あらすじ
看板娘のお瑛と兄の長太郎が営む三十八文店の「みとや」。のんきで憎めない兄が仕入れる品々は、毎度ちょいとした騒動を巻きおこす。その日も長太郎は、仕入れの荷も解かずに、笑顔で出掛けていったのだが……。残された板紅や水晶に込められた優しい思いとは。かけがえのない思い出と喪失を胸に、それでもお瑛は生きていく。兄と始めた、小さいけれど大切なこの店で。シリーズ第三弾の六編。(解説・大矢博子)
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内容(ブックデータベースより)
看板娘のお瑛と兄の長太郎が営む三十八文店の「みとや」。のんきで憎めない兄が仕入れる品々は、毎度ちょいとした騒動を巻きおこす。その日も長太郎は、仕入れの荷も解かずに、笑顔で出掛けていったのだが……。残された板紅、紅筆、水晶。品々に込められた優しい思いとは(「水晶のひかり」)。ほか、思い出も涙も胸に、今日という日を生きるお瑛の姿を描く全六編。健気な姿が、しみじみ温かい思いを誘います。好評シリーズ、秋晴れの第三弾。
令和6年6月3日~4日
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驚きました。しかない。死んだと思わせて毒が抜けて生き返る、おちゃらけ路線を明確にするのかと思いきや、事実が告げられて、本当に亡くなったよ長太郎。2人で生き抜いて困難克服していたのが、あっさり死んじゃう。清吉に寛平に安定感のある日常風景がお栄1人になると途端にもの悲しいですが、辰蔵が?直が?恋人になるのか思いきや、ラストの辰吉の告白。5話それぞれ深い、3すくいなんか切ないよ、お兄ちゃん姿を追うのも、でも過去には戻れないことをこうして教えてくれたと思う、現代の苦しみを江戸に置き換えてくれたと思う。追いかけます
Posted by ブクログ
切ない一冊になりました。
生きていれば、出会いと別れがあるのは当然で、その時期を選ぶことなんてできない。
今回は辛い!
でも、生きてる人間は生きていかなくてはいけないんだと、改めて思う一冊でした。
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。
のんきで憎めない兄としっかりものの妹との二人三脚でやってきた「みとや」だったのに・・。二親に続いてなので、本当に寂しくなる。
それでも周囲の助けでなんとか店を続けるお瑛。仕入もお瑛が行うことになり、仕入帖を元に兄の足跡を追うことになるが、本のタイトル「みとや・お瑛仕入帖」がこういう事に繋がっていたんですね。近所の惣菜屋の女将と知り合いの武家との結婚話しや、叔父夫婦との久方ぶりの邂逅があったものの、ご隠居や赤児の死などもあり暗くなる。将来はお瑛と結婚かと思っていた船頭の辰吉との関係は笑ってしまう。続編を見たいが、今のところ無さそうで寂しい。