あらすじ
「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」
家族を失い真っ白い悲しみのなかにいた青山霜介は、バイト先の展示会場で面白い老人と出会う。その人こそ水墨画の巨匠・篠田湖山だった。なぜか湖山に気に入られ、霜介は一方的に内弟子にされてしまう。それに反発する湖山の孫娘・千瑛は、一年後「湖山賞」で霜介と勝負すると宣言。まったくの素人の霜介は、困惑しながらも水墨の道へ踏み出すことになる。第59回メフィスト賞受賞作。
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Posted by ブクログ
両親を亡くした青山くんが水墨画を通して、自分の思いと向き合っていく。
まず、水墨画という地味なイメージのジャンルに、はじめてこんなに惹かれました!
ちあきちゃんと仲良くなっていく過程もよかった。でも恋愛まで発展しない感じもよかった。
花や絵を書くことには、人を回復させる力があるなぁと思いました。
久しぶりに墨汁の香りを思い出した
Posted by ブクログ
映画を観ていたので、当然読み終わっているものだと思っていたのですが、読めば読むほど読んだことがないことに気づきました。
先に映画を観てしまったので読むことを後回しにしたまま、今日に至る。
という感じ。
^芸術に関する作品なので、映画を観ずに読むと難しいかも知れません。
水墨画のことが度々出て来ますが、それなりにイメージしながら読み進むことができました。
主人公や周りの人の悩みも本の方がちゃんと理解できて良かった。
個人的にはお勧めの一冊です。
Posted by ブクログ
2度目になるが今回も非常に楽しめた。
主役が成長していく姿がいいのか?心情が多いのが好みなのか、優しい内容が好きなのか…
面白い事は事実だ。
Posted by ブクログ
両親を事故で失い、心の中の硝子の箱に閉じこもった孤独な青年青山霜介が、水墨画の巨匠篠田湖山に見出され、水墨画を通して命と向き合っていく話。両親を失った孤独な青年を主人公に、湖山の孫の気の強い美少女千瑛と切磋琢磨し、大学の友人と学園祭で展覧会をし、なんというかありきたりな恋や死や青春や大団円の匂いもするんだけど、水墨画という芸術がテーマであるために全体が深いものになっていて、安直なハッピーエンド、に終わらない感じがよかった。家族を失い、なぜ生きるのかの意義も見失う青年に、水墨を通して世界や自分の心や生きることそのものを教えていく湖山先生もとてもよい。
Posted by ブクログ
主人公の、両親の死など周りの出来事や、水墨画に対する感じ方の表現に独特の感性があって面白かった。
これまで水墨画は目にすることはあれど、この本のようにじっくりと作品として味わって鑑賞することは殆どなかった。
水墨画の巨匠にたまたま巡り会って価値を見出され、滅多になれない内弟子になれるというところはできすぎているが、その巨匠も、孫娘も、きっかけを作った親友の古前くんにしろ、不快感のない、主人公に刺激を与えてくれる良きキャラクターだった。
「そんなに凄い絵なのですね〜」などと記者がコメントしている場面があり、確かに水墨画というと渋い分野に思え、玄人世界に感じる。
また時間がある時に、水墨画に触れてみようと思う。
いいかい。水墨を描くということは、独りであるということとは無縁の場所にいるということなんだ。水墨を描くということは、自然との繋がりを見つめ、学び、その中に分かちがたく結びついている自分を感じていくことなんだ。その繋がりが与えてくれるものを感じることだ。その繋がりといっしょになって絵を描くことだ。
そのためには、まず、心を自然にしないとp85
「そんなに凄い絵なのですね。簡素な絵なので、インパクトに欠けているように感じます。やはり我々素人には難しい世界があるのですね」p378