジェ
脊髄性小児麻痺で車椅子生活の姉ウネは故障のため安楽死が確定していたコリーの相棒の競走馬
トゥデイに手を差し伸べた
いろいろなものを消費しては生み出していく
循環社会からこぼれ落ちてしまったものたち
社会的価値がないもの
役に立たないものたち
そうした見捨てられたものたちに
あなたの存在は私にとって
とても大切なのですよ
というシンプルな気持ちに忠実に勇気を持って行動した少女たちがとても眩しく羨ましくみえました
手を伸ばす勇気
大人になってしまった私は
いつか大切なもののために立ちすくむことなく
手を差し伸べることができるのかな
悲しいけど
なにもしてあげられないくせに
悲しむ資格なんてない P134
わたしは強い
わたしは護れる P182
ウネの言葉は心に刺さり続けています
物語の最後に
ヒューマノイドのコリーがトゥデイの幸せのために
とった行動には人間を超えた尊さを感じ
泣いてしまった
Posted by ブクログ
安楽死寸前の競走馬トゥデイ。
トゥデイ乗っていた廃棄寸前の騎手ヒューマノイドのコリーを直すことにしたヨンジェ。
なんとかトゥデイを救いたいと願う人たちが奮闘する。
ヒューマノイドのコリーは感情はないれど誰よりも人間の不思議さを知っていて、家族の事情で諦念を抱いていたヨンジェに新たな風を吹かせてくれのが爽やかだ。
コリーに言葉にしないと相手の本音が分からないと気付かされ、ジスとの友情のために距離を縮める努力をするのも良かった。
哀しみも切なさもあってホロリときたが素敵な奇跡に感動。
Posted by ブクログ
感涙必須。
まず、人間、動物の生きている・幸せであることをその振動で感じるヒューマノイドというのが自分にとって新しい見方で興味をひかれて。
そのコリーの素直な質問や意表をつく切返し、空を見上げるシーンや馬のトゥデイを想っての行動、すべてが愛しく感じられ、最期は彼らしいと思うぐらい優しい存在。
止まった時間・止められてしまいそうな時間を流れさせるためにはどうすればいい?
"ゆっくり走る練習が必要だ"
馬のことだけでなく登場人物すべてにかかることで、劇的ではないけれど停滞していた状態から動き出す様に、きらきら輝くもの(コリー風にいうと振動があるってことかな)を感じました。
Posted by ブクログ
安楽死させられる競走馬を救おうとする話。ただそれを実行しようとした時の主人公たちの取捨選択が心に響く。心が疲れた時、何かを諦めかけている時に読み直したい。
Posted by ブクログ
とても良かった。
訳文とは思えないほどに、美文がそこかしこに。
素晴らしい翻訳になんかもうありがとう…と思いつつ読んだ。
SFだけど純文学的で、でもSFだから成り立つ物語。
そのバランスがとてもよかった。
他の作品も読んでみたいな。
Posted by ブクログ
本を読んで泣いたのは久しぶりで、本当にいい本に出会えてよかった。
障がい者を「弱く支援が必要な人」と決めつけるのではなく、すでに強く自由であり、その人たちがより自由に生きられるように社会側が変わるべきだというメッセージをしっかりと受け止めて忘れずにいたい。
Posted by ブクログ
もう、めっちゃよかった。大事に、時間をかけて読んだのだけど、ずっと良い。
近未来。騎手ヒューマノイドとして生まれたコリーと、相棒の競走馬トゥデイ。コリーは、ちょっとしたミス?から他のヒューマノイドとは違う感覚、感情を持っている。ある日、コリーは、空を見てた、という理由で落馬、トゥデイも脚を故障したために安楽死、処分されることが決まってしまう。そこに、ヨンジェ、ウネの姉妹、姉妹の母ポキョン、友人のジス等の出会いがあり…。
めっちゃおすすめ、みんな読んで。
Posted by ブクログ
競馬を走る馬トゥデイと騎手であるロボットのコリー、そして周囲の人々の青春SF小説。 日本の読者のみなさまへ、でデジモンがでていて気を引かれてしまった。 無限大な夢の後。現実と、愛しさと恋しさの物語だったなぁ。(書きたかっただけ) 夢を諦めかけていたヨンジェ、車椅子に乗っている姉ウネ、夫を亡くした母ボギョン、友人ジス。みんなが悩みを抱えて、それでも生きている。どうしようもなく現実で、そこにある美しさを描く物語だなぁ、と思った。 後書きの“わたしたちはみんな、ゆっくり走る練習が必要だ”という言葉が印象的。
Posted by ブクログ
いやー、なんだろうこれ。よかった。SF枠の青春小説とでも言うべきか。
千個の単語しか知らないロボットのコリー。この切なさはなんだ。小さい小さいSFの中に、悲しみとか暖かさとか切なさとかがたくさん詰まっている。
Posted by ブクログ
何度も読みたくなるような、とても良い小説でした。
「インクルージョン」や「SDGs」というようなキーワードが浮かびますが、大きなテーマはやはり「生きることとは?」ということなんだと思います。
主人公の母親の存在が、物語に深みをもたらしています。
Posted by ブクログ
故障した競走馬のトゥデイとその騎手である欠陥アンドロイドのコリーはともに廃棄予定だが、出会った少女たちとコリーはトゥデイをもう一度走らせようと奮闘する。
透明感のある美しいお話でした。また、使い捨ての消費社会、経済動物問題、障害者問題など、多くの社会問題について考えさせられる本でもありました。
お隣の国ながら、うっすらとしかその内実を知らない韓国、そこでも日本と同じような社会問題があるのだなあ、と知りました。主人公の一人がポリオだったりしたこともあるのか(おそらく日本では根絶。韓国でも相当少ないのじゃないかと思うのですが、よくわかりません)、何となくレトロフューチャー漂う世界観で透明感のある秋の空気が感じられる文章で、切ない雰囲気がよかったです。
韓国のSFというのはまたあまり出会いがないのですが、近年の中国発SFと同じように盛り上がってきているのでしょうか。いろんな国のいろんなSFが読めるといいな。
Posted by ブクログ
韓国の小説は初めて読みました。
青が好きだから表紙の爽やかと
タイトルに惹かれて読んだ作品です。
想像力が乏しいのか、名前とどんな人物像かが一致するまで時間がかかりました。笑
でも読むにつれて引き込まれていきます。
みんなが命のために一生懸命になっていく
過程が素敵でした。
(コリーはロボットだから命という
表現ではないかな。笑)
コリーは純粋な子どものように素直で心が綺麗で、
愛される存在だなぁと。
いつもその場にいてくれて、
理解しようとする言葉をくれて。。
もはや人間だから、動物だからっていう括りすら
取っ払う存在だなぁって思ってしまいました。
人間って色んな感情があるからこそ
生きづらさもあるけど、
感じられるからこその幸せも
たくさんあるんだなぁって。
幸せを感じるために、ゆっくり走ること。
今と向き合ってを生きること。
覚えていたい文章がありすぎる
素敵や作品でした〜
Posted by ブクログ
SFはあまり読まないので新鮮でしたが、内容的に良い児童書として子どもにも勧められると思います。
ロボット(ヒューマノイド)が騎手として馬に乗る競馬が行われている世界で、人間の生死、動物の生死、ロボットの生死について軽すぎず重すぎず上手く書かれていると思いました。