あらすじ
大正情緒を引きずる昭和6年、1人の強欲成金が顔を赤いペンキで塗られた異様な死体となって発見された。冤罪を着せられた放蕩息子の牧野心太郎は、真犯人を捕まえるために、タダで探偵をするという奇特な伯爵家の次男坊・黛望(まゆずみのぞみ)を頼る。一方、巷では同様の死体が次々見つかり、「黒影法師」なる者の仕業と噂になっていた――。耽美と退廃が匂い立つ、帝都バディミッション開幕!
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Posted by ブクログ
おもしろかったけど、最後が唐突に終わった。解けない謎の正解が気になる。余白を残すタイプか〜。聡明じゃないから正解を示してほしい気持ち。読んでいる中でキャラクターに惹かれていった。
Posted by ブクログ
銀座の名だたる劇場に東京市内にカフェーを十一軒経営する牧野求助が書斎で射殺体で発見される。
顔は赤ペンキで無造作に塗られて。
三男の放蕩息子、心太郎は葬儀の為、渋々牧野家に戻ってくるが、匿名の通報により、警察に連行される。
心太郎は兄のお陰でなんとか釈放されたあと、留置所で聞いた、麻布のマユズミ探偵研究所を訪ね、冤罪を晴すよう依頼するが。矢先に起こる第二の事件。
背の高い栗毛色の髪をふわりと伸ばした優男、黛望。住む場所を失い、探偵助手となった心太郎。
彼らの元へ次々と舞い込む不思議な依頼たち。
やがてそれは巷を騒がす「黒影法師」の秘密とつながって。
昭和初期の東京。
ルックスだけは良い心太郎はどこかお坊ちゃんの気質が抜けず、人が良くて危うい。
謎めいた蛇の女神像、男に貢ぐ令嬢、鎌倉の文通ガール、好青年の裏の顔。
黛は颯爽と謎に取り組むが、彼に振り回される心太郎に家政婦のミネが気の毒になってくる。
探偵も助手も個々に事件を進展させるところは少年探偵団っぽい。助け合ってる感は無いんだけど。
全体的にスッキリとは終わらない事件がもどかしいけれど、それもこの時代の空気に合っているのかな。