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Posted by ブクログ
王座になんて興味はなかった。
ずっとフェルナン伯爵の息子でありたかった。
そう思うウォルの気持ちを知りながら、頑なに臣下の礼を尽くすフェルナン伯爵。
それは、息子を手放したくないという自分のわがままが、国の乱れを生んだという悔いがあったからだった。
リィの活躍でようやく巡りあえた父子には、言葉も時間も多くは残されていなかった。
ここからまっすぐ最終決戦に行ってもいいと思ったが、まだ政府軍は仕掛けてくる。
最大の抵抗勢力を味方につけて、国王軍討伐に向かう。
ウォルを国王として支えていたはずの重臣たちは、なぜ討伐軍の方へ寝返ったのか。
一度読んだはずの本なのに、続きが気になって本を閉じることができない。
多分最終的にウォルは王座を奪還するはずなんだ。
だって敵はあまりにも下司で、あくどい事をやりすぎた。
それはわかっていながら、リィの人間離れした能力を使った、意表を突いた行動が愉快で。
リィを中心にした彼らの、軽口の応酬ももちろん楽しい。
だからこそフェルナン伯爵のくだりがグッとくるんだよなあ。
Posted by ブクログ
恐らく、このシリーズの第1部の中では、最も悲しい巻だったのではないだろうか……? と、思います。
ウォルが、本当の王様じゃない(というよりも、王様の資格がない)可能性が急激に濃くなって。
皆がそれを信じちゃって。
今まで味方だった人が。
全員、味方ではなくなってしまう。
そして。
何よりも、一番辛いのは。
ウォルの育ての親が……というよりも、父親が。
死んでしまったこと。
心から尊敬出来る人を。
失ってしまうのはとても悲しい。
そして、彼もまた、重い、重い、後悔を背負って、自分の気持ちを押しつぶして。
自分の“息子”のことを思ってたんだよ。
なんだか、とっても、とっても、とっても、悲しかったのに。
こういう悲しさはとっても好きです(ぇ)。
人の人生の結晶を見る想いがするから。
願わくば。
ウォルに幸いあれ!