あらすじ
本編では描かれなかった、スペシャル番外編4話を収録。
・SNSで大バズリした話題の「0話 初恋」
・福と宝が初めて結ばれた日を描く「0.5話 交合」
・本編の終盤に登場するライムちゃんの物語を描く前後編の2話 を収録。
「高校生の妊娠」をテーマに、「生」と真正面から向き合い描いた、蒼井まもる渾身の大ヒット作、ついに最終巻!
こんなにも「幸せになってほしい」と思える作品には2度と出会えないかも…。
女子高生の福は避妊に失敗し、幼なじみの恋人宝の子どもを妊娠してしまう。その事実は、彼らの日常を大きく変えた。通学、家族との関係、お金の問題、未来…。沢山の壁に向き合いながら彼らが出した答えとは。
妊娠はマンガでもたまに見るテーマですが、現実的な過程はスキップして話が展開することが多いと思います。しかし、この作品は高校生の妊娠をリアルに描いています。
如実に描かれているのは家族の問題です。父、母、兄、祖父みんな2人の幸せを願っているからこそ、出産、中絶、特別養子縁組、里親制度など様々な選択を主張します。
全員が幸せになってほしいのに、誰も幸せになれない。そんな悲しい現実が、繊細な描写によって読者の心に遠慮なく突き刺さります。
「少女マンガは話に没入できないからあまり…」という方にこそ、心から自信をもってオススメする実力派作品です。
感情タグBEST3
ライム
ライムのストーリーは救いがなくて、読んだ後他の結末がよかった…とその時は思ったけど、実際に現実にライムの赤ちゃんのような子どもは多々いる。ニュースで見るだけでは悪魔のような母親、ほかに選択肢もあっただろうに、などと思うだけで、その背景の母親の苦しみまで理解しようとする人は多くはないと思う。そう思うと命を宿すというテーマのこの本の最後にあえてその話を入れたのだろうと思った。