【感想・ネタバレ】熱帯のレビュー

あらすじ

どうしても「読み終えられない本」がある。結末を求めて悶えるメンバーは東奔西走。世紀の謎はついに…。第6回高校生直木賞受賞作。

【電子書籍特典付き】電子書籍特典として森見さんの書き下ろしエッセイ「私の熱帯」をPDFでダウンロードして読むことができます。

※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

「本というものが俺たちの人生の外側、一段高いところにあって、本が俺たちに意味を与えてくれるというパターンだよ。でもその場合、俺たちがその本が謎に見えるはずだ。だってもしその本が解釈できると思ったなら、その時点で俺たちの方がその本に対して意味を与えることになってしまう。」

「いろいろな本が含んでいる謎を解釈せず、謎のままに集めていけばどうなるだろうかということなのよ。謎を謎のままに語らしめる。そうすると、世界の中心にある謎のカタマリ、真っ黒な月みたいなものが浮かんでくる気がしない?」

沈黙読書会の店主が物語冒頭で語ったこの言葉。
まさに『熱帯』を表す言葉であった。
正直読んでいて謎が多いし、理解しにくい部分も多分にある。けれどもその謎が「世界の中心にある謎のカタマリ、真っ黒な月みたいなもの」を生むのであろう。
この本が私の人生にどのような意味を与えてくれているのか、今一度再読しよくよく味わってみたい。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不思議な物語にどっぷり浸りたい時、夜なかなか眠れない時、現実逃避したい時にぴったりの本。
ページ数は多いけど、いつまでも続いて欲しくて、1ページ1ページが愛おしかった。やっと読み終えた!という達成感と終わってしまった…という切なさが同時に押し寄せてきた。読み終わってもまた最初から読み直したい衝動に駆られている。でも、他にも積読がたくさんあるから、今は我慢。また内容を忘れ始めた時にでも…。
表紙の伏線回収が好き。
森見さんの作品は初めて読んだけど、世界観がとっても好きだなと思った。好きな作家さんに仲間入りする可能性大。他の作品もこれから読んでいきたい。

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2025年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

様々な世界線が入れ子になって交わっている不思議な感覚。途中までなかなか話に入り込めなかったのに、ラストの50ページくらいから一気に引き込まれた。読み終わって、え?どういうこと?となって、すぐにもう一度読みたくなる作品だった。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰も結末まで読み終えられない本、「熱帯」。
そんな摩訶不思議な本に魅了された人々は、結末を知るために記憶を擦り合わせる。いつの間にか、小説であったはずの「熱帯」は、現実世界にまで入り込んでくる。ふと気がつくと、我々読者も、熱帯の無人島を彷徨い歩いているようだ。

物語の中の登場人物がまた新たな物語を紡ぎ、それが繰り返される。だんだんと、どちらが現実でどちらが幻想の物語かの境界線が曖昧になってくる。「千夜一夜物語」を元に、現実と幻想を丸ごと取っ替えるかのようなよい読書体験だった。

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2025年06月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ファンタジー。すごく不思議な物語だった。
物語の中で物語が始まるという構成が至るところで観られて読み進めることが楽しかった。

前半は「熱帯」と、その作者である佐山尚一の謎を追っていく話。後半は佐山尚一の物語。
個人的には前半のような謎を追っていく中で不思議な現象に巻き込まれたり、個性強めなキャラクターに振り回されたり、と言った展開が好き。池内氏と白石さんのやりとりがもっと読みたかったが、後半も南の島の描写が美しくて良かった。暑いシーンは暑いし、雨が降ると寒かった。熱帯、南の島の空気感や色がありありと感じられて気持ちよかった。

物語を創作することについても触れている。何もないからこそ何でもある。魔術はそこから始まる。だからこそネモは記憶をなくした何もない状態から、思い出すことで創造の魔術を使い「熱帯」を創っていったんだと思った。

森見さんのセンスは相変わらず光っており、「沈黙読書会」や「暴夜書店」など私の癖に刺さるワードが出てきて嬉しかった。お気に入りのフレーズは「乙女危うきに近寄らず」。

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2025年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

森見登美彦ワールドすぎて途中何回も置いてかれたし、ちゃんと読めているのかすらも怪しいけど面白かった!
最終的に誰が主人公なんだかどの世界線の話なのかもよくわからなかったけど爽快で大好き!

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2025年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良書。
小説が読みたくなる。小説を読み始めるだけで周りから遮断された世界に入り込むことができるのは分かる気がする。
最後まで読んだ人がいない熱帯という小説をめぐるユニークな設定。
展開が分かりにくい。今どういう状態の話なのか混乱する。だけど、それを気にせず世界観を楽しめばいいのかと思う。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

去年とあるチャットアプリにて紹介?された本。
読み終えるまでにかなり時間を費やした。
つまらなかったわけではない。ゆっくりなのだ。

途中から現実と空想の区別がつかなくなり振り回される感覚が楽しかった。時代も変わるし。

結局何だったんだろ熱帯。
思い出せない本、最後まで読めない本。
本についての本っておもしろい設定だよね。

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2025年08月09日

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