あらすじ
疾走感溢れる傑作時代エンターテインメント。
冲方節炸裂の、これぞ大江戸諜報劇!
父を旗本奴に殺され、育ての父も明暦の大火で喪った少年、六維了助。
火付けの一味に我流の剣法で襲いかかったところを若き水戸光國の目にとまり、捨て子を間諜として育てる幕府の隠密組織「捨人衆」に加わる。江戸を焼く盗賊に、妖しい美貌の惨殺犯も現れ――。
解説…佐野元彦(NHKドラマプロデューサー。制作作品「篤姫」「あさが来た」「ノースライト」など多数)
※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
江戸を舞台に孤児たちが水戸光圀の隠密組織「拾人衆」として活躍する歴史小説風のエンタメ作品。
主人公は、父親を旗本奴に殺され、育ての親も明暦の大火で喪った挙句、件を教えてくれた恩人もなくしてしまう、六維了助。
拾人衆の仲間である鶴や禅問答を通じて少しずつ心を開いていく様子が温かい。また、いっぺんいっぺんに起承転結があり面白かった。
時代背景はもちろんのこと、史実の出来事や登場人物もたくさん登場しており、歴史を知っているとさらに楽しめる作品になっている。
私はそんなに知らなかったので、その感動に共感できず、残念だった。
Posted by ブクログ
冲方さんのエンタメ色強めな時代小説とあって、俄然期待は高まります。キャラクター色の強さといい、話の派手さや見せ場の多さといい、確かに映像化をはっきり意識したお話ですね。
しかし、続きものとは知らなんだ……や、終盤辺りで、「あとこれだけのページで話がまとまるのか……?」と心配になり、最後の最後に「終わっ……た……?」と唖然としたので、すでに第二作が出版されていると知って安心しましたが(笑)
解説にもありましたが、江戸初期という時代の背景について非常に丹念に調べ込まれていて、お国事情から庶民の暮らしに至るまでが大変にリアルに描かれており、知らないことばかりで感心させられることしきりです。しかし、人死にや拷問といった凄絶なシーンや遺体や怪我の描写までリアルなのは……時々「うぐっ;」となりますが;
了助の確実な成長(というかスキル習得)が頼もしい一方、その純粋さ故に、シリーズが進めば避けては通れないだろう、光國の罪を知ってしまう展開が、想像するだけで今からつらい……。