フィリップ・シノンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
当時、ウォーレン委員会の若手法律スタッフとして第一線で捜査資料を収集、検討していた人々も、50年という歳月を経て、自らの見聞や体験を冷静に振り返り、語れるようになったのがよくわかる。
今日では FBI や CIA の捜査能力や情報収集が官僚主義的な自己保身と絡まりあって、かなり杜撰であったことが広く知られるようになっているので、この書にしばしば出てくる捜査資料の杜撰さに対するスタッフの憤懣にはさほど驚かないが、 FBI や CIA がまだ神話的な伝説に包まれていた時代に、その杜撰さに直面した当時の若手スタッフはさぞ驚いたであろうし、信じられない思いだっただろう。
いろいろな陰謀を説くケネ -
Posted by ブクログ
ケネディ大統領が暗殺されたダラスの悲劇。それは偶然の重なり
が犯行を可能にした事件だったのか。
上巻同様、下巻でもウォーレン委員会の若き調査員たちの奮闘
が綿密に綴られている。
FBIやCIA、シークレットサービス、ダラス警察から提出された資料を
読み込み、実地検分をし、関係者の宣誓証言を取り、矛盾する点は
ないか、見落としていることはないか。彼らは家族と共に過ごす時間
を削ってまで委員会の為に働く。
真相を見極めようをする彼ら調査員と対照的なのが委員たちである。
委員長の最高裁首席判事ウォーレンはケネディ家を気遣うあまり、
未亡人であるジャクリーンの宣誓証言を取る気はなかった。
結局 -
Posted by ブクログ
1963年11月22日、アメリカ・テキサス州ダラス。第35代アメリカ
大統領ジョン・フィッツジェラルド・ケネディがオープンカーでの
パレードの最中に射殺された。
現職大統領、しかもアメリカが大きな期待を寄せた新時代の
大統領の暗殺はアメリカのみならず、世界に大きな衝撃を
与えた。
ケネディ亡きあと、副大統領から新大統領となったジョンソンに
よって招集されたのがこの暗殺事件を検証する為のウォーレン
委員会だ。
連邦最高裁首席判事アール・ウォーレンを委員長に、後に大統領
となるフォード、ピッグス湾事件で失脚した元CIA長官アレン・ダレス
などの6人の委員によって構成された。
実際に事件の調