あらすじ
いつか終わる恋をしていた私。不意の病で人生の選択を迫られた娘。忘れられないあの人の記憶を胸に秘めてきた彼女。運命に悩みながら美術館を訪れた人々の未来を、一枚の絵が切り開いてくれた――足を運べばいつでも会える常設展は、今日もあなたを待っている。ピカソ、フェルメール、ラファエロ、ゴッホ、マティス、東山魁夷……実在する6枚の絵画が物語を豊かに彩る、極上のアート短編集。(解説・上白石萌音)
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Posted by ブクログ
お気に入りの2作について
「群青」
主人公ミサオはニューヨークにあるメトロポリタン美術館で働く女性。美術館では障害を持つ子供たちのためのワークショップを計画していた。ミサオは目の不調に気づき眼科をかかると、弱視の少女パメラと出会う。ミサオは緑内障と診断され、未来が真っ暗であったが、ワークショップでパメラと再開する。
「道」
主人公翠はイタリアで現代美術に関する様々な仕事に携わるキャリアウーマン。とあるきっかけで、新表現芸術大賞の審査員を務めることに。翠は審査中、エントリーナンバー29番の作品に不思議な感覚をとらえる。なんとその絵は、翠と離ればなれになった兄が描いた作品だった。翠はどうしても彼と会いたいと事務局に懇願し、その住所まで向かうが、兄の娘彩から先週亡くなったと告げられる。だが、彩と翠は唯一の家族になった。
「感想」
2作とも切ない運命にも関わらず、温かさを感じる物語だった。
「道」では、兄に会うという念願は叶わなかったが、彩に会えて家族になれた時、救われたと感じた。
翠と彩の心情を思うと、目頭が熱くなった。彩とい名前を付けたのも、きっと兄だろうと思う。
Posted by ブクログ
安定の美術館もの。見たい、という感情を湧き立たせる。
群青で、のっけからやられた。薔薇色の人生に、オヨヨと意外性を味わう。道でしめる構成もイイ。露店で気づかないことに違和感は拭えないが、作品を想像し、作品に至る心もちに感動を覚える。ちょっとのすれ違いが無念。
他の作品も悪くない。連作だったら、もっと感動したのでは?とわがままな感想を抱いてしまった。