あらすじ
高校二年生の橙子はある日クラスメイトのヤマオからの推薦で、合唱コンクールのソロパートを任されることに。当初は反発したものの、練習を進めるにつれ周囲とも次第に打ち解けていく。友人たちは、橙子が時折口走る不思議な言い訳や理解のできない行動に首をかしげていたが、ある事件をきっかけに橙子の抱えていた秘密を知ることになり―。まっすぐに生きようとする少若く力強い魂を描き出した、胸がひりひりするような感動作。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「わたしがそのときいちばんつらかったのは、ただその人が憎いだけじゃないってことだった。」「引き出しを分けることにしたの」「恩にも時効はあっていい。」反芻して自分の中に落とし込んだ、冬香先生の言葉たち。
そして、ヤマオが行動派で素敵なんだ。
橙子のようなつらさ、悲しさ、想いを抱えている人はどのぐらいいるのだろうか。気づかないところに、すぐ近くに、いるかもしれない。どうかこの本を必要としてるいる人に、広く届いて欲しい。
カツセさんが帯を書いていなければ、読んでいなかったかもしれない本。私のところに届いてほんとに良かった。
Posted by ブクログ
瑞々しくて悲しくて苦しい話だった。
正直、芳子のことは少しも好きになれないし、可哀想だとも思わないけど
ヤマオが言うように彼女が橙子を引き取らなければ
同じクラスになることも合唱することもなかったと思うので
そこに関しては「ありがとう」なのかなと思う。
好きだけど嫌い。
心の底から嫌いになれたらどんなに楽か。
そう思ったときは、冬香先生のように、感情を別々の引き出しに入れてみようと思う。
恩にも時効がある。いい考え方だと思った。
Posted by ブクログ
途中からなんとなく背景は推測できたけれど、明らかになったシーンにはぞわりと鳥肌がたった。1種のホラー。
自分の記憶にある遠くは無いシーンが浮かんで、重い気持ちになった。
Posted by ブクログ
追い詰める人は追い詰められてる
恩にも時効がある
がすごく響いた。
憎みきれないけど自分の中で整理をつけて進んでいかないといけないんだなと....
最後バタバタとまとめられた感じがして、冬香先生の過去と橙子のその後が気になった。
この方の文章はとても読みやすいです。
Posted by ブクログ
普段はあまり買わないような本。
流行りの本かな〜?と思いつつ購入。
読んでみるとスイスイ入ってくる、吸い込まれる。
どうなる?どうなる?!と久々に一気読みした。
重い重い!!ちょっとずつ重くなってくる!!
うわぁ〜〜〜。となりながらも読み進めた。
が、最後が少し薄かった。
最後を良い意味の激重にして欲しかった感。
ハッピーエンドなのは嬉しいけど
終盤まで引き込まれていただけに
拍子抜けしてしまった。
Posted by ブクログ
高校の合唱コンクールが舞台。
爽やかな青春小説で、ちょっと変わった女の子だと思っていたら、後半ガラッと印象が変わります。
不可解な行動をする橙子に隠された秘密。
読んでいて苦しくなる展開でした。
虐待と一言で済ませるのとも違う親子の歪んだ愛。
橙子の育った環境も辛く、母の芳子の過去も苦しく、お互いが愛して欲しいと叫んでいるのに上手くいかない。
「追いつめる人は追い詰められている人だと思うの」
「恩にも時効があっていい」
離れることで上手くいけばいいなと思う。