【感想・ネタバレ】スカイ・クロラのレビュー

あらすじ

人の顔は簡単に殴れるのに、自分の顔は殴れない。 自分のものになった瞬間に、手が出せなくなる。 自分のものは、何も壊せなくなる。 僕は、自分を壊せない。 人を壊すことはできても、 自分は、壊せない。(本文より)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

スカイクロラシリーズを初めて読みました。アニメは見ていません。
主人公のカンナミは何に対してもあまり執着というものがなく、先入観もなく、かなり達観した考え方をしているのが印象的でした。そんな主人公でありながら、森博嗣さんの描写力もあって、不思議と感情移入してしまうような魅力的な主人公でした。
そんな主人公と女主人公の草薙とのやりとりは、独特の空気感がありました。エンディングは驚きましたが、それと同時にやはりそうなってしまったかという気持ちもあり、形容し難い感情でした。二人は互いに恋愛感情は無かったけれども、最後のカンナミの行動はある種愛情の様なものを感じました。(アニメ版のあらすじは恋愛感情と明記されていて違和感を覚えますが…)
全体的に世界観やキャラの価値観はかなり好みでした。シリーズの他の作品も読んでみようと思います。

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

きわだった透明感。

“キルドレ(永遠の子ども)”は、戦闘機に乗り、人を殺す。
彼らは生き方を選べない。ひたすらに空を翔るだけ。そこに理解も愛情もいらない。ただ、純粋で綺麗なところに行きたい――。
淡々とルーチンワークをこなし、終わりのない閉塞感のもどかしさのなかで夢見るのは、孤独でない澄み切った死

理由がないと生きられない“大人”に対して、言いわけなどという不純物を捨て去った“子ども”  という対比が面白い。

気づけば作品の世界に落ちて行っているかのような不思議な感覚だった。これは装丁の美しいハードカバーで読めばよかった。

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2012年11月10日

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