あらすじ
強引に推進された大学入学共通テストは受験生やその家族をさんざん振り回したあげく、制度の欠陥や無理のあるスケジュールに批判が集中、想定した形での導入は断念された。大学受験はいわば理想の教育の体現である。けれど教育の理想像は人それぞれ。このため原理主義的に先鋭化しがちで、思想的な対立が起こりやすい。さらに今回は入試問題の現状を把握していない論者による、高校生や大学生に対する事実誤認に基づいた荒唐無稽な主張も少なくなかった。大学入試改革議論の混乱に惑わされないための視点を考える。
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Posted by ブクログ
<目次>
第1章 大学入試の現場
第2章 推薦入試の表と裏
第3章 奇妙な入試改革
第4章 こうして改革は失敗した
第5章 多面的な評価を多面的に評価する
終章 どうして入試改革は狂って見えるのか
<内容>
さまざまな障害を持つ生徒が増えた今、著者の言うように、「公平性」「平等性」というのはこれを保障するのは無理ゲー状態である。しかし、著者に言わせると、入試問題も見たことのないような委員が、改革の論議の主導権を握っているようでは、日本の将来も知れている。このような分析がされるこの本は、今まで気がつかなった視点から大学入試を紐解いていくので、優良だと思う。