あらすじ
日常の食事は、ご飯と具だくさんの味噌汁で充分。あれば漬物を添えましょう。無理のない生活のリズムを作り、心身ともに健康であるために「一汁一菜」という生き方をはじめてみませんか――。料理研究家・土井善晴による根源的かつ画期的な提言は、家庭料理に革命をもたらした。一汁一菜の実践法を紹介しながら、食文化の変遷、日本人の心について考察する。著者撮影の食卓風景も数多く掲載。(解説・養老孟司)
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無理におかずを作ろうとしたり、バランスを色々考えたりせずに、とりあえず味噌汁にしてしまえばいいんだ。季節のものをもっと味わってみよう。味だけじゃなくて食感や匂いも楽しんでみよう。食事に対する考え方が変わった。
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土井善晴先生が一汁一菜に辿り着くルーツを日本の歴史から紐解いてご説明されていました。
また一汁一菜というシンプルなスタイルでありながらも無限の可能性があり、深みがあるのだと学んだ。
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「作る人が食べる人のことを考えている。料理することは、すでに愛している。食べる人はすでに愛されています。」
著者と同じ世代なので、昭和30~40年代の家庭での放課後の子どもの遊びや生活、家族で食べる食事のしつけなど懐かしく、そうそう同じだったなあと思った。この時代が著者の食を考える原点なんだろうな。何にも考えずにただ食べるだけの毎日を送ってきた私には、上記の文章が心にしみた。
おいしいものが大好きな私だが、脳が喜ぶ食事だけではなく、一つ一つの細胞が喜ぶ食事にシフトチェンジしようと思った。
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実家にあって、パラパラめくるだけで幸せな気分になれた。
自炊するようになって思い出したので自分でも購入。とてもためになる……
わたしの料理バイブルです。
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食に関して考えさせられる一冊であるが、難しい文章ではありません。
ひとつひとつの考えが端的にまとめられ、ちょっとずつ読み進められました。
内容はタイトルの通り。
無理せず気持ち良く『料理』や『食事』をしましょうという話。
素敵だなと思ったのが、『食事』は「食べる」だけではなく、「食べる」ことは『食事』という営みの中にあるということ。
すなわち、相手を想い買い物をする、調理する事から始まり、それを頂く、最後に片付けを行って、良い食事とするという流れに感動しました。
どう暮らすかが大切だということを考えさせられ、日頃の生活を大事にしていこうと思えました。
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食を通して日本の歴史、文化、風習など日本人としての生き方までも考えさせられました。
きりりとそして穏やかに生活しなくてはと思わされた1冊でした。
また何処かのタイミングで読み返したいなと思いました。
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この本を読み始めた理由は、友人が「土井善晴先生を尊敬している」と言ったからだ。その人は立ち居振る舞いがきれいで、考えも深く、その様に少し憧れもあって、彼女が言うなら私も土井善晴先生について知りたいと思った。
また、長らく料理に苦手意識を持っていたが、一人暮らしを15年してきて最近やっと日々の料理に抵抗がなくなったところだった。節約と健康のために本腰入れて料理をするようになり、そのスタイルは母が作るものを真似たものだ。
それで慣れてきて、今は淡々と料理を進められるようになった。
良いタイミングに読んだ気がする。
そもそも「美味しいものが食べたい!」という欲求があまりない。だから、食に拘りがある人に比べて、私は味音痴なんだなあとか、貧乏舌なんだなあとか…引け目というか、食について詳しくないです、偏差値は50以下ですという気持ちがあった。
けれどこの本を読んだらしっくりきた。日々の食事に対して私が求めるのは美味しさではなく、「日常である」ことのように思う。特別は嬉しいけど疲れる、本当に時々でいい。本を読んで、どうやらそれでいいらしいと安心した。引け目を感じる必要はなく、この感性で続けていけばよいと肯定してもらった気がした。
お味噌汁は実家で食べるものが一番美味しいと思う。味というか、気持ちがホッとする。本を読んで今のところ、自分1人で食べる時には、この「ホッ」があまり出せていない。本をヒントに少し工夫をしてみようか。
最後の方に書かれていた「一汁一菜は念仏だ」がとてもわかりやすかった。日々の実践を通して浄化されていく、そういうものが生活に欲しいと思う。
今までさんざ食を蔑ろにしてきたので、このタイミングでちゃんと向き合ってみようか。
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読みながら、優しいと易しいとやさしいの違いについて考える。書き綴られる言葉は優しく、ただ姿勢は凛として妥協がなく、読んだだけで同じ生き方ができるかというとそう易しくもないのかなという遠さを感じる。でも、食卓にあがるものは、まぎれもなくやさしさ。すぐに全てを実践できるわけではないけれど、読む前と後で何か変わればいいな。
なお、やさしいの使い分けは本に書いてあったことではなく、きちんと辞書で調べたわけでもなく、単なる私の感想です あしからず。
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再読。
「どんどん本質からずれて、時代や流行に流されるのはもうたくさん。」
そう思って読書旅をしてきた2024年の締めくくりに滋味深い一冊。
ここ数年、一汁一菜を実践してみてちゃんと基礎ができてる自分を再確認できた。
一汁一菜は私のルーツだから、ここから茎や葉を伸ばすように大切にしていきたい。
また読み返すだろうな。
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日々家族の料理を整えるものとして、日常の料理は一汁一菜で良い、という考え方に惹かれて読み始めた。所々の、飾り気がないのに、美味しさに満ちた味噌汁の写真にワクワクしながら読み進め、結果的に、一汁一菜の提案の背景にある日本人観や人生観、世界観がとても心に残った。もう次世代に何を残すか考えていきたい年になり、自分の中に何となく培われていたものはこれかと、言語化された気がする。自分の中の要として、意識して残し深めていきたいと思った。エッセイに止まらない哲学の本だった。
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まさにタイトル通り「一汁一菜でよい」という哲学を教えてくれる。
ハレとケの概念など、日本人の精神性にも言及しつつ、優しくあたたかく理路整然とその哲学を説明してくれて、心が軽くなった。
全然料理をしない生活から、せめて味噌汁だけ作ろう、そしてだからこそ味噌汁に旬や季節を感じる食材、栄養素の多い具をたくさん入れて一汁を大事にしようと思って作り始めている。
米の炊き方から季節の味噌汁のアイディア(洋風食材を入れていいのか!)など実践的な一面もある。将来子供をもって一人暮らしに送り出す時があれば、荷物に添えてあげたい。
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我が家は料理担当は夫。毎回献立に悩み、料理に苦労している。この本を渡して楽になってもらいたい。
しかしこの本を夫に渡したら怒られそうなので、今日は私がご飯作るよ、と言って具沢山味噌汁を作るのが正解ですね。
たまにしか作らないなら楽するなよって話ではあるが、私が具沢山味噌汁を飲みたい。今日のお味噌汁の具は何入れようかなってわくわくしながら買い物できるのはたまにしか料理しない人間だからですかね。
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我が家は一汁三菜です。
もちろん私が三食用意しますが、その私、自称料理嫌いです
性格が大雑把ゆえ、きっちり計量するのも面倒で調味料も何もかも目分量だし、料理なるものどれだけ手を抜けるかを信条としているくらい。
著者の大ファンというわけではありませんし、レシピを参考にしたわけでもない。
しかしながら、この本を読んでむしろ大ファンになったと言えるかも。
料理嫌いを自称する私にも、とても刺さる本でした。
「ハレ」と「ケ」。
そんなこと考えたこともなかったなあ。やれおせち料理だ、ひなまつりだ、ハロウィンだクリスマスだ、などと、漠然とイベントを意識はしていても、普段の料理との対比は全く考えたこともなかった。
そのことに気付かされて反省し、かつ、普段の手抜き手間抜きは決して悪い事ではないのだと、救われた思いです。
もっと年老いたら、ホントに一汁一菜でいいんだろうなあ。逆に一汁三菜が楽しみになるかも。
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いろいろな味噌汁の事例が良い。ナスを焼いた味噌汁はぜひ作りたい。
昭和賛美、日本賛美、自分の家族賛美が、ちょっと鼻につく。手を洗ったり靴を揃えたりしなかったワタシとしては、ちょっと自分を否定されてる感もあり。
それでもなお、一汁一菜はよい。
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・まず目の前をきれいにしてきちんと整えることを教える。大人だって、目の前に綺麗な食事があれば、自然と姿勢が正される気持ちになる。
・秋月辰一先生の「体質と食物」、味噌は日本人の健康の要」
・2百万年も大自然の1つとして、生きてきた人間の営みに疑いはありません
・ハレの価値観をケの食卓に持ち込み、料理とは手の込んだものでなければいけないと思い込んで、毎日の献立に悩んでいる
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ナイス提案。本書は、家庭料理をシンプルに立ち返らせる試みの結果、ご飯と一汁一菜でいいじゃんという結論を示しており、その背景として日本人の暮らしや歴史に触れることで、この提案が無理なく続けられる自然なかたちだという説得力を持たせている。その背景の一部として西洋と日本の文化的な違いにも触れており、そこで紹介されているのが、日本人ならではの「情緒的にものを見る目」である。その感性を持つには、“もののあはれ”を大切にすることが必要であり、食事の面では旬のものを取り入れたりちょっとしたことに気づいて感動できる心の働きを持つこと、和食の基本形としては一汁一菜を実践することが、その感性を育てる手立てになるとされている。
自分は、とある場面で日本と海外の違いに驚いた経験がある。まったく同じレギュレーション、同じコスト上限の中でそれぞれに自由にモノづくりをしてもらった際に、明らかに完成品の雰囲気や趣旨が日本人と外国人の作ったもので大きく異なる傾向があったのだ。前提にしている価値観も、目指しているゴールも別物であるかのようだった。それは文化的な背景によるものだろうと感じていたが、本書を読んでその理由が腑に落ちた。日本人は情緒を大切にし、微妙な感情の動きを感じ取りそこに価値を見出す。その価値を重視して作品に反映させていたのだ。この感性こそが日本人独自のオリジナリティであり、それが海外との違いを生んでいるのだと実感した。本書で語られる食事の型はその日本人の感性やオリジナリティを育てるうえでも大切な土台になっていると言えると考える。
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土井先生自体は存じ上げていたが、著書を拝読するのは初めて。先日我が家に2人目が産まれ、これからの家族の食生活について考えていたタイミングでこの本を見つけ、すぐに購入。僕自身は専業主婦の母のもとで毎日手料理を食べて大人になったが、それがどれほどありがたく、また身体だけでなく心や目に見えない力をつけてくれたかがこの本を読んでわかった。毎日の食事はただ作る、食べるの行為だけではなく、大切な情報交換の場でもあったのだ。この本を読み始めてから味噌汁をとりあえず時間があれば作ってみることにしている。母がそうしてくれたように、自分も我が子たちに食事以上の何かを与えられるような食卓を作ってあげたいから。見た目の良くない食材(タコ、ナマコなど)を初めて食べた人がすごいのではなく、初めから本能的に食べられることを体が知っている、という説は納得。
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噂によく聞くこの本をやっと読んだ。
先月から一人暮らしを始めて毎日自炊をしているが、家族分の献立を朝も昼も夜も考えてくれていた母親を改めて尊敬します。毎日頭の中献立考えることでいっぱいだったろうなと思う(しかも一汁一菜ではなくて、毎日三菜くらいはあった)
仕事で疲れて帰った時に「一汁一菜でよい」という言葉を思い出すととてもホッとするし、プラスで何か副菜を作れればそれだけで自分偉いなーって嬉しくなる。
レシピ通りに作ると少し薄いから、ちょっと味噌を足してみてすごく美味しくできると嬉しくなる。
自炊を始めて嬉しいな、楽しいなって思うことが増えました。そういう豊かさをこの本は薦めてくれています。
YouTubeで土井先生が味噌汁作っている動画見ましたが、具と水を先にお椀に入れて作るやり方がなんか好き。
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日々の食事を見直すきっかけになった。今は色んな料理を作るのが楽しい時期だけど、一通り作れるようになったら一汁一菜をベースに生活してみたいなと思う。
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一汁一菜は、念仏のようなもの。
毎日唱えることで、日常が変わり、世界が変わっていく。
親が一生懸命生活していることが、教育の本質。
見返りを求めない家庭料理は、命をつくる仕事。
属人器があるのは日本料理だけ。
和食の背景には自然があり、
洋食の背景には人間の哲学がある。
家庭料理とは、安心の基地。
安心できるからこそ、挑戦するモチベーションになる。
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あっ、と思って小説と共に購入した文庫本。装丁も良く、ビジュアルで美しい。食事は「一汁一菜で良いのよ」という生き方の紹介。哲学であり美学。手元に置いて何度か読みたい。本当に実践したら、痩せると思う。
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『新潮文庫の100冊』より。
衣食住の中で最も食に関心が薄いので読んでみた。
日々の料理に気を負わず、一汁一菜で十分という提案は画期的だが、私は根本的に"台所に立つ・調理する"こと自体が億劫な人間。
本書で提言されている無理のない範囲での丁寧な食生活すら高いハードルに感じてしまうが、子供のためにも少しずつ意識を変えて頑張ってみようと思う。
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ふと書店で見かけたこの本のタイトルに惹かれて読んでみました。
私はこれまで自炊はせずに惣菜で済ませていましたが、この本を読んで一汁一菜なら続けられそうだと思いました。
私の理解力の問題だとは思いますが、正直、哲学的な内容や和食の大切さといった部分についてはあまり頭に入ってこなかったです。それでも、料理するということについて、身構えずにもっと軽い気持ちで向き合って良いと気づいたことだけでも価値のある本だと思いました。
Posted by ブクログ
提案、発想は興味深く、その背景や歴史も興味を持たせるが、実用性で言うと少し低い(当たり前だが)。だごこれまでの真心込めた豪華な食事の当たり前を見直し、精神面も含めた栄養について考えさせられる有意義な読書であった。
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料理を作ることこそが愛情で、手間の有無や美味しさは二の次だという考えが印象的でした。改めて、毎日食事を作ってくれる(た)妻や母に感謝したいと思います。
Posted by ブクログ
良い。
お湯に味噌をとくだけでもよい、とは以外。
普段の料理は時間をかけなくても良い。なでも味噌汁にすれば良い。あとはご飯があれば。