あらすじ
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「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がないって思ったんだ」というクマの子。どうしたら生きる不安が消えるのだろう? 不器用で、けなげで、一生懸命生きている動物たちがあなたにそっとよりそってくれる、心にひとすじの風を通してくれるような作品です。動物を主人公に「生きること」を考えさせる7編を収録。
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Posted by ブクログ
児童向けのYA作品として出版されたものだが、どちらかというと大人向けの童話といった印象を受ける。
動物を主人公にした短編が7編収録されているが、いつもの魚住さんの作品とは趣が違ってちょっと驚いてしまった。
こういう雰囲気の作品も書かれるんだなぁ。
生きることの難しさとや寂しさを、動物たちの素朴な言葉で語るのが読んでいるうちにじわりと沁みてくる。
どの話も素敵だが、少女を殺すために近づいたアオダイショウが、最後には自分の命を投げ打って少女を助けるまでを描いた「朝の花火」が一番好きだ。
Posted by ブクログ
ちょっと心が疲れた時に読むといいと思う。
特に、最初の『べっぴんさん』がいいなぁ。最初の違和感は、納得。チドリさん色々あったのねぇ。
『ショートカット』おサルの坊やも、印象に残るなぁ。
アメンボやアオダイショウと鯉と、ライオンとクマが主人公?のお話。
動物たちと人間が少しコラボするちょっと深い、優しいお話が多かった。
Posted by ブクログ
寓話のような短編集。
動物達の姿を通して「生きること」のしんどさを思うと同時に、「生きること」について深く考えさせられる。
どのお話も文体はとても優しいのに内容は生と死に関するもので切ない。けれどラストは気持ちを軽やかにさせてくれるものが多い。
特に『アメンボリース』『朝の花火』が好き。
飛ぶことを諦めた鳥もいれば、人間に憧れるサルだっている。
生き物を殺すことに快感を覚える「ころしや」のアオダイショウだって温かな気持ちを知る瞬間に出会い、腹を空かせて死にそうだったライオンも生きる勇気を貰う。
「死んでるみたいに生きるんだったら、意味がない」
怖がりの子グマが一生懸命考えて出した答えが心に残る。
「生きること」の意味を穏やかに問われた作品集だった。